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【産婦人科医監修】妊活中のコーヒーの影響。やめられないときや代わりになるもの
コーヒーに代わるノンカフェインの飲み物は
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田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊活中にコーヒーを飲むとどのような影響があるのか気になる人がいるかもしれません。女性だけでなく妊活中の男性の飲むコーヒーにも影響はあるのでしょうか。コーヒーがやめられないときや、コーヒー代わりになるノンカフェインの飲み物などについて医師監修のもと解説します。
妊活中にコーヒーは飲んでもよい?
妊娠をするとコーヒーを控えなくてはならないと耳にしたことがある人は多いかもしれません。
コーヒーにはカフェインが含まれており、カフェインは過剰摂取すると、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の症状をもたらす場合があります。
妊娠中のコーヒーは、以下の理由により控えたほうがよいとされています。
- 大量のカフェインは胎盤の血流を悪化させる
- 貧血になりやすくなる
- 消化器への負担
では、「妊活中のコーヒー」も同様に控えたほうがよいのでしょうか。コーヒーが好きな人は、カフェインが妊活にどのような影響を及ぼす可能性があるのか気になるかもしれません。
妊活中に飲むコーヒーが与える影響をみてみましょう。
妊活中のコーヒーが与える影響
妊活中のカフェイン摂取は、妊活に直接的な影響はないものの、適量を超えると妊娠までの期間が伸びてしまうこともあるようです。
体が冷える
コーヒーに含まれるカフェインは大量に摂取すると、交感神経を刺激し自律神経が乱れることがあります。
自律神経のバランスが乱れると血の巡りが悪くなり、妊活の大敵である体の「冷え」を招きます。血行不良になると子宮や卵巣への血流も悪くなってしまいます。
また、カフェインには利尿作用があります。体内の水分を排出するときに体の熱が奪われてしまいます。コーヒーを飲みトイレの回数が増えることは、体の冷えにも繋がります。
生活リズムの乱れ
睡眠中は、体が温まりホルモンが分泌されやすいため、「エストロゲン」と「プロゲステロン」がバランスよく分泌され妊娠しやすい体を作るためのサポートをします。
カフェインを含むコーヒーは、覚醒作用があります。飲む時間帯や量によっては、睡眠不足や眠りの浅さを感じるでしょう。生活リズムが乱れホルモンバランスが崩れると、妊娠するまでの期間が長くなってしまいます。
そのため、コーヒーを飲むことは間接的に妊活に影響を及ぼすといえそうです。
妊活中の男性が飲むコーヒーの影響
妊活をしている男性がコーヒーを飲むと、どのような影響があるのでしょうか。
カフェインを大量に摂取することは精子に影響を与え、結果的に妊娠するまでの期間が長くなるという研究結果もあるようです。
なかにはコーヒーが好きで、やめられない妊活中の男性もいるかもしれません。カフェインを大量に摂取した場合に、妊活に影響を与えることがあるため適量を超えるカフェイン摂取は控えましょう。1日3杯程のコーヒーであれば摂取しても問題はありません。
コーヒー以外に気を付けたい飲み物
コーヒーには100ml当たり60㎎のカフェインが含まれていますが、カフェインはコーヒー以外にもさまざまな飲み物に含まれています。
中でも玉露は、100ml当たり160㎎のカフェインが含まれているため、コーヒーのおよそ2.6倍に当たります。その他、紅茶には30㎎(/100ml)、ウーロン茶は20㎎(/100ml)が含まれています。
エナジードリンクや眠気覚まし飲料は種類によって、カフェイン含有量にばらつきがありますが、カフェインのほか砂糖も大量に使われているため注意が必要です。
飲み物以外にも、チョコレートやコーヒーゼリーなどにもカフェインが含まれています。カフェインを含む飲み物や食べ物を口にした日は、コーヒーの量をいつもより減らすなどの工夫をして、カフェインを摂りすぎないようにしましょう。
妊活中に取り入れたいコーヒーに代わる飲み物
妊活中であっても飲みすぎなければコーヒーを飲んでも問題はありません。コーヒーが好きで、妊活前の量を控えられない、やめられないといった場合には、コーヒーに代わる飲み物を取り入れてみてはいかがでしょうか。
デカフェ
デカフェとは、カフェインを含むコーヒー豆からカフェインを抽出したものです。
カフェインが完全に含まれていない(ノンカフェイン)ということではなく、ごく微量のカフェインは含まれていますが、妊娠中や授乳中にもよく飲まれているため、妊活中のコーヒーの代用品になります。
たんぽぽコーヒー
その名の通り、たんぽぽを原料としたコーヒーでノンカフェインの飲み物です。
名前に「コーヒー」と付いていますが、コーヒーは入っておらず味がコーヒーに近いため、このように呼ばれています。麦茶やほうじ茶のような味がするようです。
黒豆コーヒー
黒豆コーヒーは、コーヒー豆と黒豆をブレンドして作られているコーヒーです。ブレンドの比率や使われているコーヒー豆の種類によってカフェインの含有量は異なりますが、黒豆にはカフェインが含まれていません。
カフェインレスのコーヒー豆を使用したり、黒豆の配合率が高い黒豆コーヒーだとより安心して飲むことができます。
妊活中のコーヒーは夫婦で適量を楽しもう
妊活中のコーヒーは、男女ともに飲みすぎると妊活に影響を与えます。
女性は、コーヒーを飲むことにより体が冷えたり生活リズムが乱れ、結果として妊娠までの期間が長くなることがあります。男性はコーヒーを飲みすぎると精子に影響を及ぼすこともあるようです。
妊活中のコーヒーは1日3杯程度に留めて、適量を楽しみましょう。デカフェやノンカフェインの飲み物をコーヒーの代わりに取り入れるとよさそうです。
監修:杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
Profile
杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。