40年以上、中学受験を通してたくさんの子どもを見てきた西村則康先生は、幼少期の子どもには「何かに没頭する時間」が必要だといいます。集中力を育むために、親ができることについて考えていただきました。
今は幼いお子さんでも、小学校に上がってからのことを考えると「ちゃんと座って授業を聞けるかな」「集中力をつけておかないとダメなのかな」など心配になるお父さん、お母さんがいらっしゃるかもしれませんね。
確かに、小学校にお子さんを通わせ始めたお母さんから、きちんと座って授業を受けられているお子さんと、なかなか難しいお子さんもいるようだ、そんなお話を聞くことも多くなりました。
私は中学受験を専門にさまざまなお子さんを指導していますが、集中力の高いお子さんというのは確かに存在します。
ここでは、小学校就学前につけられる子どもの集中力、その他の力ついて考えてみたいと思います。
私が今まで指導してきたお子さんのなかで、ひときわ集中力が高いと感じたお子さんが何人かいます。
いずれも超難関校に合格したお子さんばかりですが、ふだん話をしていると、ごくふつうのお子さんたちばかりです。
テンポよく考え、素早く思考を展開させるのが得意なお子さんもいれば、ゆっくり、じっくりと考えることが合っているお子さんもいました。
一般に「あの子は頭がいい」「よくできるお子さん」と言われる子は、思考のテンポが速いという傾向があります。
「打てば響く」「機転が利く」「頭の回転が速い」
いろんな表現がありますが、実はこのことと集中力、そして学力はまた別のものです。
頭の回転は速いけれど集中力がなく、難しい問題になると投げ出してしまいやすいお子さんもいるのです。
思考のテンポの速さと集中力、そして実際の学力の関係は、小学校高学年になると顕著にわかるようになります。 いくらテンポよく考えられても、集中力がなければ高学年の勉強や中学受験の勉強には対応できないのです。
では、集中力の高いお子さんはどうやってその集中力を身につけたのでしょうか。
私が見てきたお子さんたちに共通するのは
「小さい頃に何かに没頭する時間をとってきた」
ということです。 何か自分の好きなことに没頭し、ああでもない、こうでもないと考える時間を取ってきた子が多いのです。
お子さんが没頭する対象、それは別に勉強でなくても構いません。
ある子にとっては対象はパズルだったり、好きな絵本なら何時間読んでも集中し続けられるという子もいました。何かを集めるということに夢中になった子も。
自分が興味のある対象のことを集中して考えられるという共通点があるのです。
この「没頭」が、勉強における「こらえ性」みたいなものの原点になるのではと私は考えています。
お子さんがごく小さい頃は習い事で一週間のスケジュールを埋め尽くすのではなく、大好きなことを思い切り考え、手や体を動かす時間を取ってもらうよう、お母さんたちにお願いしています。
お子さんの集中力を育むには、幼少期の「何かに没頭する時間」がとても大切だと感じます。
ぜひ夢中になれること、大好きなものを尊重してあげてください。それは近い将来、お子さんの財産になるのではないでしょうか。
次回の記事では「お子さんの力を上手に伸ばしている親御さんに共通していること」について考えてみます。
西村則康
教育研究家。家庭教師集団「名門指導会」代表。中学受験ポータルサイト『かしこい塾の使い方』主任相談員。日本初の「塾ソムリエ」として、塾の活用法や塾選びなどの受験ノウハウを世に送る。テレビ、新聞、教育雑誌などで活躍中。おもな著書に『いちばん得する中学受験』(すばる舎)、『中学受験基本のキ!』(日経BP社)、『頭のいい子の育て方』(アスコム)、「中学受験は親が9割」シリーズ(青春出版社)など、20冊を超える著書がある。
2017年11月20日
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