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【産婦人科医監修】妊娠初期は温泉に入ってもよいのか
温泉に入るときの注意点や感染症の可能性について
Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠中は思うように行動が出来なかったり、気持ち的にも不安定になりやすくストレスがたまることもあるのではないでしょうか。温泉でリフレッシュしたいと思う妊婦さんもいるでしょう。妊娠初期に温泉旅行に出かけたり、温泉に入ってもよいのか、温泉に入るときの注意点について解説します。また、温泉から感染症がうつる可能性についてもご紹介します。
妊娠中の温泉は入ってもよい?
妊娠したら、温泉の成分がお腹のなかの赤ちゃんに影響するのか心配になる妊婦さんもいるでしょう。
一般的に、妊娠初期に温泉に入ること自体は問題ありません。
温泉に入るときの注意点
妊娠初期に温泉に入るときには、以下のようなことに注意が必要です。
転倒
温泉の床は温泉特有の成分によって洗い場や浴槽が滑りやすくなっています。
妊婦さんは、普段のお風呂でも転倒しないように注意していると思いますが、温泉ではいつも以上に転倒に注意が必要です。
特に硫黄泉などの温泉は泉質がにごっていて、浴槽内の段差が見えずらくなるため、手すりにつかまったり、ゆっくりした行動を心がけましょう。
長湯をしない
温泉は身体の緊張をほぐし、リラックスできます。
ゆっくり温泉に浸かりたくなりますが、妊娠中は身体の血液量が増加し、普段よりのぼせやすい状態になっています。
身体が温まりすぎるとのぼせてしまうので、長湯には注意が必要です。
長湯をしてめまいや貧血を起こす可能性もあるので、入浴時間は10分以内を目安にしましょう。
温度差に気をつける
42度以上の熱いお湯は、妊婦さんの血圧を上昇させる可能性があります。
また、露天風呂に入ってから室内の温泉に入ると外との温度差を感じやすくなります。
サウナや水風呂も血圧を急に変動させ、妊婦さんの身体に負担になります。
温度差が原因で貧血を起こしたり、ふらついたりする場合もあるので、妊娠中はサウナや水風呂は控えて浴槽と洗い場の温度差で体調を崩さないように気をつけましょう。
食後の温泉は控える
食後すぐは胃腸の働きが鈍くなっているため、食事のあとすぐに温泉に入ると具合が悪くなることがあります。満腹すぎる状態で温泉に入ると、消化不良になる場合もあります。
食後は、1時間程度時間をおいてから温泉に入るようにしましょう。
水分補給を忘れない
妊娠中はお腹のなかの赤ちゃんに酸素や栄養を送ったり、羊水を作るために体内の血液量が増えるため、大量の水分が必要になります。
入浴すると、体内の水分が不足しがちになるので、こまめな水分補給が必要です。温泉に入る前にコップ1杯の水を飲み、入浴後も忘れずに水分を摂りましょう。
持ち込みが可能な場合は、ペットボトルを準備し、入浴中にも水分をとるのもよいかもしれません。
妊娠初期に温泉旅行に行ってもよい?
妊娠初期でも温泉に入れるのであれば温泉旅行に行ってもよいのかと考える人もいるでしょう。温泉に入ること自体は妊娠初期からでも問題はありませんが、なるべく近場の温泉を選び、妊娠初期の温泉旅行は控えましょう。
心配なことがあれば医師に相談することが大切です。
温泉に入って感染症になる可能性はある?
温泉はたくさんの人が同じお湯に浸かるので、温泉に入ることで感染症がうつることはないか心配になる妊婦さんもいるかもしれません。
今の温泉は衛生面もしっかり管理されているところがほとんどなので、温泉のお湯に浸かることで感染症になることはほぼないです。
専門家も以下のように言っています。
“
いいえ、妊娠中でも温泉は問題ありませんよ。 大浴場でも問題ないですよ。 長湯にならないようにだけ注意しておけば大丈夫ですよ。念のため、旅行が可能かどうかは担当医に確認しておくのがいいですね。
出典: AskDoctors
上がり湯や共有のイスは一度洗い流してから座るようにしたり、気になることがあれば事前に医師に相談してみましょう。
体調に気をつけて温泉でリフレッシュしよう
妊娠したときは温泉の泉質や感染症などがお腹のなかの赤ちゃんに影響するのではないかと心配で温泉に浸かってもよいのか考える人は少なくないかもしれません。
温泉に入ること自体は問題がなく、お湯に浸かることで感染症にかかることはありません。
温泉は妊娠初期から入ることができます。
しかし、妊娠中は貧血を起こしやすかったり、体調が変わりやすいため、温度差に気をつけて長湯をしない、こまめな水分補給をするなどの配慮が必要です。転倒しないように手すりにつかまり、ゆっくりした動作を心がけるなど妊娠中に温泉に入るときの注意点を知っておくことが大切です。
温泉に入るときに心配事があるときは医師に相談しておくと安心です。
妊娠初期は体調が変わりやすく、不安定な時期なので、温泉旅行は控えた方がよいですが、近場の温泉で旅行気分を味わってリフレッシュすることはできるでしょう。
監修:杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
Profile
杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
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