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お年玉のお札の入れ方やお札の向き。複数枚の場合やポチ袋の書き方
お年玉の準備をするときに、「お札は折る?折らない?」「折り方や向きは?」「二つ折りでもよいの?」などと迷うことはないでしょうか。今回は日本のお年玉の由来や意味、3千円など複数枚入れる場合の入れ方、ポチ袋の名前の書き方などと共に、筆者の小学校教員時代に経験した子どもの反応もご紹介します。
お年玉の由来や意味
大人ももらっていたお年玉
日本のお年玉の起源は鎌倉・室町時代の頃といわれ、お正月に目上の人から目下の人(家長から家族、雇い主から使用人、師匠から弟子)へ、職業に関係する物を贈っていたという説や、歳神様の依り代となっている鏡餅の餅玉をお年玉(お年魂)とし、それを食べることで、家族みんなが新しく迎えた一年の生きる力や幸福をいただくという意味が込められているという説もあるそうです。
江戸時代になると、お餅でなく物を贈るようになったとも言われており、さまざまな由来や説があるようです。
年配の方に伺ったところ、明治以降は家によってぞうりや着物などを渡すようになり、昭和30年代頃には、子どもにお金を渡すようになったそうです。
お年玉は日本だけ?
日本の周りのアジア諸国にも同じような風習があるようです。
多くの民族が集まるマレーシアに住んでいた知人の話では、ハリラヤというお祭りのときにお金をポチ袋に入れて渡すマレー系の人々の風習がある他、旧正月(チャイニーズニューイヤー)に、結婚前なら大人でも貰えるアンパオというお年玉のようなものを渡す中国系の伝統もあるのだそうです。
お札を渡すためのマナー
新札を使う
お年玉に使うお札は、他のお祝いでお金を包む場合と同じように、新札を用意しておきましょう。
「年末は銀行が混み合うので、早めに準備しています」というママも多いようです。
お札の向きと入れ方
お札は肖像画が描かれている方、硬貨は絵の描かれている方が表です。
ポチ袋に入れるときは、渡された相手が中身を取り出したときに表が見えるように入れましょう。
お札が複数枚あるときも、全てのお札の向きを揃えて入れるように気をつけましょう。
お札の折り方(二つ折りと三つ折り)
二つ折りも三つ折りもお札の表が内側になるように折り、お札を開いたときに肖像画が見えるようにしましょう。
三つ折りのときは始めに左側から折り、重なった部分を表に向けてポチ袋入れるとよさそうです。
3千円などお札を複数枚入れるときには、一枚ずつではなく全部まとめて折りましょう。
四つ折りは縁起が良くない印象を与えてしまうこともありますので避ける方がよいでしょう。
お札を折らない場合
店頭にはさまざまな形や大きさのポチ袋が並んでいます。
ご祝儀袋と同様の大きさのポチ袋を選べば、お札を折らないで入れられるようです。
複数枚入れる場合は折らないで入れられるポチ袋の方が扱いやすいでしょう。
この場合もお札の表が袋の表側に向くよう、入れ方に気をつけましょう。
ポチ袋豆知識
ポチ袋の意味
ポチ袋のポチは、芸妓さんなどに渡すご祝儀のことだそうです。
関西の方言で、「ほんの少し」「ほんの僅か」「これっぽっちですが」という謙譲の意味があるようです。
お店では毎年さまざまなポチ袋が売られていますが、最近ではインターネット上にポチ袋が手作りできる無料のテンプレートが多くあるようですので、オリジナルのポチ袋作りも楽しめそうです。
ポチ袋の宛名と差出人
渡す相手の名前をポチ袋の表の右上に、裏側に自分の名前を書くことが基本のようです。
「後々お年玉をくださった方の子どもに渡すときのために、誰からいくらいただいたのか記録している」という先輩ママが何人かいました。
お年玉を渡す際、裏に金額を書いておくとさらに分かりやすいかもしれません。
お年玉あれこれ
お年玉の金額は?
毎年お正月が近づくと、いくら渡したらよいのか悩むことも多いのではないでしょうか。
筆者が教員時代に子どもたちから聞いた金額は本当にさまざまでした。
貰う相手が違えば金額が違ってくるものですが、あまりにも差があるのは気になってしまいそうです。
身近な親戚付き合いのなかで渡すのであれば、事前に話し合って金額を合わせておけるとよいですね。
お年玉を上司の子どもに渡すのは失礼?
お年玉は本来、目上の人が目下の人に渡すものなので、上司など目上の人の子どもに渡すのは失礼にあたるようです。
とはいえ、お正月に会う機会がある場合は「お年玉を渡したほうがよいのでは?」と気にする方も多いのではないでしょうか。
その場合「お年玉」ではなく「文具代」などと書いて渡すとよいようです。
小学生のお年玉の使い道
筆者が小学校の担任をしていたときは、冬休みの日記にお年玉をもらったことを書いている子どもや、休み時間にお年玉の話をする子どもも多くいました。
子どもにとってお年玉は、お正月の大きな楽しみのようです。
使い道としては、お年玉の一部を使って筆箱を新しく購入したという子どももいましたが、もらったお年玉は全部両親に預けて貯金していると話す子どもが多くいました。
お年玉の使い道は親子できちんと話し合って、有意義に使えるとよいですね。
お年玉のマナーを知れば安心
お正月にはお年玉のやりとりの機会が増えます。
自分の子どもや親戚、知り合いの子どもに気軽に渡す場合も、そうでない場合もあるでしょう。
お年玉の由来や意味と共に、お札の折り方や向き、ポチ袋への入れ方、名前の書き方などのマナーを踏まえたうえで、皆さんのお年玉を渡すときの参考になれば嬉しいです。