育休中や育休明けの退職はいつ言う?タイミングや知っておきたい制度

育休中や育休明けの退職はいつ言う?タイミングや知っておきたい制度

2020.04.13

育休中や育休明けに何かしらの理由などで退職を考えるママもいるかもしれません。育休中や育休明けに退職したタイミングや退職理由、社会保険や給付金など、知っておきたい制度について紹介します。

育休中や育休明けに退職したタイミングや退職理由

離乳食を食べさせるママ
szefei/Shutterstock.com

育休は職場復帰を前提に取得することができる制度ですが、ママのなかには、育休中や育休明けにやむを得ない理由で退職を考える方もいるのではないでしょうか。今回の記事では、実際に育休を取って後に退職をすることになったママたちが、どのようなタイミングで退職を決めたのか、退職理由をどのように伝えたのか、行った手続きなどについて体験談を聞いてみました。

育休中のタイミングで退職した理由

育休中に退職したママたちに、理由を聞いてみました。


預け先が確保できなかったから

30代ママ
30代ママ

我が家は保育園激戦区です。育休中にあらゆる施設に希望を出したり、ベビーシッターなどの方法を検討したりしましたが、どうしても預け先を確保できませんでした。

職場に育休延長の制度がなく会社の上司に相談したところ、「預け先が見つかったらまた知らせて」と上司に言ってもらい、育休の残りが2カ月の時期に一旦退職することになりました。

預け先を確保することが難しい状況のため、育休中に退職したママがいました。近隣の保育園に空きがなく、企業内保育所を持つ会社に転職する形で育休中に退職するケースもあるようです。


育児に専念したいと思ったから

20代ママ
20代ママ

出産後、育児をするなかで赤ちゃんがとても愛おしく感じました。小さいうちはそばにいてお世話をしたい気持ちが大きくなり、会社に正直に離職理由を伝えて職場復帰半年前のタイミングで退職しました。

30代ママ
30代ママ

産後、すぐに2人目がほしいと思っていたため、退職を考えていました。会社には「育児に専念したい」と離職理由を伝えて退職することにしました。

育児に専念するため、育休中に退職を決めたママがいました。産後すぐに2人目がほしいと思い、妊活と育児に専念するために退職したというママの声もありました。

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育休明け1年以内に退職した理由

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育児の難しさ

40代ママ
40代ママ

息子が1歳半のときに病気がわかり、一時的に頻回な通院が必要な状況になったので会社の上司に相談したところ、家族を最優先にするように言っていただき職場復帰後7カ月のタイミングで一旦退職することにしました。その息子も3歳となり、幼稚園の入園もできるほど元気になったので、連絡を取り続けている元上司に再就職の相談をしようと思っています。

子どもの病気などで育児にかかる手を大幅に増やす必要があり、育休明けに退職したママがいました。家族構成などもわかっている上司であれば、突然退職の希望を伝えるよりは、まず育児や家庭の事情を相談してみてもよいかもしれません。

また、退職するかどうかしばらく悩んでいたというママからは、退職支援を行っている団体に相談したという声も聞かれました。


復帰した仕事内容の難しさ

20代ママ
20代ママ

育休前と違う部署に異動して職場復帰する形になりました。仕事内容も初めて顧客を持つもので、子育てと仕事の両立も初めてで、時短勤務ではとても目標達成し続けることが難しいと感じ、復帰後半年のタイミングで退職を申し出ました。

引き止めていただいたのですが、会社内に他の受け皿がなく退職することとなりました。

20代ママ
20代ママ

育休から職場復帰後は時短勤務にしていたのですが持っている顧客数は変えてもらえず、時間内に業務が終了しないことがほとんどでした。どんどん溜まっていく仕事と保育園へのお迎えの両立が難しかったため、一旦退職してアルバイト勤務でサポートの立場に変更しました。

30代ママ
30代ママ

職場復帰後、これまで全く未経験の部署に異動したこと、勤務時間などの労働条件から仕事を続けることが難しいと感じました。さまざまなフォローをしていただいたのですが、退職意向を伝えました。

育休明けは、仕事に対するブランクや労働条件、育児との両立などに難しさを感じることもあるかもしれません。育休明けに同じポジションに復帰したママのなかからは、人員配置が変更となり、時短勤務で働き続けることが難しいと感じ、退職してパート勤務やアルバイト勤務、業務委託に変更してもらったという声もありました。会社によって、職種変更などの方法もあるようなので、上司や人事へ相談してもいいかもしれません。

退職前に知っておきたい制度やお金のこと

紙幣と硬貨
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育休中や育休明けに退職を考えるときの、制度やお金のことについてママたちの体験談をご紹介します。


育児休業の延長

30代ママ
30代ママ

育休中に預け先の保育園がなかなか決まらず、仕事と育児の両立に不安を感じたので退職を考えました。会社の先輩に退職意向であることを相談したところ、仕事をしたい気持ちがあるなら育休の延長制度を使って考える時間を取ってみてはとアドバイスしていただきました。

延長の期間中に保育園も決まり、子どもの成長にともなって自分の体力の回復も実感し仕事復帰に自信がついたので、退職に踏み切らなくてよかったと思っています。

厚生労働省の資料によると、条件を満たせば育児休業給付金の支給延長が可能になるケースがあるようです。条件を満たしたうえで、所定の手続きが必要になるため、延長を検討する場合には確認しておきましょう。企業によっては社内独自に育児休業の延長制度を設けている場合もあるようなので、退職を決める前に人事の人や上司に相談して検討するのもよいかもしれません。

出典:「育児休業給付金の延長申請について」/厚生労働省

退職時期によっては損することも?

育休中に退職する場合、退職時期によっては育児休業給付金の受給において損をしてしまう可能性があります。

【育児休業給付金の支給のしくみ】

育児休業給付金は1カ月単位で計算されて、2カ月分がまとめて受給者に振り込まれます。1カ月単位で計算されるということは、途中で退職した場合、日割り計算などはせず、退職時点で受給する権利を失います。

例えば、10月8日から育休を開始した場合、1回目は10/8~11/7、11/8~12/7の2カ月分が振り込まれます。毎月8日~翌月7日の期間中に退職をしてしまうと、その1カ月分は育児休業給付金を受給できなくなるため注意が必要です。したがって、10/8から育休を開始した場合は、毎月7日を退職日として検討するといいでしょう。

出典:「育児休業給付の内容と支給申請手続」/厚生労働省

退職した場合の育児休業給付金の返金

30代ママ
30代ママ

育休中に産後うつになってしまい、退職支援をしているところに相談して退職しました。退職までの間に給付された手当金を返金する必要はありませんでした。

さまざまな理由や状況で、育休中に退職を選ぶママもいるかもしれません。厚生労働省の資料によると、育児休業開始時点で退職が予定されている場合を除いて育休中に退職した場合、それまで受給した育児休業給付を返金する必要はないとされています。

出典:「Q&A~育児休業給付」/厚生労働省

社会保険料免除

30代ママ
30代ママ

育休中は赤ちゃんのものにいろいろお金がかかるので、社会保険料が免除されるのでとてもありがたかったです。

会社が所定の手続きをすることで、育児休業中の社会保険料が免除される制度をいいます。令和4年10月から社会保険料の免除要件が見直され、より柔軟な育児休業の取得ができるように改正されています。

出典:「育児休業等期間中の 社会保険料免除要件が見直されます。」/日本年金機構

雇用保険の受給

40代ママ
40代ママ

育休から復帰後、労働条件面から子育てとの両立が難しいため退職しました。会社の社労士さんに雇用保険のことで相談したところ、産休や育休で休業していた場合は給付を延長できるとのことで、とてもありがたい制度でした。

育休明け1年以内の退職では、失業保険が気になる方もいるかもしれません。ハローワークのホームページによると、雇用保険の基本手当の受給要件は以下の2点です。

  • いつでも働ける状態で就職する積極的な意思があること
  • 退職した日以前の2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上あること

被保険者期間は、連続した期間ではなく、過去2年間の通算期間です。

病気やケガ(出産や育児を含む)などで引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった期間がある場合はその日数分、算定対象期間を最大4年まで延長できる緩和措置があるようです。

出典:「基本手当について」/ハローワーク

育休中や育休明けのタイミングでの退職理由はさまざま

家で仕事をするママ
iStock.com/kohei_hara

今回の記事では、実際に育休を取って後に退職をすることになったママたちが、どのようなタイミングで退職を決めたのか、退職理由をどのように伝えたのか、行った手続きなどについて体験談をご紹介しました。

ママたちが育休中や育休明けのどのタイミングで退職したのかや、退職の理由はさまざまでした。退職を考えたときには、育休で支給された給付金や失業保険などの社会保険について知っておくと選択肢の幅が広がるかもしれません。

育休期間が、育児や仕事について改めて考えるよい機会になるとよいですね。


※記事内で使用している参照内容は、2024年10月4日時点で作成した記事になります。

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