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どんぐりにいる虫の正体は?処理方法と虫がいる物の見分け方
子どもがどんぐりを持ち帰ってきて、そのままにしておいたら中から虫が出てきた!という経験はありませんか?今回はその虫の正体や処理の方法、虫がいるどんぐりの見分け方などをご紹介します。
どんぐり拾いは楽しいけど虫はイヤ……
秋になって公園などへ行くと、どんぐりを拾いを楽しむ子どもは多いですよね。筆者の息子もどんぐりが大好きで、見つけるたびに拾ってはたくさん持ち帰っていました。
ところが、持ち帰ったどんぐりを洗おうと袋に入れたまま室内に置きっぱなしにしていると、小さな白い虫がニョロニョロと壁を這う姿が。決してかわいいとは言い難く、とてもびっくりした経験があります。
どんぐりから出てくる虫の正体
どんぐりにいる虫は何かの幼虫であることはわかっていても、大きくなったらどんな虫になるのかをご存知でしょうか。どんぐりにいる虫の正体についてご紹介します。
ゾウムシやハイイロチョッキリが多い
どんぐりから出てくる虫の多くは、「クヌギシギゾウムシ」や「コナラシギゾウムシ」などゾウムシの幼虫で、他にも「ハイイロチョッキリ」や蛾の幼虫がいるようです。
特にハイイロチョッキリは、まだ熟していないどんぐりに穴を開けて産卵し、木の枝ごと切って地面に落下させます。8~9月になると、青い葉と緑色のどんぐりがついた小枝が不自然に落ちていることがあるのですが、実はこれはハイイロチョッキリの仕業。
どんぐりの中で孵った幼虫が中身を食べながら成長し、やがて殻を破って外に出てきます。ハイイロチョッキリにとって、どんぐりは外敵から守ってくれる家であり食料もあるため、なくてはならない存在なのです。
大きくなったらどんな虫になる?
ゾウムシやハイイロチョッキリは、大きく分けるとカブト虫やクワガタ虫などと同じように分類される「甲虫目」です。主にコナラやクヌギの木を住み家にしており、成虫でも体長は7~9ミリほどの小ささで、長い口吻(こうふん)が象の鼻のように見えるのが特徴です。この口吻の先端がノコギリのようにギザギザになっており、どんぐりに穴を開けたり枝を切り落としたりします。
ハイイロチョッキリの「チョッキリ」という名前は、茎や葉をチョッキリと切り落とす習性が由来とされているようです。
どんぐりの中にいる虫の処理方法
虫がいるどんぐり処理方法とその手順についてご紹介します。どの処理方法でも、まずは割れているもの、虫の穴が開いているものや中身が空洞のもの、汚れの取れないものなどはあらかじめ除いておきましょう。
煮沸する
どんぐりを沸騰したお湯で煮て虫を駆除するのは、昔からある方法です。
煮る際は普段使っている鍋ではなく、もう使わないような鍋、またはアルミでできたインスタントの鍋焼きうどんやグラタン皿のようなものを使用しましょう。用意するのが難しければ、小さめな鍋やフライパンの内側にアルミホイルを敷き詰めて使うのもよさそうです。
いきなり熱湯からどんぐりを入れてしまうと殻が割れやすいので、最初に洗ったら水の状態から火にかけます。5~10分ほど沸騰させたら新聞紙の上に移し、風通しの良い日陰に広げて2~3日ほど乾燥させます。乾燥しきれていないと、カビが発生することもあるので十分に乾かしましょう。
冷凍する
どんぐりを冷凍するのも、虫を処理するのには効果的な方法と言われているようです。
どんぐりの汚れを落としたあと、ビニール袋などに入れて1週間~10日ほど冷凍庫に入れておきます。
次に室温で自然解凍し、日陰に広げて乾燥させます。煮沸よりも時間がかかりますが、鍋などを用意する手間はかからず手軽にできますね。殻が割れるのを防ぐため、直射日光には当てないようにしましょう。
レンジにかける
レンジで温めるのは煮沸や冷凍よりも時間や手間がかからず、冷凍庫や鍋に対する衛生面が気になる方でも手軽にできる方法といえるでしょう。
まず泥などの汚れを落として、20秒ほど加熱します。必要以上に加熱すると爆ぜることがあるので、加熱しすぎないようにしてください。かなり熱くなり、やけどや殻が破裂する恐れもあるので注意が必要です。
ニスとボンドで仕上げ
加熱や冷凍だけでは不安という場合や、見栄え良くきれいに仕上げたいときには、100円ショップでも買える工作用のニスを塗っておくのもおすすめです。ツヤも出て虫も出て来ないので安心です。
また、どんぐりの帽子の部分である殻斗(かくと)を木工用ボンドで付けておくと、外れにくく保存もしやすいでしょう。
虫がいるどんぐりの見分け方
いろいろな処理方法があったとしても、できれば最初から虫がいないどんぐりを選びたいですよね。穴が空いていないどんぐりを拾ったとしても、人間の目では見えないほどの小さな穴がある可能性もあります。
筆者が実際に試していた見分け方ですが、どんぐりを水の中に入れて、底に沈んだ物は実が詰まっており虫がいないことが多かったです。一方、浮いたどんぐりには、虫がいたり中身が食べられた状態だったことがありました。
水に沈んだどんぐりが全て虫がいない訳ではなかったため、あくまで目安として考えるのがよさそうです。どうしても心配な場合は、適切に処理をしてから遊ぶようにしましょう。
虫の正体や処理方法を知ってどんぐり拾いを楽しもう
どんぐりの中にいる虫の正体や処理方法をご紹介しました。
どんぐりを煮沸したり冷凍したり、レンジで加熱したりと、虫にはちょっとかわいそうな気もしますが、このひと手間でおもちゃや飾りにと子どもでも安心して使えるようになります。
今回ご紹介した処理方法を参考に、親子でどんぐり拾いを楽しんでくださいね。