「きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?」が刊行
子どもの「気持ち」に焦点を当て、10の問いかけに答えながら、「自分はいま、本当はどう思っているんだろう?」「それは、どういうことなんだろう?」と、自分の気持ちと向き合い、その気持ちにつながる自分の「権利」を知っていくワーク型の絵本
「ひだまり舎」から、新しい「子どもの権利」の絵本「きかせてあなたのきもち 子どもの権利って知ってる?」が9月10日(金)に刊行。
長引くコロナ禍により、大人も子どももがまんを強いられている昨今。そのような状況のなかで、自分の気持ちにふたをして、黙り込む子どもたちがいる。その結果として、心や体が悲鳴をあげ始めているという。
新型コロナウイルスの感染拡大が始まった昨年4月、国連・子どもの権利委員会が、「新型コロナウイルスに関する声明」を発表。これは、コロナ禍に各国が後回しにされやすい、子どもの権利をどう守っていくべきかということを述べたものだ。
この声明が出された後、著者の長瀬正子氏を中心とするグループは、自費出版で「子どもの権利と新型コロナ」という絵本を制作。声明をもとに、「子どもの声を聴く」という姿勢を基幹としたワークブック型の絵本は、口コミで広がり、半年でおよそ3000部を販売した。
今回発売される「きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?」は、このワークブック型絵本「子どもの権利と新型コロナ」を底本として、内容を再編集し、ワークブックを別添付録としたもの。
読むだけで子どもの権利が理解できる解説ページや、国連・子どもの権利委員会の声明の簡単な日本語訳全文と解説、絵本を用いたワークのヒント、SOS相談先など、情報ページも充実。
子どもの「気持ち」に焦点を当て、10の問いかけに答えながら、「自分はいま、本当はどう思っているんだろう?」「それは、どういうことなんだろう?」と、自分の気持ちと向き合い、その気持ちにつながる自分の「権利」を知っていく、ワーク型の絵本となっている。
佛教大学社会福祉学部准教授である、著者の長瀬氏は、社会的養護(さまざまな事情で保護者といっしょに暮らせない子どもを養育する仕組み)の子どもの権利について研究をするなかで、よりつらい立場に置かれる子どもたちに寄り添ってきた。
「人はつらい状況を一人で生き延びようとする時、自身の心を守るために、気持ちを『固めて』しまうのです。そうした対処法でその場は乗り切れても、その後の人生に大きく負担をかけます。
『子どもの権利』という視点は、よりつらい状況にある子どもへの視野を広げ、子どもの『声』を聴こうとする大人を増やします。その一つひとつのプロセスが、子どもを大切にする社会への変化につながっていくはずです」と長瀬氏は語る。
その第一歩になりうる絵本の絵を手掛けたのは、画家のmomo氏。色鉛筆で彩色されたやわらかな絵が、自分の気持ちに向き合う手助けとなり、難しいと敬遠されがちな「権利」への入口をやさしく開いてくれる。
また、9月17日(金)には、出版記念オンライン講座「気持ちは権利のめじるし」も開催予定。絵本を使ったワークの実践方法や、子どもの権利についての話のほか、編集者を交えた、絵本の制作に関わる話も予定されている。
※詳細や申し込み方法については下記特設ページを参照
「今・ここ」で感じている気持ちを下支えする権利がある、子どもには権利があるということを根拠をもって伝えることで、子どもたち一人ひとりが大切な存在であることを投げかける1冊。ぜひチェックをしてみては。
きかせてあなたのきもち 子どもの権利って知ってる?
著/長瀬正子
絵/momo
ひだまり舎刊 1,980円(税込)
問い合わせ先/ひだまり舎
tel.050-3707-2328
info@hidamarisha.com