一流の人は「10兆円」のスゴさをこう伝える…「話に説得力がある人」と「そうでない人」の決定的違い
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話に説得力を持たせるにはどうすればいいか。明治大学の齋藤孝教授は「会話の中に具体的な数字を入れる意識を持つと、情報の客観性や説得力が高まるだけでなく、話す人の社会的な評価も高まる」という――。 ※本稿は、齋藤孝『最強の言語化力』(祥伝社新書)の一部を再編集したものです。
「めっちゃ広かった」では伝わりにくい
言語化において、相手に説得力を感じさせるためには、具体的な数字をできるだけ取り入れて話す習慣が重要になってきます。これにより、話の内容がより客観的で中立的となり、ひいては話しているその人の信頼性を高めることに繫がっていきます。
また、思考と行動から思い込みや偏見が除外されることで、正しい答えにたどり着く確率も上がります。
朝起きた状況を伝える際に「今朝は5時に起きたから眠いよ」というのと、「今朝はすっごく早く起きたから眠いよ」というのでは、聞く側が受けるイメージはやはり違います。「めっちゃ広かった」より「100坪はあったよ」のほうがイメージは鮮明に伝わります。
さらに次のようにもう少し長い会話で比較すると、違いはよりはっきりとわかるかと思います。
数字がある会話とない会話の違い
数字あり「野球を観に行ってきたんだけど客が4万人も入ってたよ。かなり混んでた。でも売店は5分くらいしか並ばなかったな。あと、ビールが100円値上げされてたよ。ご時世だからしかたないけど」
数字なし「野球を観に行ってきたんだけど客がめちゃめちゃ入ってたよ。かなり混んでた。でも売店はそんなに並ばなかったな。あと、ビールの値段がちょっと上がってたね。ご時世だからしかたないけど」
後者でも日常会話としては問題ないのですが、少なくとも、話に数字を入れる意識が低い人であることはわかります。そういう人は、日頃から文脈に事実を入れて具体性を高める意識が欠けているのかもしれません。