三流は「どうしましょう」と上司に丸投げ、二流は解決案を出す…仕事のトラブルで評価が上がる「一流の相談術」
上司から"いいアドバイス"ではなく"いい判断"をもらう
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仕事でトラブルが起きたときに、上司にうまく相談するにはどうしたらいいのか。『仕事で伝えることになったら読む本』(アルク)を書いた濱田秀彦さんは「『どうしましょう』と上司に尋ね、丸投げするのはNGだ。仕事ができる人の相談は、いいアドバイスをもらおうとせず、いい判断をしてもらうために工夫している」という――。(第2回)
「自分視点」では真剣度が伝わらない
部下のみなさんから「相談しても、上司の関心が薄く、面倒くさそうな対応をされる」という話をよく聞きます。今の時代、上司もプレイングマネージャーが多く、自分の仕事のことで精一杯なのでしょう。それでは、管理職失格なのですが、上司を批判しても状況は改善しません。こちらが、できることを考えましょう。
上司の関心や真剣度を引き出し、助言、助力につなげるために最も大切なのは、問題の伝え方です。
例えば、顧客から納期が遅れている商品やプロジェクトについて、厳しい苦情を受けているとします。できることはすべてやりましたが、まだ納品の見通しは立っていません。メンタル的には限界に近づいています。そんな場面で上司に相談するとしましょう。次のような問題の提示の仕方では、なかなか上司は真剣に相談に乗ってはくれないでしょう。
「例の納品遅れの件で、お客さんから毎日のように厳しく責められ、もう限界です」
上司の関心は「チームの成果」
よっぽど部下想いの上司ならば、真剣に相談に乗ってくれるでしょうが、プレイングマネージャーが多い現代の上司は期待薄です。表面的には聞いていても、心の中では「自分でなんとかして」と思うでしょう。冷たいようですが、人の痛みは感じにくいもの。いくら強く言っても届きません。一方で、次のように言ったらどうでしょう。
「例の納品遅れが、次の商談に影響していて、このままでは、予定している次の案件が受注できなくなりそうです」
「それは大変だ」と一気に真剣度が上がります。極論すれば、上司はチームの成果が一番大切。それに影響するなら真剣に対応するということ。問題を提示する場合、自分視点で強く言っても関心を引き出すことはできません。上司、チームの視点で提示する。簡単なことですが効果大です。