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妊娠中はいつまで仕事ができるの?法律に基づいた制度について調べてみよう

妊娠中はいつまで仕事ができるの?法律に基づいた制度について調べてみよう

妊娠中や出産前後に働いている女性に対し、国は法律により配慮することを企業へと義務づけています。いつまで働く必要があるのか、働いている最中に特別の配慮を求めることができるのか、妊娠期・出産前・出産後のパターンに分けて、法律に基づいてご説明します。

妊娠中、職場での配慮が可能なこと

妊娠中は、残業の制限や妊婦検診を受けるための時間の確保を勤務先に求めることができます。自分で申請しないと適用されないものもあるので、しっかりと知識を身につけましょう。

母性保護の制度

労働基準法の第64条から66条、男女雇用機会均等法第12条・13条には妊娠している女性に対する配慮を示した母性保護規定が明記されています。これは妊娠出産ができる女性の労働者を保護する考え方で、日本の法律では主に妊娠中および出産後1年以内の女性の労働に配慮する内容となっています。

母性健康管理のために申請できること

妊婦は労働基準法第66条に基づき、時間外労働や休日労働、深夜勤務の制限を求めることができます。また、第65条で妊娠中でも業務への変更を請求できると記載されています。有害物質や重たいものを扱う業務、危険性の高い業務への妊婦の就業は禁止されていますので、これらの業務に携わる人は仕事内容の変更を申し出ましょう。

妊婦検診のために時間を取ることも認められていますが、有給で通院できるかは企業によります。母性健康管理の規定は正社員だけでなくパートなども同様です。

出典:働きながらお母さんになるあなたへ(平成29年8月版)/厚生労働省

母健連絡カードを活用しよう

「母健連絡カード」とは正式には母性健康管理指導事項連絡カードと言います。つわりなどの症状に対して、時短勤務や通勤の緩和など業務上の配慮が必要になることを医師に証明してもらうカードです。母健連絡カードを受け取った企業は、男女雇用機会均等法第13条に基づき対策をする義務があります。ほとんどの母子手帳に載っていますので、職場に配慮を求める際活用しましょう。
厚生労働省のホームページからもダウンロードできます。

出典:母子健康管理指導事項連絡カードの活用方法について/厚生労働省
出典:母子健康管理指導事項連絡カード/厚生労働省

産前産後休業、育児休業のしくみ

次に出産前後について見てみましょう。産休と育休の違い、産休育休中の経済的支援について調べました。

オムツを替えるママ
MIA Studio/Shutterstock.com

産前休業はいつから取得できるのか

出産予定日の6週間前から産前休業を取得可能です。出産予定日を過ぎても産前休業は継続できるので心配はいりません。出産当日は産前休業に含まれます。双子以上を妊娠している場合の産前休業は14週前から取得できます。

出産後、法律では8週間就業ができません

産後休業は出産日の翌日から8週間で、この間は仕事をできません。産後6週を過ぎ、医師が認めた場合は仕事に復帰できます。(労働基準法第65条)

出典:労働基準法における母性保護規定/厚生労働省

育児休業

子どもが1歳になるまで男女問わず希望する期間、育児休業を取得することができます。介護育児休業法の改正で2017年10月より、一定の要件を満たせば2歳まで育児休業を延長できるようになりました。パートやアルバイトでも要件を満たせば育児休業を取得できるので確認をしてみてください。

産前・産後休業中、育児休業中の経済的支援

産前・産後休業中は「出産手当金」として、1日につき賃金の2/3が支給されます。出産に際して支給されるのが「出産一時金」で、42万円です。これは産院での出産入院費用分で、一時金を直接病院に支払うという形で支給される場合もあります。

育児休業期間中には、子どもが1歳になるまで「育児休業給付金」の支給があります。2歳まで育児休業を取っても、育児休業給付金の支給は1歳までです。育児休業開始から6カ月までは休業開始前賃金の2/3、それ以降は1/2になります。

産休・育休中は社会保険料が免除に

産休と育休の期間中、届出すれば健康保険と厚生年金の社会保険料が免除されます。免除期間中も支払い期間中と同様に健康保険証も利用でき、年金の減額もありませんので、産休に入るときに忘れずに手続きをしておきましょう。
手続きが遅れても遡って免除されないので、注意が必要です。

休業以外の制度について

出産後に仕事に復帰した場合、子どもが3歳もしくは小学校に入学するまで時短勤務や残業の制限を求められます。また妊娠出産を通して減給や降格など不利益になる扱いを禁止しています。

短時間勤務や残業の制限を申請できる

子どもが3歳になるまで、労働時間を1日6時間に制限する「短時間勤務制度」や残業の制限を求めることができます。
また、子どもの小学校入学まで年5日間の「看護休暇」と時間外労働・深夜業の制限も求められます。看護休暇は有給休暇とは別で取得でき、半日単位から取れる制度です。

不利益扱いの禁止・ハラスメントの防止

妊娠・出産や、それに伴う産休・育休の取得を理由に、解雇をしたり減給をされたりなど不利益な扱いは禁止されています。契約の更新がされない、普通ではありえない配置転換も不利益な扱いです。

実際に不利益な扱いを受けなくても、それらを示唆することや、制度を利用しないように言われる行為はハラスメントに当たります。企業には妊娠・出産と産休育休に関して、職場内のハラスメントを防止する措置が義務づけられています。

不利益な扱いやハラスメントがあり企業として対処がなされなかった場合、都道府県の労働局に相談しましょう。「紛争解決制度」に基づき行政からの助言や指導が期待できます。

出典:育児・介護休業制度ガイドブック/厚生労働省

妊娠したらいつまで仕事をするかを目安に

妊婦とこども
MIA Studio/Shutterstock.com

妊娠・出産、その後の育児に対して、法律はさまざまな条文で女性の保護を謳っています。一方で、法律内容の正確な理解の周知はまだ完全とは言えません。特に職場に産休や育休を取得した人がいない場合は、会社側もいつまで産休や育休が取れるのか、どのような配慮が必要なのか、手探りの状態の場合もあるでしょう。
制度を利用する側もしっかり勉強して、法律に保障された制度を上手に活用したいですね。

※記事内で使用している参照内容は、2017年11月24日時点で作成した記事になります。

2017年11月27日

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