子育てを学ぶ。子育てから学ぶ。ママ・パパのための情報メディア「KIDSNA(キズナ)」

【小児科医監修】保育園や幼稚園でおたふく風邪が流行る季節。注意点やホームケア、予防法

【小児科医監修】保育園や幼稚園でおたふく風邪が流行る季節。注意点やホームケア、予防法

保育園や幼稚園で冬場に集団流行しやすい病気のひとつ「おたふく風邪」は就学前の子どもがかかりやすい病気です。クローバーこどもクリニック院長の小児科医、眞々田容子先生の監修のもと、おたふく風邪の流行時期、子どもの様子で気をつける点、おたふく風邪のホームケアや登園許可、予防法などについてご紹介します。

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

おたふく風邪とはどんな病気?

おたふく風邪は「流行性耳下腺炎」ともよばれます。乳児がかかることはまれで、主に3歳〜6歳の子どもが発症することの多い病気です。おたふく風邪は一度かかると二度とかからないといわれています。

喉を診てもらう女の子
iStock.com/KatarzynaBialasiewicz

潜伏期間や感染経路

おたふく風邪の原因であるムンプスウイルスの潜伏期間は長く、12日〜25日ともいわれています。ムンプスウイルスは飛沫感染や接触感染により感染します。

感染してから発症まで期間があくため、いつどこで感染したかわかりにくく保育園や幼稚園などで集団感染してしまうこともあるようです。

流行時期

おたふく風邪は主に冬から春にかけて流行ります。その時期に保育園や幼稚園などで流行のお知らせが出たら、自分の子どもに初期症状や前兆が現れないか注意して様子をみましょう。

子どものおたふくかぜのときの初期症状や前兆

おたふく風邪にかかると耳下腺が腫れ、発熱することが知られています。まれに耳下腺に腫れがみられる前に、全身のだるさや頭痛、食欲不振などの症状がみられることも。その後、首の痛みなどを訴えるようです。

おたふく風邪にかかりやすい3歳~6歳の子どもはそういった症状があっても、的確な言葉で表現するのは難しいかもしれません。おたふく風邪が、地域や通園している保育園や幼稚園で流行っているというときは、子どもにだるそうな様子や、首のあたりを気にするしぐさはないか、気に留めて様子を見られるとよいでしょう。

おたふく風邪の子どもの症状

耳下腺の腫れ

おたふく風邪の特徴ともいえる耳下腺の腫れですが、誰しもが両方のほほや首がパンパンに腫れる、というわけではなく、片方だけ腫れる、おたふく風邪の特徴ともいえる耳下腺の腫れですが、誰しもが両方のほほや首がパンパンに腫れる、というわけではなく、片方だけ腫れるケースもあるようです。

とくに就学前の子どもや乳児の場合、おたふく風邪にかかっても症状が出ない不顕性感染であったり、乳幼児はもともと首や顔の輪郭がぷっくりしていることが多いことから腫れに気づけない、というケースもあります。

発熱

熱が出てる子ども
©  naka – Fotolia

おたふく風邪の発熱は一般的に37~38℃台が多いようです。熱の症状は3~4日続くといわれていますが、なかには発症初日で熱が下がる子どもや熱が全く出ないという子どももいるようです。

おたふく風邪と判断がつかない症状のときは

このようにおたふく風邪は、必ずしもわかりやすく発症するわけではありません。

「いつもの発熱と様子が違う」
「熱はないが耳のあたりばかり触っている」

などの様子が見られたら、注意深く子どもの状態を確認しておきましょう。とくに熱が出なくても、子どもが耳やあごに痛みや違和感があるようなしぐさを見せるとき、子どもの生活圏でのおたふく風邪の流行があれば、必ずかかりつけの小児科を受診しましょう。

患者である、子ども本人が自分ではなかなか異常に気づかなかったり、うまくママやパパに伝えられなかったりして、おたふく風邪の症状を見逃し、保育園や幼稚園など集団保育の場の集団感染につながることもあるようです。

おたふく風邪の登園許可

よく眠った子ども
iStock.com/GOLFX

おたふく風邪は、保育園や幼稚園などに通う子どもがとくにかかりやすい病気です。感染力が強いため、発症すると登園禁止期間が設けられています。おたふく風邪にかかったとき、登園許可が出るのは

「耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫脹 が発現してから5日を経過する まで、かつ全身状態が良好になるまで」

と厚生労働省が定める保育所における感染症対策ガイドラインにも記されています。登園停止期間が少し長く感じるかもしれませんが、集団流行しやすい病気なので、子どもがおたふく風邪にかかったときはしっかり休ませましょう。また再登園の際には医師による登園許可証への署名が必要となります。

P79 医師による意見書が望ましい感染症/2018年度 感染症対策ガイドライン /厚生労働省

子どものおたふく風邪のホームケア方法

小さな子どもがおたふく風邪にかかると、喉や耳の痛みから水分補給が進まないケースが目立ちます。スプーンやスポイトなどを使い、少量をこまめに上げるとよいでしょう。

こまめな水分補給

小さい子どもだと喉や耳の痛みを嫌がりなかなか飲まないということもあるかと思いますが、スプーンやスポイトなどを使い少量をこまめに上げるとよいでしょう。

のど越しのよいもの

ごはんを食べる子ども
MIA Studio/Shutterstock.com

食事はスープやうどん、おかゆ。おやつはゼリーやアイス、プリンなど子どもが好むのど越しのよいもの選ぶとよいかもしれません。のど越しのよい食事やおやつの多くは充分な水分も含まれています。水分補給が進まない、というときにもおすすめです。

熱がある時はお風呂はNG

入浴は体力を消耗するもの。発熱しているときはお風呂はやめましょう。さっぱりさせたいときは、蒸しタオルなどで身体を拭いてあげてください。

腫れを冷やす

子どもが耳下腺や顎下腺などを痛がるときや、解熱剤や鎮痛剤などと並行して熱が高いときはタオルで包んだ保冷剤で冷やすのがよいでしょう。

ママやパパもマスクや予防接種を

おたふく風邪にかかったことがない、という大人がおたふく風邪の子どもを看病する際には、ムンプスウイルスに感染しないよう注意が必要です。手洗いやマスク、予防接種などで感染を予防しましょう。大人がおたふく風邪にかかると重症化し入院となるケースも珍しくありません。

大人も子供もできる、おたふく風邪の予防法をみていきましょう。

おたふく風邪は、怖い病気ではありませんが、たまに合併症を引き起こしてしまうこともあります。どんな症状が出やすいのでしょうか。

おたふく風邪の予防法

予防接種

おたふく風邪の予防接種は1歳過ぎると接種可能です。確実に免疫をつけるため数年あけて2回の接種が推奨されています。

おたふく風邪には特効薬がなく、とくに男の子は、成人してからおたふく風邪にかかると睾丸炎になる場合があります。予防接種をしても、おたふくかぜにかかる場合もありますが、重症化を防ぐことができるといわれています

うがい、手洗い、マスク

手洗い
3445128471/Shutterstock.com

おたふく風邪はウイルス性の感染症なので、うがい、手洗いを習慣づけて行うことも有効です。うがい、手洗いでおたふく風邪のウイルスを遠ざけましょう。ウイルスを入れない、という点でマスクをするのもよいでしょう。

免疫力を落とさない

おたふく風邪をはじめとして、ウイルス性の病気にうつらないためにも、栄養バランスの取れた食事、充分な睡眠や休息を家庭で心がけ子どもだけでなく、パパやママも免疫力を高めましょう。

集団感染しやすいおたふく風邪は家族みんなで予防して

家族 健康
iStock.com/magicflute002

おたふく風邪は、ムンプスウイルスが体内に入ることで感染する病気で、主に3歳~6歳の子どもに流行します。症状が現れるまでのウイルスの潜伏期間が長いことが特徴のひとつです。

おたふく風邪の主な症状に耳下腺の腫れや痛み、発熱があります。しかしまれに熱がない、腫れが少ないなど、特徴的な症状が出ず、おたふく風邪だと診断がつかない場合があるようです。ムンプスウイルスの潜伏期間の長さ、感染力の強さと合わせて、保育園や幼稚園での集団感染を広げる原因となっています。

そのため、ママやパパはおたふく風邪の流行時期には子どもの様子に変わったところがないか注意して様子を見ましょう。

また、子どもと一緒にママやパパも、休息や睡眠をとり、免疫力を維持する、うがい、手洗い、マスクなどでおたふく風邪を予防しましょう。

監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)

No image

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

眞々田 容子の監修記事一覧(バックナンバー)

台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。

症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。

お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。

クローバーこどもクリニックのブログ
クローバーこどもクリニック

2018年01月22日

トラブルの関連記事
カテゴリ一覧