今年の夏は日差しが強く暑い日が続きますね。すでに赤ちゃんや子どもが日焼けしてしまったというママやパパもいるでしょう。日焼け後の肌の黒ずみや湿疹、皮がむけるなどのトラブルにはどのようなアフターケアが有効なのでしょうか。日焼けをしたときの受診の目安や保湿、薬の使用についても解説します。
これからの季節、保育園や幼稚園、レジャーなどでプールや海に行く機会も増えますよね。すでに子どもが日焼けしてしまった、という人もいるでしょう。
赤ちゃんや子どもの皮膚は、大人の半分くらいの薄さでとてもデリケートです。皮膚のバリア機能もまだ十分に発達していないため、紫外線など外的な刺激を受けやすく、日焼けの症状があらわれやすいのです。
また子どもの時に紫外線を大量に浴びたり、日焼け対策をしていないと大人になったときに皮膚がんになる可能性が高くなったり、シワやシミが出やすくなるといわれています。
赤ちゃんや子どもが日焼けをしたときに見られるトラブルをご紹介します。
日焼けは肌が火傷した状態です。日焼けで肌が赤くなったあと、皮膚が黒くなる場合があります。
日焼けで肌が火傷した状態で肌が乾燥して、皮膚の細胞が死んで皮がはがれることがあります。
さらに症状がすすむと水ぶくれになることもあります。水ぶくれをかくなどして破れると、細菌感染して痕になることもあるので注意が必要です。
日焼けで肌が軽いやけど状態になっているのを放っておくと、肌の乾燥からかゆみや湿疹などのトラブルを起こしやすくなります。
赤ちゃんや、子どもは日焼けで上記のような症状が出やすいため、特に日焼け対策や、日焼けをしたときにはアフターケアが必要です。
暑い日の外出や、プールや海などのレジャーで日焼けをすることもあるでしょう。日焼けをしたときには、そのあとのアフターケアがとても大切です。
日焼けをしている状態は、肌のバリア機能が壊れて肌の表面が荒れている状態で、汚れのダメージを受けやすいので、汗やほこり、日焼け止めクリームなどの汚れを先にしっかり落とすことが大切です。
汚れをきれいにしたら、熱を取り除くために、日焼けした部分に濡れたタオルや保冷剤をあてて冷やしましょう。保冷剤は、患部に直接当てて冷やさず、タオルなどで包んでから使用してください。少なくとも10分程度は冷やします。
日焼けをした部分は水分が蒸発して乾燥した状態です。熱を持っている部分を中心にベビーローションやベビークリーム、保湿剤で保湿し、肌のバリア機能を修復しましょう。
日焼けをすると、ヒリヒリとした痛みや、かゆみを伴うことがあります。日焼けの症状が悪化しないように、綿100%など肌に優しい素材の衣服を選ぶと日焼けをした肌への刺激が少なくなります。
寝具も肌への刺激が少ないものを選んで配慮するとよいでしょう。
日焼けをした肌は、脱水状態で、水分を逃しやすい状態です。体の水分も失われやすいので、日焼けをしたあとは意識してこまめに水分補給をするようにしましょう。
一見関係ないように感じますが水分補給で新陳代謝をよくすることも日焼け後には大切です。
日焼けをした当日は、お風呂の入り方にも注意しましょう。熱いお湯を浴びたり、温かい湯船につかることは、日焼け直後の赤ちゃんや子どもの身体に一層熱を持たせる可能性があります。湯船につかるのは控えて、シャワーだけがよいでしょう。
シャワーの温度は、人肌くらいのぬるま湯にして、熱くなっている身体を冷やします。肌の負担を考えて、水圧が強すぎないか注意しましょう。また、体をタオルでゴシゴシ洗うのではなく、手で優しく洗うと肌への負担も抑えられるかもしれません。
赤ちゃんや、子どもが過度な日焼けをしたときには、小児科、皮膚科のどちらか、かかりつけの病院を受診しましょう。受診が必要な赤ちゃん、子どもの日焼けの症状や、日焼けで処方されることの多い薬を解説します。
・発熱
・赤みを伴う腫れ
・ひどいかゆみ
・水疱
・嘔吐や吐き気
・脱水症状
・頭痛
以上のような症状がみられるときは受診が必要です。このような症状を放っておくと、日光湿疹や熱中症を引き起こすこともあります。赤ちゃんの場合は、昼間は元気で変わりなくても夜になると機嫌が悪くなる場合もあるので、しっかり様子を観察することが大切です。特に水ぶくれになるような症状が出る場合は皮膚科を受診しましょう。
日焼けの症状で、赤みやかゆみなどの症状がひどいときには、炎症を抑えるステロイド外用薬が処方されることがあります。ステロイド外用薬は、炎症を落ち着かせる一方で、副作用が出る可能性もあるため、医師の指示に従って使う必要があります。
ステロイド外用薬のほかには、炎症から細菌感染を防ぐ、抗生物質の飲み薬や塗り薬が処方されることもあります。肌の乾燥などがひどいときは保湿剤などが処方されるでしょう。
処方薬は、医師の判断に従って、用量や回数を守って使用しましょう。
外出するときには、赤ちゃんや子ども向けの日焼け止めを塗るとよいでしょう。日焼け止めは、汗で落ちてしまうので、子どもの様子や時間をみてこまめに塗ることが大切です。
デリケートな肌の赤ちゃんや子どもへの負担を考えて、日焼け止めはノンケミカルで着色料や、香料が含まれていないものを選ぶようにしましょう。また、外出先から帰ったら、できるだけ早めにシャワーを浴びて日焼け止めを洗い流し、赤ちゃんや子どもの肌の負担を軽減しましょう。
日焼け止めを塗るのが禁止の施設や幼稚園、保育園のプールもあるでしょう。そのようなときには、ラッシュガードを着用しましょう。園によってはラッシュガードを禁止しているところもあるようですが、子どもの健康に関わるところですので検討してもらえるとよいですね。
ラッシュガードを着用できるようなら、ジップで開け閉めするタイプ、長袖でもよいかなどラッシュガードに指定がないかも事前に確認しましょう。
また普段の外出時は、通気性のよい長袖を着せたり、肌の露出をなるべく控えたり、UV素材の衣服や帽子を選ぶなど工夫をすると日焼けが防げるかもしれません。ママが赤ちゃんを抱っこして外出するときは、日傘を差すなどして配慮してもよいですね。
午前10時から午後2時の時間は、1日のなかで最も紫外線が強い時間です。その時間は、なるべく外出を控えて、朝の早い時間や夕方などに外出するなど意識するとよいかもしれません。
赤ちゃんや子どもの皮膚は大人よりも薄くとてもデリケートです。また近年、紫外線ダメージについてもさまざまな深刻な報告がされています。少し日焼けをしただけでもアフターケアをせず、そのまま放置するのは危険です。
日焼けでは皮がむけたり、湿疹が出たり、熱が出るなどさまざまな症状が現れ、炎症がひどくなる場合もあります。日焼けをしたときには、患部を冷やしたり、ローションやクリームなどでしっかり保湿するなどのアフターケアがとても大切です。
また、外出時は子ども用の日焼け止めを塗ったり、ラッシュガードなどで肌の露出を控えるなど、正しい日焼け対策で赤ちゃんや子どもを紫外線や日焼けから守りましょう。
桐谷麻美子(まみこ皮ふ科クリニック)
まみこ皮ふ科クリニック院長。平成5年宮崎医科大(現宮崎大学医学部)卒。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。
患者様の皮膚の悩みが改善できるよう、向き合いながら、その方にあった最善の治療を行っている。地元で安心できる、かかりつけ皮膚科医を目指し、あたたかい診察を行なっている。
2018年07月31日
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