失敗するとわかってなぜ部下に30億円を出したのか…高級鮨の店主が衝撃を受けたユニクロ柳井会長の経営哲学
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各界の著名人やスポーツ選手が通う名店が札幌市にある。「鮨すしわたなべ」店主の渡部朋仁さんは、カウンター越しにさまざまな経営者の言葉を聞いてきた。とくに印象深かったのは、ユニクロの柳井正会長から聞いた30億円の野菜事業の話だったという――。 ※本稿は渡部朋仁『カウンター越しに学んだ富裕層の成功思考』(サンライズパブリッシング)の一部を再編集したものです。
一流ビジネスマンは鮨店をスマートに使う
私の鮨屋には、ありがたいことにたくさんのお客さまがいらっしゃいます。一度来店して終わりではなく、ひいきにして何度も通ってくださるお客さまも多いです。
どんなお客さまも等しく大切ですし、もちろん仕事やプライベートについて詮索することもありません。ただ、ひいきにしてくださるお客さまの中には、社会的に成功されている方が少なくないことは確かです。
成功者は、鮨屋を積極的に使っています。カウンター越しに見る成功者の鮨屋の使い方は、ビジネスの匂いを感じさせずにとてもスマートです。
まず、ご自身のお客さまと2人で訪れます。たとえばプロジェクトが始動する前段階で、顔合わせ的にグループで鮨屋を利用していただくケースはあったとしても、ほとんどは1対1でゆっくり話をする。
つまり、プロジェクトの最終段階で、決裁権のある重要な人物が2人で話をする場になっているということです。
そして、いかにも「仕事の話をしましょう」という様子は見せません。まるで、「実はひいきにしているうまい鮨屋があるから、一緒に行きませんか?」と軽く誘うように、自分のお気に入りの店の鮨を大切な人にも味わってほしい、知ってほしいといった感じでお客さまを連れてこられます。
この、ちょっと親密な感じを演出できるのが鮨屋であり、一流ビジネスマンが鮨屋を選ぶ理由になっていると思います。