「オルカン」はハイリスク商品だと理解しているか?…プロが「オルカン」を薦めない人の条件

「オルカン」はハイリスク商品だと理解しているか?…プロが「オルカン」を薦めない人の条件

自分に合った「リスク許容度」で

全世界の株式に投資を行う「オール・カントリー」型の投資信託は、手軽に分散投資ができる方法として人気があります。純資産総額が4兆円を超える三菱UFJアセットマネジメントのeMAXIS Slim全世界株式(略称オルカン)をはじめ、各社が商品を出しています。極力シンプルに投資したい人や、なかなか投資を始められない人には、よい投資手法でしょう。しかし「手軽だから」という理由だけで選ぶと、思わぬリスクに直面します。

全世界に分散投資しているとはいえ、その中身はハイリスク・ハイリターンの株式です。市場が調整局面に入ると大幅下落の可能性があります。たとえば、リーマンショック時に全世界株式の代表的指数MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)は61%下落、株価が元の水準に戻るまで6年かかっています。「市場が下落したら損切りしたほうがいいのでは」と不安な人は、見直す必要があるかもしれません。

長期的に資産形成を成功させるには、自分に合った「リスク許容度」で、値動きの違う資産を組み合わせる必要があります。たとえば、株式、債券、不動産投資信託(REIT)、ゴールドなどを組み入れると、価格変動がマイルドになります。この手法は、ノーベル経済学賞を受賞した「アセットアロケーション理論」に基づいています。運用リターンの8割は、アセットアロケーションで決まるとも言われています。リスク許容度とは、損失に対する心理的・経済的な余裕度のようなもの。リスクに対する考え方、投資経験、年齢、収入・支出・資産の見通しなどによって決まります。

たとえば、20~30代の独身や子どものいない共働き世帯で、収入が安定している人、多少の損失があっても生活に影響のない人は、リスクを取りやすいでしょう。一方40代以上の人や、扶養家族がいて教育費・住宅費がかさむ世帯、投資経験が浅くリスクに敏感な人は、安定的な運用が合っています。

詳細を見る

この記事を読んだあなたにおすすめ

画像

https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-241016-98867608

2025.03.14

ニュースカテゴリの記事

教育を親の自己満足にしてはいけない。教育虐待になりうるハイパーペアレンティングの恐ろしさとは

教育熱心はどこまで?

この連載を見る
不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親はどうあるべきかを専門家に聞いていきます。
夫婦2人で全部は無理?「子育て・家事・仕事」現代子育てに素敵な選択肢を

共働き家庭が増加している昨今、夫婦ともに実家が遠いと、どうしてもシッターが必要になることもあるのではないでしょうか。今回の記事では、共働き家庭のママが有資格者のみが登録できるKIDSNAシッターのサービスをはじめて利用した様子をレポートします。