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幸運を願って無言で丸かぶり!節分に「恵方巻き」を食べる意味とは?
節分の時期が近づくと、恵方巻がスーパーの食品売り場やコンビニの陳列棚に並びはじめます。恵方巻きの種類もバリエーションが豊富で、子ども向けの恵方巻きもラインナップされています。恵方巻きはいつから始まり、食べることにどんな意味があるのでしょうか。節分の主役の1つとなっている恵方巻きについて紐解いていきましょう。
恵方巻きの歴史
恵方巻きの歴史や由来については諸説ありと言われています。その中から代表的で有力な説をいくつかご紹介します。
大正時代から巻き寿司が食べられ始める
大正の初め頃、大阪には花街という芸者屋や料理屋、遊郭などが集まる場所がありました。その花街で、働く人たちが節分にお新香の海苔巻きを、恵方を向いて食べていたのが、はじまりという説があります。ただしこの時は恵方巻きと言う名前はついていなかったようです。
販促手段として戦後に大阪で復活
諸説では、大正時代に恵方巻きの始まりのようなことは行われていましたが、一般的になることはありませんでした。昭和に入ると、1932年(昭和7年)に大阪にあるすし屋の組合が、節分の日に巻寿司を丸かぶりすると幸せが巡ってくるという内容のチラシを配布したそうです。これが、恵方巻きが宣伝されるようになる始まりでした。
1973年(昭和48年)、今度は大阪の海苔問屋が集まる組合が、1932年にすし屋組合が配ったのと同じような内容のチラシを、すし屋に納品する海苔と共に配ります。同じ時期に大阪のデパートでも、2月3日に「幸運巻き寿司」との名前で販売されていたそうです。大阪では恵方巻きに関する行事が開催されていて、1977年(昭和52年)は節分の丸かぶり寿司を使った早食い競争なども行われテレビ放送されたことをきっかけに恵方巻きが全国で知られるようになりました。ただし、恵方巻きという名前はここでも使われておらず、「幸運の巻き寿司」「節分の巻き寿司」などと呼ばれていました。
巻き寿司を一本丸ごとかじるようになってからは、「丸かぶり寿司」と呼ばれるようにもなったそうです。
広島県のコンビニが初めて販売
丸かぶりする巻き寿司を、「恵方巻き」という名前で売り出したのは広島県のコンビニが初めてだそうです。それ以前にも関西地方のコンビニで太巻きが販売されていましたが、恵方巻きという名前ではなかったようです。1989年(平成元年)、広島県内にある一部コンビニで恵方巻きを販売。これは、関西で節分に太巻きが食べられているという慣習を目にしたコンビニのオーナーの発案でした。恵方巻きの販売は徐々にエリアを広げ、1998年(平成10年)には全国発売を始め、現在の恵方巻きのブームに至っているようです。
恵方巻きを食べる方角
方角の決め方
恵方巻きは、その年に良い方向とされる「恵方」に向かって食べるのが良いとされています。恵方とは、金運が良くなることや、幸福の神様がいる方角のことです。恵方は、その年の干支に基づき設定。恵方は基本的に4つの方角があり、
・甲:東北東よりやや東
・庚:西南西よりやや西
・丙:南南東よりやや南
・壬:北北西よりやや北
とされています。恵方とはその年に運の良い方角ですので、節分だけではなくお正月の初詣するお寺選びにも恵方が活用できます。
ご利益がある?恵方巻きの正しい食べ方
2月3日の立春だけでなく立夏や立秋にも動きが
恵方巻きは、春の節分に食べるのが一般的です。具体的には2月3日、立春に近い季節の変わる時に恵方巻きを食べます。恵方巻きのブームに乗って、立夏や立秋の直前にも恵方巻きを定着させようという動きがありますが、立春前の節分に食べる人が圧倒的に多いです。
恵方を向いて願い事をしながら食べる
恵方巻きを食べている間は、その年に縁起の良い方向だけを見ます。よそ見をするとご利益が逃げて行ってしまうと伝えられているので気をつけましょう。
一本丸ごと、無言で食べる
恵方巻きは一本丸ごと最後まで食べきるのが理想です。そして無言で食べましょう。途中でおしゃべりをしてしまうとご利益がなくなってしまいます。子どもは通常の太い恵方巻きでは食べきれない可能性が高いため、細巻きを作るなどして対応してあげると良いでしょう。夕飯の間ずっと無言で食べるのはつらいので、夕飯が始まる前に恵方巻きを黙って食べて、その後に楽しくお話ししながら夕飯を食べてください。
恵方巻きは手作りできる
具材はできれば7種類揃える
恵方巻きはスーパーやコンビニで手軽に買えて、毎年違った恵方巻きを買う楽しみもあります。ただ、一年に一度の行事、恵方巻きを家庭で作ってみるのも良いのかもしれません。
巻く具材の定番は、うなぎ、たまご、しいたけ、きゅうり、かんぴょう、でんぶ、レタスですが、大人や子どもの好みで選ぶのも良いです。自宅で恵方巻きを手作りする時におすすめなのが、できれば7種類の具材を揃えることです。7種類は、「七福神」の七に由来しています。7つの具材を巻くことで、福を取り入れる、といった意味が込められているようです。
節分には恵方巻きを家族みんなで丸かぶり!
節分になるといろいろな種類が販売される恵方巻きですが、元々は商売繁盛や縁起担ぎなどの願いが込められています。節分には、正しい食べ方に沿って家族みんなで恵方巻きを丸かぶりし、その年の家族の健康を願ってみるのはいかがでしょうか。