乳児にはちみつを与えると乳児ボツリヌス症を発症する可能性があります。授乳中のママがはちみつを食べると母乳を通して赤ちゃんに影響することはあるのでしょうか。はちみつと母乳の関係、注意点をご紹介します。また、はちみつを食べると母乳が詰まるのかについても解説します。
赤ちゃんにはちみつを食べさせると乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があることを知っている人は多いでしょう。
そのため、赤ちゃんにはちみつを与えない方がよいとされていますが、授乳を通してママの食べたはちみつが赤ちゃんに影響はしないのでしょうか。
授乳中のママがはちみつを食べたときに及ぼす赤ちゃんへの影響について詳しく見ていきます。
ママが食べたはちみつが母乳を通して赤ちゃんへ影響することはあるのでしょうか。
ママがはちみつを食べると、母乳を通して赤ちゃんに行き届くのではないかと心配に思う人がいるかもしれません。
大人は消化器官が発達しているので、授乳中のママがはちみつを食べても母乳を通して赤ちゃんにはちみつが行き届くことはありません。
専門家も以下のように言っています。
しかし、乳児が直接はちみつを口にすると「乳児ボツリヌス症」を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。「乳児ボツリヌス症」について詳しくみていきましょう。
1歳未満の乳児にはちみつを与えると赤ちゃんがボツリヌス菌で中毒を起こすことを「乳児ボツリヌス症」といいます。
1歳未満の赤ちゃんは内臓器官の発達がまだ十分でないため、ボツリヌス菌が少量でも体内に入ると自分で上手く処理ができず、腸内でボツリヌス菌が増殖してボツリヌス症を発症します。
乳児ボツリヌス症の症状がみられて、原因と考えられる食品、便や血液を検査してボツリヌス毒素が検出された場合、乳児ボツリヌス症と診断されます。
乳児ボツリヌス症は、潜伏期間が3~30日と長いのが特徴です。
1歳以上の赤ちゃんは消化器官も発達しているので、はちみつを食べてもボツリヌス症を発症することはありません。
乳児ボツリヌス症は以下のような症状がみられます。
食べ物によって母乳が詰まったり、乳腺炎になると思い、はちみつが母乳を詰まらせるのではないかと気になるママがいるかもしれません。
脂質や糖質が多い高カロリーの食事が母乳を詰まらせる原因になるということを聞いたことがある人もいるかもしれませんが、母乳が詰まるのは、乳腺が細かったり、母乳を飲む姿勢がいつも同じであったり、きつい下着をつけていることが原因と思われます。
脂質や糖分が多い食べ物を過剰に摂取すると、母乳の質を悪くして乳腺を詰まらせてしまう可能性はありますが、食事によって母乳が詰まるという医学的な根拠は明確的には報告されていません。
乳児にはちみつをあげるのは注意が必要なことを知っている人は多いかもしれませんが、ママの食べたはちみつが母乳を通して赤ちゃんに届くのか不安になる人もいるでしょう。
はちみつにはボツリヌス菌が含まれているため、1歳未満の乳児がはちみつを食べると乳児ボツリヌス症を引き起こす恐れがあります。
しかし、授乳中のママがはちみつを食べても、母乳を通して赤ちゃんにはちみつが届くことはありません。
またカロリーや脂質の多い食事は、母乳が詰まる原因になると思い、はちみつを食べると母乳が詰まるのではないかと心配しているママもいるかもしれません。
母乳が詰まる原因は、母乳を飲むときにいつも同じ姿勢をしていて姿勢が偏っていることや乳腺が細かったり、ワイヤー入りやきつい下着をつけていることが考えられます。
脂質や糖分が多い食べ物ばかり摂取すると母乳の質が悪くなり、乳腺が詰まったり、母乳が出にくくなる可能性はありますが、食事によって母乳が詰まるという医学的な根拠は明らかになっていません。
はちみつについての正しい知識を身につけて上手に摂取しましょう。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
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2019年03月19日
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