年収でも、働き方でも、勤務地でもない…「絶対に転職してはいけない会社」を見抜く面接時の逆質問
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転職で失敗しないためには、どうすればいいのか。『「何者でもない自分」から抜け出すキャリア戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)を書いた森数美保さんは「正しいキャリアの選択は難しい。だが、必要な情報が欠けたまま決断してしまうと必ず後悔する。少しでも精度を上げるための方法がある」という――。 ※本稿は、森数美保『「何者でもない自分」から抜け出すキャリア戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。
「どのような同僚と働きたいか」も指針になる
同僚の特徴や属性などは、あなたのパフォーマンスを左右します。キャリア選択では、一緒に働く人材の特徴や属性にも注目し、どのような環境にマッチするかを考えていきましょう。
「優秀な人たちと働けることが幸せだ」と感じる人がいる一方で、優秀な同僚に囲まれてプレッシャーを感じたり、自分の存在価値を見失ってしまう人もいます。このように、働く環境に対する適性を見極める上で、「どのような同僚と働きたいか」も1つの指針となります。例えば、以下のような経験をしたことがある場合、その感情の要因を振り返った上で、適した環境を選ぶことが大切です。
【自分がアウトプットばかりしていて、得るものが少ないと感じる】
このような感覚は、職場での成長が頭打ちに感じた時に起こります。成長を続けたいという気持ちが強い人は、自分に得るものがある人と一緒に働くことが重要です。
【同僚の仕事に対する温度差に違和感を覚えた】
自分が熱意を持って取り組んでいるのに、周りは冷めていると感じるとやりがいが失われてしまいます。熱意を共有できる同僚がいる環境がマッチするでしょう。
【目指したいロールモデルがいないことに悩んでいる】
目標とする人が身近にいないと、成長の方向性が見えづらくなることがあります。このような場合は、目指したいと思えるロールモデルがいる環境を選ぶことが有効です。
「パフォーマンスを左右する要素」を知る
とある会社で、人事を一人で担当していた方が、「学びを得て成長したい」と経験豊富な人事チームのある会社に転職しました。しかし、「周りの同僚が優秀すぎて、自分の存在価値を感じられない」と退職してしまったケースがあります。
A社でトップセールスだった人が、トップセールスの集まりのような会社にいくと「普通」になってしまうこともあります。この時に、刺激を感じてモチベーションが上がるのか、自信をなくしてしまうのかはその人の特性によります。
その他にも、仕事のパフォーマンスを左右する要素は存在します。例えば、「会社の事業内容に共感できないと、仕事に没頭できない」というタイプの人には、次のような特徴があります。
- 事業の社会的意義への共感がやりがいにつながる
- プロダクトやサービスへの愛着が仕事の原動力になる
- 事業の方向性が自分の価値観と合っていると信じられると成果が出やすい
このタイプの方は、事業の方向性が安定している成長期以降の企業との相性がよいかもしれません。逆に、事業ピボット(事業の大幅な方向転換)の可能性が高い創業期、PMF(プロダクトマーケットフィット:プロダクトやサービスが市場に受け入れられている状態)前の企業は、価値観の不一致が起こるリスクがあります。このように、自分のパフォーマンスを左右する要素を知り、適切な場所を選ぶことはとても大切です。