日本人の年収が増えないのは「薄利多売」のせい…時給30万円の経営アドバイザーによる「厚利少売」のススメ
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なぜ日本経済は成長しなくなったのか。経営アドバイザーの菅原健一さんは「GDPが増えていないということは、新たに付加価値を付けられていないということだ。たくさんつくって安く売る薄利多売はやめて、少なくつくって高く売る『厚利少売』に切り替えるべきだ」という――。 ※本稿は、菅原健一『厚利少売 薄利多売から抜け出す思考・行動様式』(匠書房)の一部を再編集したものです。
日本だけが経済成長できていない理由
日本は、すでに沈没しています。
たとえば、日本人の1人当たりGDPは、2000年にはG7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ)でトップでしたが、2023年には最下位に転落しています。図表1を見てもらえればわかるように、アメリカ、韓国、台湾と比較しても、1人当たりGDPが増加していないのは日本だけです。
また2024年2月時点では、日本のGDPが、ドイツに抜かれ、世界4位に転落したことが話題となりました。
GDP(国内総生産)は、一定期間内に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計額のこと。付加価値とは、サービスや商品などを販売したときの価値から、原材料や流通費用などを差し引いた価値を指します。
つまり、GDPが増加していないということは、極めてシンプルにいえば、新たに付加価値を追加できていないことを意味します。
「日本が成長できていないのは、価値を足せていないから」とも言い換えられるでしょう。
日本の人口は急激に減少しているので、このまま1人当たりのGDPが増えなければ、ますます世界から経済的に後れをとることになります。
平均年収は増えず、先進国最下位
次に、平均年収に目を向けてみましょう。日本の平均年収は現在443万円で、過去30年間横ばいです。そして、こちらもG7で最下位です(図表2)。
にもかかわらず、手取り収入は減少しています。1997年(年収が一番高かった年)から2020年までを分析した結果によると、日本人の「実質手取り収入」は物価高も加味して、平均で年84万円も減っているそうです。同じ年収であっても、親世代と僕たちの世代では実態がまったく異なるわけです。そして今後も、物価や社会保険料は上がり続けるでしょう。
さて、こんな逆風の時代に、あなたならどう生き残るか?
その答えが、本書のテーマである「厚利少売」です。