育児休業給付金の受給資格は?支給額や計算方法を徹底解説

育児休業給付金の受給資格は?支給額や計算方法を徹底解説

育休期間中、収入の心配なく子どもを育てたい。そのために支給されるのが「育児休業給付金」です。しかし、育児休業給付金は全員が受け取ることができるわけではなく、受給資格を満たしている必要があります。育児休業給付金が支給される条件とは?概要や支給額、計算方法についても詳しく紹介します。

育児休業給付金とは?

育児休業中に給与は発生しませんが、育児休業給付金という手当を受けられる場合があります。基本的には勤務先の担当者がハローワークに申請し、手続きを進めることになるため、担当者の案内に従っていれば安心して育児休業給付金を受け取ることができるでしょう。

育児休業給付金とは、子どもの養育を理由に仕事を休んだ場合、勤務先に申し出ることによって、子どもが1歳未満の間、給付金を受け取ることができる制度です。パパママ育休プラスを利用した場合は1歳2カ月、手続きにより1歳6カ月または2歳まで延長することも可能です。

母親だけでなく、父親も申請すれば育休取得をすることができますが、厚生労働省によると、2018年の時点で女性の育児休業取得率が82.2%に対し、男性の取得率は6.16%。

そのうえ8割以上の男性が1カ月以内の取得にとどまっていますが、育児休業を取得し給付金を受け取る義務はあるため、会社の担当者に確認してみるとよいかもしれません。

育児休業給付金の制度が開始されたそもそもの背景は、子どもが保育園に入れないなどの理由で、保護者が退職を余儀なくされる事態を防ぎ、子育てをしやすいように、1992年に「育児休業法」が施行。1995年に「育児・介護休業法」に改定されました。

待機児童問題などに対応するために2017年に改正され、最長2歳まで育児休業の延長が可能となりました。

出典:育児休業給付についてのリーフレット/厚生労働省

出典:育児・介護休業法のあらまし/厚生労働省

出典:男性の育児休業の取得状況と取得促進のための取組について/厚生労働省

育児休業給付金の受給資格

育児休業中の保護者に支給される育児休業給付金ですが、育児休業中であれば必ず受けられるわけではなく、いくつかの条件が設けられています。

育児休業給付金は雇用保険から支給されるため、雇用保険に加入していることが前提となります。

育児休業給付金を受ける条件に雇用形態は関係ありません。パートやアルバイトで働いている場合でも雇用保険に加入しており、以下の条件を満たしていれば、育児休業給付金を受けることができます。
  • 育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月以上 (上記に満たない場合であっても、第一子の育児休業などの理由がある場合は、受給要件を満たす場合がある)
  • 育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上
  • 育児休業中、休業開始前の80%以上の給料を支払われていない (80%に満たない場合でも、収入額に応じて、支給額が減額される場合がある)
契約社員やパートタイム・アルバイトなどの有期雇用労働者は、これらの要件に加え、育児休業開始時において、同一の事業主の下で1年以上働いていて、「子どもが1歳6カ月までの間に労働契約が更新されないことが明らかでないこと」が条件に加わります。

転職や退職をする場合

育児休業給付金は、育児休業終了後の職場復帰を前提とした給付金です。育児休業開始時から子どもの1歳の誕生日の前々日までの期間に退職の予定がある場合は、受給対象外となります。

また、育児休業期間中に退職した場合は、退職日を含む支給単位期間(1カ月)以降は受給対象から外れることになります。妊娠中に退職したり育休を取得せず会社に復帰した場合も、受給対象外となるので確認しておきましょう。

出典:Q&A~育児休業給付~/厚生労働省

育児休業給付金の支給額

育児休業開始前6カ月間の総支給額の平均の目安は以下のとおりです。
出典:Q&A~育児休業給付~/厚生労働省
出典:Q&A~育児休業給付~/厚生労働省
ただし、給付額には上限があります。
育児休業開始6カ月間(支給率67%)・・・305,721円
育児休業開始6カ月経過後(支給率50%)・・・228,150円

また、育児休業給付金は課税の対象とはなりません。

出典:Q&A~育児休業給付~/厚生労働省

出典:「令和2年8月1日から支給限度額等が変更になります。皆さまへの給付額が変わる場合があります。」/厚生労働省

育児休業給付金の計算方法

育児休業給付金の支給額は時期によって異なり、計算式は以下のとおりです。
出典:Q&A~育児休業給付~/厚生労働省
出典:Q&A~育児休業給付~/厚生労働省

育児休業給付金の申請方法

育児休業給付金の申請は、勤務先を通して行います。その後、勤務先から事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に提出して手続きが行われます。

希望する場合は、勤務先を経由せず受給者本人が申請手続きを行うことも可能ですが、賃金台帳や出勤簿等のコピーを会社に取り付ける必要があります。

必要書類は以下の通りです。

<初回申請時>
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書(マイナンバー要記載)
  • 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿またはタイムカード
  • 母子手帳 など
<2回目以降申請時>
  • 育児休業給付支給申請書 (受給資格確認や前回の支給申請手続後にハローワークから交付)
  • 賃金台帳、出勤簿またはタイムカード など

受給期間・受給時期

育児休業給付金の受給開始時期は、以下の通りです。出産後57日目までは、産前産後休業の期間にあたるため、育児休業給付金の対象期間ではありません。

女性の場合:出産日から起算して58日目から(産後休業から引き続いて育児休業を取得したとき)
男性の場合:配偶者の出産日当日から

原則、子どもが1歳となった日の前日(1歳の誕生日の前々日)までが対象期間です。ただし、子どもが1歳になる前に復職した場合は、復職日の前日までが受給期間となります。

育児休業給付金の受給期間には条件があるため、ケース別に確認してみましょう。

ケース① 育児休業給付金を延長するには?

保育を希望して申込を行なっているにも関わらず、子どもが保育園に入れないなどの理由がある場合は、1歳6カ月または2歳に達する日前まで支給対象期間を延長することができます。

2歳に達する日前までの支給対象期間の延長が対象となるのは、誕生日が2016年3月31日以降の子どもに限ります。

ケース② ふたり目以降の場合はどうなる?

ひとり目の子どもの育児休業給付金を受給中に、ふたり目を妊娠した場合は、ふたり目の産前休業開始日の前日(産前休業を取得しない場合は、出産日)までの支給となります。

第二子の場合も、受給資格を満たしていれば育児休業給付金を受給することは可能です。

育児休業給付金の対象者は「育休開始前の2年間の間に、賃金基礎日数が月に11日以上、12カ月以上ある人」が原則となりますが、産休などを理由に働けなかった場合は育休開始の4年前まで遡ることが可能です。

ふたり目の育休が始まる日から4年前までの間に「賃金基礎日数が月に11日以上、12カ月以上」あるなどの条件を満たせばひとり目と同じ金額が支給されるようですが、ひとり目の産休前に切迫早産などで休業した経験がある場合支給されない可能性もあるため、注意が必要です。

3人目の育児休業給付金についても同様で、ひとり目から続けて第三子の育休に入る場合、育児休業給付金が受給できない場合があります。

出典:Q&A~育児休業給付~/厚生労働省

受給にあたっての注意点

育児休業給付金は女性だけでなく、男性も受給することができます。

両親が協力して育児休業を取得できるように、両親が育休を取得する場合に、要件を満たせば1歳2カ月まで育休が延長される「パパ・ママ育休プラス」という制度がありますが、注意したいポイントもあります。

注意点は、「1人当たりの育休取得可能最大日数(産後休業含め1年間)は変わらない」こと。父親は、1年間1歳2カ月までの間育休を取得することができますが、産後休業を取得した母親は、子どもが1歳になるまでの間が育児休業対象期間となるため注意が必要です。

父親の育児休業給付金の支給額も母親と同様、6カ月までは67%、6カ月経過後は50%となります。

そのため、母親が育児休業開始6カ月(生後8カ月)まで母親が67%の支給率、生後8カ月から父親が育児休業を開始すれば、両親ふたり合わせて1歳2カ月まで67%の給付を受けることもできます。

また、育児休業中は就労することを想定されていませんが、事業主と労働者の合意のもと、子どもの養育をする必要がない期間に限定して、一時的、臨時的に就労することも可能のようです。

ただし、「1支給期間」である30日間の間に、休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支払われる場合は、育児休業給付金は一切支給されないため注意が必要です。

出典:両親で育児休業を取得しましょう!/厚生労働省

出典:Q&A~育児休業給付~/厚生労働省

育児休業給付金以外の育児を支援する給付金

子どもが生まれたあとに支給される手当は育児休業給付金以外にもいくつかあります。
  • 出産育児一時金
健康保険法等に基づく保険給付として、健康保険や国民健康保険などの被保険者、またはその被扶養者が出産したとき、出産に必要な費用の負担を軽減するために支給される給付金
  • 出産手当金(産休手当)
出産のために会社を休むことで給与の支給がない場合に、社会保険から支給される給付金
  • 児童手当
子どもの健やかな成長の手助けや、子育て世帯の生活が安定する力になることを目的とした手当
  • 医療費助成
子どもが怪我や病気をしたときに医療機関に支払う医療費のうち保険診療の、自己負担額の全額もしくは一部を助成する自治体の制度

そのほか、未熟児として生まれたために入院養育が必要な赤ちゃんに対し、医療費の補助を受けられる制度「未熟児養育医療給付金」などもあります。

ひとり親世帯が受け取ることのできる「児童扶養手当て」もありますが、「全部支給」および「一部支給」それぞれの限度額が設定されているため、自治体への確認が必要です。

育児休業給付金の体験談

育児休業給付金に関する体験談を集めました。
30代女性
育児と両立をするため、妊娠中に収入が下がることを前提に転職をしました。しかし、育児休業給付金の算出が転職前だったため、予想していたよりも多くの給付金を受け取ることができてよかったです。
20代女性
支給が2カ月に一度、2カ月分まとめて振り込まれるため、育休中は節約を心がけていました。
30代女性
入社してすぐに妊娠したため育児休業給付金を受けることができず、ふたり目出産以降、フリーランスなのでもらっていません。
30代女性
第二子出産後、復職しましたが、すぐに第三子の妊娠がわかり産休と育休を取得しました。第三子のときも同じ金額を受け取ることができ、助かりました。
30代女性
育児に専念したいと思い、産休取得後に退職。育児休業給付金は受け取りませんでした。
20代女性
私が社内でひとり目の育休取得者だったため、社内の担当者と共に育児休業給付金について、自分自身でも制度をよく調べました。実際に受給されるまでは不安がありましたが、まとまった金額を受け取ることができて安心して育児に臨むことができました。
育児休業は、働く保護者が子育てのために法律に基づいて休業できる期間であり、その間、収入の心配をすることなく、育児ができるよう支給されるお金が育児休業給付金です。

育児休業給付金の支給条件や支給金額を確認し、安心して育児休業期間を過ごせるとよいですね。
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2021年04月26日

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