フルタイムとパートの違い。有給休暇の条件や年収、年金などの社会保険について

フルタイムとパートの違い。有給休暇の条件や年収、年金などの社会保険について

フルタイムやパートとはどのような働き方で違いはあるのか、仕事を探すママは気になるかもしれません。今回の記事ではそれぞれの年収、社会保険、年金、有給休暇などの違いについて説明します。

フルタイムとパートの違い

子育てなどで時間が限られている時期はパートで働いていたけれど、子どもも大きくなったので、そろそろフルタイムで働きたいと思うママもいるのではないでしょうか。フルタイムとパートは、どのように区別されているのか簡単に説明します。


フルタイムとは

フルタイムは、勤めている会社で決められている1週間の労働時間が同じ会社の正社員と同じ場合の労働者のことです。アルバイトであっても正社員と同じ時間働けば、フルタイムと呼ぶこととなっているようです。


パートとは

正しくはパートタイム労働者と呼ぶようです。勤めている会社で決められている1週間の労働時間が同じ会社の正社員と比べて短いか、労働日数が少ない場合、パートタイム労働者と呼ばれます。


働く時間が正社員と同じか短いか

フルタイムとパートの就業形態の違いは「勤めている会社の正社員と比べて、働く日数や時間が同じか短いか」で区別されるようです。

基本的にパートの場合は、短時間の勤務をしている人と覚えるとわかりやすいかもしれませんね。

出典:よくわかる労働法/パート労働者キャリアアップ支援サイト(厚生労働省)

フルタイムとパートの年収によって変わるもの

フルタイムで働いた場合と、パートで働いた場合、年収はもちろん異なってきますが、年収によってどのようなものが変わるのか説明します。


収入が多いと扶養から外れる

オフィス
iStock.com/ismagilov

パパの社会保険の扶養に入り、パートで働いていたママが、フルタイム勤務に変更し年収が130万円を超えてしまうと、パパの扶養家族から外れてしまいます。扶養から外れると、ママは年金保険料、健康保険料などを自分で支払うことになります。


手取りの金額が変わる

パートからフルタイムに変更したママの年収が一定の金額以上になると、所得税などの税金が発生し、引かれていくので手取りの金額が変わってきます。年収から税金などが引かれたときに、損をするのかしないのかは人によってさまざまです。

出典:「103万円の壁」、「130万円の壁」とは何ですか?/パート労働者キャリアアップ支援サイト(厚生労働省)

フルタイムとパートの社会保険

社会保険(厚生年金保険、健康保険)はいくつかの要件を満たした場合、フルタイム、パートにかかわらず加入しなくてはなりません。

以下の要件を全て満たす場合は、社会保険に加入することになります。

・週の所定労働時間が20時間以上
・勤務期間が1年以上見込まれること
・月額賃金が8.8万円以上
・学生以外
・従業員501人以上の企業に勤務

また、以下の場合も社会保険に加入することになるかもしれません。

・週30時間未満でも、正社員の1週間の所定労働の4分の3以上働いている

社会保険に加入すると、会社が保険料を半分負担してくれるのと、年金の給付額が増えるようです。

出典:平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大)/厚生労働省ホームページ

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フルタイムとパートの有給について

正社員じゃなくても、有給休暇を取ることはできるのか、気になるママもいるかもしれません。有給休暇の条件とフルタイム、パートの場合の有給休暇について説明します。


有給休暇を取る条件

有給休暇は、一定期間勤続した労働者に対して付与され、賃金が減額されない休暇のことです。フルタイムでもパートでも労働者であれば有給休暇は取得できます。ただし、有給休暇を取るためには、以下の条件を満たさなければなりません。

・雇い入れの日(勤務開始日)から6カ月経過している
・勤務した期間の全労働日の8割以上出勤した

また、勤続期間によって付与される休暇の日数が変わります。


フルタイムの場合

パートのママ
iStock.com/kokouu

週5日以上の出勤となるフルタイムでは、正社員と同じ程度の有給休暇を取ることができます。6カ月経過後の最初の有給休暇は10日間付与され、その後1年ごとに有給休暇の日数が増えます。最大で6年6カ月以上は20日間の有給休暇を取ることができます。


パートの場合

パートの場合は週に何日出勤するかによって、取得できる有給休暇の日数が変わります。今回は一例として週3日勤務のパートの場合、有給休暇はどのくらい取得できるのかを説明します。

週3日勤務のパートの場合、有給休暇を取得するためには、1年間で決められている労働日数121日~168日の出勤が必要です。

取得できる有給休暇の日数は、勤続期間6カ月(半年)で5日間、6年6カ月以上になると最大で11日間の有給休暇を取得できます。

出典: 労働基準情報:FAQ (よくある質問)年次有給休暇とはどのような制度ですか。/厚生労働省ホームページ

フルタイムとパートの年金について

フルタイムとパートでは、国民年金、厚生年金どちらに加入することになるのか説明します。


国民年金、厚生年金とは

国民年金(基礎年金)は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人は必ず加入することになっている年金です。

そして、厚生年金は、主に会社員や公務員といったサラリーマンの人が加入する年金のことで、国民年金の額に上乗せされた額を納付し、将来的に給付されます。

出典:年金/厚生労働省ホームページ

フルタイムは厚生年金加入

フルタイムで働く場合で、「フルタイムとパートの社会保険」の項目で触れた、社会保険の加入要件を満たす人は、自動的に厚生年金保険も適用されます。会社に勤めてから厚生年金の資格を取得すると、国民年金の資格は自動的に失われます。


パートの場合は状況によって異なる

パートの場合は、その人が社会保険に加入するかしないかで、国民年金、厚生年金のどちらかに決まります。社会保険に加入すれば厚生年金、加入しなければ国民年金となります。

どちらを選ぶかという任意ではなく、おのずとどちらかになるという認識の方がわかりやすいでしょう。

厚生年金は納付する額自体は高いですが、会社と折半して支払う形になります。保険料の負担は折半で軽減、けれど将来もらえる額は国民年金より大きいという事も踏まえて、どちらのほうが自分に合っているのかよく考えてみるとよいかもしれません。

出典:年金/厚生労働省ホームページ

フルタイムとパート自分にあった働き方を選ぼう

書類を見ているママ
iStock.com/monzenmachi

フルタイムかパートとはどのような働き方で、保険や年金などがどのように変化するのか、どちらのほうが得なのか、ママは悩むこともあるかもしれません。扶養に入っているママは自身の年収なども気にしながら働く必要もあるでしょう。

社会保険の加入条件についてはフルタイムもパートも違いはありません。国民年金、厚生年金のどちらになるのかなども関係してくるので、よく条件を確認しましょう。有給休暇の制度に関しても、フルタイム、パートどちらの働き方でも条件を満たせば取得することができます。

さまざまな制度をよく理解し、うまく利用することで充実した生活を送ることができるかもしれませんね。


※記事内で使用している参照内容は、2018年9月4日時点で作成した記事になります。

2018.09.05

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