女性は産休後に続けて育休を取ることが多いですが、男性の場合、育休を取れることは知っていても、仕事を休んで育児に協力するケースは少ないようです。そこで、妻は夫にも育休を取って欲しいと思っているのか?取るとしたらいつからがよいのか?育休を取った男性の体験談を交えて紹介します。
子どもを養育するために休業することで、「育児・介護休業法」に基づいて仕事と子育ての両立を支援する制度です。育休を取得できる期間は原則として子どもが1歳になるまでのようですが、保育所に入れないなどの理由がある場合は1歳6カ月まで延長でき、それでも入園できない場合は平成29年10月1日より2歳まで再延長ができるようになりました。
厚生労働省の調査では、平成17年の男性の育休取得率は0.5%だったのに対し、平成27年度では2.65%と10年の間に上昇しているようです。男性が育休を取得する場合、妻は産後8週間の産休後からに対し、夫は子どもが誕生したその日から子どもが1歳までの間、育休を取ることができるようです。
男性の育休取得をサポートする制度としてパパ休暇と、パパ・ママ育休プラスがあります。
子の出生後8週間以内に夫が育休を取った場合、一度復職した後に再度、育児休業を取得できる制度です。
夫婦がともに育休を取得する場合、子どもが1歳までの育休期間を、2カ月延長できる制度です。
2人目の子どもが生まれたタイミングで夫が6カ月の育休を取った夫婦に話を聞きました。
(夫:40代・教師)
「1人目が産まれたときは育休を取らず、育児は妻に任せきりでした。2人目の誕生を機に育休を取ったことで、家族に対して使える時間と心の余裕が生まれ、子育てに十分にかかわることができたと感じています。育休を通じて妻の子育ての大変を理解し、仕事に復帰した後も育児に参加する時間が増えました」
「職務から一時的に離れることで、これまでの仕事に対する姿勢や、業務の遂行の方法などを客観的に見直すことができました」
育休を取ることで、子どもとゆっくり向き合う時間が生まれ、産後の妻に係る家事と育児の大変さも改めて感じたようです。仕事面では、一度仕事から離れることで、自分自身の働き方を見つめ直すきっかけにもなり、以降の仕事へとつながるようです。
「早めに育休の申請をしたのですが、自分の代わりになる非常勤の方がなかなか見つからず、育休をいつから始められるのか決まるまでに時間がかかりました。休み明けに職場復帰するときには、授業の進捗状況や育休中の子どもたちの様子の把握など、引き継ぎすることが多く苦労しました」
今までキャリアを中断することなく仕事を続けてきた男性が育休を取る場合、自分の代わりに仕事をしてもらえる人を探すことも大変のようです。
「自分の両親に育休を取ることを伝えたときは、『男性が仕事を休むなんて』と反対されました。しかし育休中の私と家族の様子を見て『今まで忙しかったのだから、こういう制度が利用できてよかった』と言ってくれるようになりました」
「職場内でも男性が育休を取ることは非常にまれで、理解が得られにくいのかもしれない、と感じていましたが、同僚や上司など周りからの反対もなく育休を取得することができました。育休後も、復帰するために周りにサポートしてもらえたのでスムーズに職場に戻ることができたと思っています」
数値的には男性の育休取得率が上がってきているとはいえ、社会的にはまだ男性が育休を取ることに馴染みがない、いう考えも少なくないようです。しかし、実際に男性が育休を取る姿を見せることで、周りへの理解につながっていくようです。
「産後手伝ってもらえると私も助かるし、夫も子どもとのつながりが強くなるなど、家庭にもよい影響を与えそうなので夫が育休を取ることは賛成です」(30代ママ)
「夫が子どものお世話がちゃんとできるか不安です。出産前に夫婦参加の教室などで学んで、子どものお世話ができるようになるなら取って欲しいです」(30代ママ)
「周りに育休を取得している男性がいないので、いつからどのくらい育休を取るのか、生活がどうなるのか、など想像しにくいです」(30代ママ)
まだまだ事例の少ないパパの育休。生活がどのように変わるのかイメージしにくいこともあるようですが、夫に育休を取って欲しいと思っている妻は少なくないようです。
夫が育休を取るとしたらいつからがよいか、聞いてみました。
「産後3~4カ月頃は、授乳や子どものお世話で睡眠不足になる時期なので、夫に育休を取ってサポートしてもらいたいです」(30代ママ)
「産後1カ月くらいは体調も安定しないので、その頃に育休を取って支えて欲しいです」(30代ママ)
「2人目の出産を控えています。産後の入院期間中に、上の子どものお世話ができるように育休を取得してもらえると助かります」(30代ママ)
出産後の数カ月は、体調が安定しないことや、子どものお世話で睡眠が十分に取れないことも多いようなので、いつからでもよいので、夫にまとまった育休を取ってサポートして欲しいという意見が多くありました。
産後は身体をしっかり休めるためにも、一番近いパートナーである夫に育休を取ってほしいと考える妻は多いようですね。出産前に、夫は育休が取得できるか、できるとしたらいつから休めるかなどを夫婦で相談し、夫が子育てに参加する機会が増えていくとよいですね。
※記事内で使用している参照に関する内容は、2017年12月28日時点の情報となります。
2018年02月05日
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