教育熱心はどこまで?
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不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
2024.04.18
子供の行動変容を促す褒め方は何か。心理学者で遺伝学研究者のダニエル・ディック博士は「子供への注目は『ごほうび』となるから、最も重要なことを優先し、当面は困った行動の多くを無視することだ。そして、子どもが困った行動をやめたときには、すぐさまそのよい行動を褒め、それ以外のことはなかったふりをするといい」という――。 ※本稿は、ダニエル・ディック(著)、竹内薫(監訳)『THE CHILD CODE 「遺伝が9割」そして、親にできること わが子の「特性」を見抜いて、伸ばす』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
子犬の訓練と同じで、子どもによい行ないを身につけさせるには、「ごほうび」を与えることから始めます。親の最強のツールは「おしおき」ではなく「ごほうび」なのです。よい行ないを褒めることにより、親がもっと目にしたいと思う行動が習慣化されていきます。
悪い行ないに焦点を当てるのではなく、よい行ないに注目する必要があります。親にとってもそのほうが楽しいでしょう。でもこのやり方は、正しく実行してこそうまく機能します。
もちろん、アイスクリームよりもiPhoneのほうがごほうびとして望ましいなんて言うつもりはありません。子どもの行動や態度が変わるかどうかは何を与えるかではなく、どんなふうにごほうびを与えるかに大きく左右されます。
クリニックには、「ごほうびを与えたけれど(子どもを褒めた)、うまくいかなかった」という親御さんがよく来ます。ごほうびは「適切に与えられたとき」にのみ、子どもの行動を変えるように働くのです。実際に子どもの行動の変化につながる褒め方には、基本原則があります。
①「よい行ない」に注目する |
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よい行ないを効果的に増やすための第一の柱は、「よい行ないに注目すること」です。ばかばかしく聞こえるかもしれませんが、考えてもみてください。子どもが普段、やるべきことをやっていたら、私たち親はどれほど何も言わずにいることか。
親は子どもに、歯を磨きなさいと言います。パジャマを着なさい、お風呂に入りなさい、寝なさい、と言います。そして子どもが言われた通りにしたとき、たいてい親は何も言いません。
親は毎日、子どもが「やるべきことをやる」ことをただ期待するだけです。そして、子どもがバスタブ一杯分の水を床にまき散らしたら、反応するのです。
パジャマを着ないでおもちゃで遊んでいると、文句を言い始めるのです。新しいソファの上で飛び跳はねたり、キッチンに泥だらけの足で入ってきたりしたとき、ママとパパは慌てて走ってくるのです。
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