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クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
乳幼児の三大夏風邪の1つとも言われている「手足口病」。手足口病にかかるとどのような症状がみられるのでしょうか?感染経路や初期症状と主な症状、潜伏期間などを紹介します。保育園や幼稚園に登園できる基準についてもお伝えします。
手足口病はどんな病気?
幼児に多くかかると言われている手足口病はどのような病気なのでしょうか。
1年の中でかかりやすい時期
手足口病は、6月頃から増え始め7月下旬頃に流行りのピークを迎える病気です。とくに、夏に保育園や幼稚園でも流行ることが多く、三大夏風邪の1つとも言われています。
かかりやすい年齢
手足口病になる多くが5歳以下の子どもで、そのなかでも2歳以下が半数を占めます。比較的男子にかかる割合が多い傾向にありますが、その根拠はわかっていません。
大人がかかることは少ないですが、手足口病にかかった子どもから大人へ感染する場合があるので、注意しましょう。
また、手足口病の原因ウイルスは1種類ではないので、1度かかっても種類が違うウイルスの型に感染すると何度もかかる可能性があります。
手足口病の症状
手足口病にかかるとどんな症状が出るのでしょうか。初期とピーク時にわけて解説します。
初期症状
手のひらや足の裏、口の中などに水ぶくれができることが多いのが、手足口病の特徴です。初めに口の中に口内炎のような白いポツポツができ、そのあとに手や足などに発疹ができます。
初期症状で微熱を伴う場合もありますが、1~2日で下がることがほとんどのようです。
口の中にできた白いポツポツは痛みを伴うので、熱はないけれど食べるのを嫌がる、いつもよりよだれが増える、手のひらや口の中に水ぶくれのようなポツポツができていたら、手足口病の可能性を疑いましょう。
ピーク時の症状
手のひらや足の裏や甲、口の中に2~3㎜の水疱性発疹が発生します。場合によっては、肘や膝、お尻などにできる場合もあります。まれに、全身にでることもあります。
発疹はかさぶたになり、3~7日で跡が残ることは少なく消えることがほとんどです。1カ月以内に一時的に手足の爪が抜け落ちる症例も報告されているようですが、自然に治るようなので心配ないでしょう。
発熱することがありますが、38℃以下が多く、高熱になることは少ないです。
潜伏期間
手足口病の潜伏期期間は、3~5日程度といわれています。
遊び友達が「手足口病にかかった」という場合は、5日ぐらいは子どもの様子を注意して観察しましょう。
手足口病の感染経路と予防法
手足口病には3つの感染経路があります。
どんなシーンで感染するか、そのためにどう予防するかを知っておきましょう。
飛沫感染
咳やくしゃみによる「飛沫感染」でうつります。人ごみや咳が出るときにはマスクを着用するようにし、タオルの共有はやめましょう。
また、外出から帰ってきたときや食事の前、トイレの後は石けんを使ってしっかり手洗いをすることで、体内にウイルスが侵入する確率を減らせます。
接触感染
手足口病に感染した人が触った手すりやおもちゃに触り、目をこすったり手を舐めたりする「接触感染」でもうつります。
糞口感染
手足口病の症状が治まってきても2~4週間は便からウイルスが排出され続けるようです。
オムツ交換時に便を触ってしまった手指から感染が広がる可能性があります。
使用済みのオムツはビニール袋に入れて袋の口をしっかり閉じるようにし、オムツ交換が終わったあとは石鹸を使ってきちんと手を洗い、消毒をするようにしましょう。
手足口病にかかったときの注意点
口の中以外の発疹には痛みやかゆみがない場合がほとんどですが、口の中の発疹は痛みを伴い、潰瘍になることもあります。
口内の痛みから水分や食事がとれなくなる子もいるようなので、柔らかく刺激の少ない食べ物とこまめな水分補給を意識し、脱水症状にならないように注意してください。また、クチュクチュペうがいができるのであれば食事の後、白湯ですすぐようにしましょう。
痛みがひどいときには、かかりつけ医に相談をしましょう。口内炎の薬が処方されることもあります。
手足口病が引き起こす合併症
手足口病は自然治癒することが多いですが、まれに髄膜炎や小脳失調症、脳炎などを合併症で引き起こすことがあります。
高熱が数日続いたり、頭痛や嘔吐、視線が合わない、呼びかけに答えないなどの意識障害、呼吸が苦しそう、水分が摂れずにおしっこが出ない、ぐったりしているなどの症状がみられたら要注意!
合併症を引き起こしている可能性があります。早めに病院に行くようにしましょう。
医師による登園許可届は必要?
保育所における感染症対策ガイドラインによると「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれる」ようになることが登園の目安となっています。
インフルエンザや麻疹のように出席停止が決められている病気ではなく、医師の許可がおりたら登園できますが、園によって出席停止期間をもうけていたり、登園届が必要な場合もあるので、手足口病にかかったら通っている保育園や幼稚園に確認しておくとよいでしょう。
手足口病は初期症状を見逃さないで早めにケアを
手足口病は、初期症状に口の中にプツプツができるのが特徴です。
ピーク時の症状は、口の中だけでなく手のひらや足の裏にそのプツプツとした水ぶくれのような発疹がでることが多く、高熱が出るケースは少ないです。
口内にできるプツプツの痛みから水分や食べ物を食べるのを嫌がると脱水症状の危険があったり感染する病気なので症状がみられたら病院で受診するようにしましょう。
また、手足口病にはワクチンや特効薬などがないので、日頃の手洗いや規則正しい生活を贈ることが、予防につながるので、親子で気を付けてください。
監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)
Profile
眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。
症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。
お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。