さっさと宿題をやる子どもに変わる…「宿題が終わるまでおやつ抜き」より効果的な親の声かけ
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子どもが自発的に宿題に取り組むようになるために、親はどうすればいいか。小児科看護師で育児アドバイザーの下村弥沙妃さんは「『宿題をやりなさい!』『宿題が終わるまでおやつ抜き』と言うより、宿題の主体はあくまで子どもであることを理解させることが重要だ」という――。 ※本稿は、下村弥沙妃『3日で自発的に動く子になる!信頼声かけ』(Gakken)の一部を再編集したものです。
なぜ親が子どもの宿題について悩むのか
毎日のように学校や塾から出される宿題。日々親を悩ませる問題の一つですよね。
「毎日のことなんだから、いい加減に自分から宿題に取り組んでほしい」
「さっさと終わらせて、ゆっくり遊んだり夜ご飯を食べたらいいのに……」
「ゲームの前に宿題を済ませると約束したのに、いつも後回しになって親子ゲンカになる」
「丁寧にやってほしいのに、適当に済ませるから全く進歩がない」
宿題一つでも、親を悩ませる数々の子どもの言動。毎日となると、本当にうんざりするものです。
何とか解決する方法はないかと、あの手この手で工夫を凝らして、子どもに接している方も多いのではないでしょうか。
そこで、宿題についての声かけをする時にまず心がけたいのは、子どもを「宿題の主体にする」ということ。子どもに「宿題を、自分のこととして認識させる」という意味です。
宿題のお悩みを抱える親の多くは、子どもの宿題を自分事、つまりは親のことと捉えてしまっているのです。これは、宿題の主体が親になってしまっている状態ということになります。
言わないとやらないから仕方ない?
「いえいえ、宿題は子どものもの。そんなの当たり前じゃない? 分かってるよ」
そんな声がたくさん聞こえてきそうです。ただ、本当の意味で分かっている親は、どのくらいいらっしゃるでしょうか? 要は、意識の問題なのです。
「言わないとやらないから仕方ないじゃないか」
そんな声も聞こえてきそうですね。
実は、子どもたちはそんな親の思いを潜在意識で知り尽くしていて、宿題をきっかけに決定権の取り合い【決定権争い】に親を引きずり込んでいるのです。
なぜでしょう? それは、子どもが決定権を握ることで、家庭での揺るぎないポジションを獲得するためです。