教育熱心はどこまで?
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不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
〜家族ってなんだろう?〜
「子どものこころが穏やかに育つ魔法の育児法」のタイトルで40000人以上、Facebook公式ページには20000人以上の読者を持つ、作家/子育てアドバイザーLICOさんの連載コラム第9回です。
実家の家族は大切な存在だと心から思っているし、結婚しパパと築いた家族もまた、大切で大事で大好きです。
どちらの家族とも、これまで何度も、寂しさや悲しみ、悔しさ、不安といったたくさんの涙をぶつけ合ってきたけれど、それを凌ぐするほどの温もりと、信じられる記憶、「ありがとう」を共に抱えて生きてこられたことを感じています。
「いってらっしゃい」
「おかえり」
と言ってもらえる唯一無二の場所はここ。そう心から思っているし、悲しい時、辛い時には家族の顔が真っ先に思い浮かびます。
家族って何だろう。
そんなことを考えてみて思うのは、家族の定義は人それぞれ千差万別、さまざまなものがあるということ。
同じ家に暮らし、同じご飯を食べ、同じ屋根の下で眠ることが家族だという方もいると思うし、血の繋がりがある関係が家族だという方もいるでしょう。
他人とは同じ家で毎日を共にすることはあまりないので、同じ家に暮らしていたら家族という考え方もわかりますし、血の繋がりがあるからこそ、目には見えない結びつきを強く感じることがあるのも事実だと思います。
でも、どんなに同じ家に暮らしていても、同じ血が流れていたとしても、もしそこに心が繋がっていなければ、家族だと感じられないこともある。
家族から投げかけられた言葉に深く傷つくこともあれば、家族が他人よりも遠く感じることもあるからです。
だとするなら、家族の繋がりってなんでしょう。私にとっての家族、私が作りたい家族についてを改めて考えてみると、2つのことが浮かび上がりました。
私にとっての家族とは、何の変哲もない毎日の中で「あなたがいてくれてよかった」と感謝を伝えたくなる相手のこと。
そしてもうひとつは、生きるための日々を、心の触れ合いの中で共有することです。
「あなたがいてくれてよかった」
そう感謝の思いを抱ける相手と、人生の中で出会えることは何度もあるかもしれません。
でも、その感謝を、何か特筆すべき事柄が起きたからではなく、何か助けてもらって大きな恩を感じているからでもなく、ただ一緒に過ごしているだけで伝えたくなる相手がいるのなら。
それは、その人にとっての家族なのではないかなぁと思うのです。血の繋がりが濃くても薄くても、たとえなくても。
私をいつも可愛がってくれた祖父の従姉妹。そんな遠い親戚のばあばのことを思い出します。血の繋がりで言えば、「家族」とは呼べないほど、家系図上遠い場所にいる人です。でも、私はこのばあばがいてくれたから、寂しくてしんどかった幼少期を過ごすことができました。
私の存在を、
「あなたがいてくれたから、私の人生楽しかった」
と言ってくれた、ばあば。
小学校に行けなかった私を毎日部屋まで迎えにきてくれ、毎日そのシワシワの手で、私の手をさすってくれました。
思い出されるのはばあばがしてくれた、日々の小さなことばかり。でも、その小さなことの連続が紛れもなく私の生きる力になっていました。
ばあばに限らず、私の考える「家族」に共通していることは、相手を否定せず、見守り、信じて、応援すること。
そして、安心して一緒に眠ることができ、同じご飯を「美味しいね」と一緒に食べること。
家族って、血でも、単なる場所でも、作業でもなくて、そんなラベルのない毎日を共にする人のことなのではないかと思います。その場所こそが、自分が最も帰りたくなる場所、心を休めることができる場所となっていくのではないでしょうか。
共に過ごし、共に生きる。
そのひとつひとつはチリのようにとても小さな出来事ばかりですが、薄皮のように私の記憶と心に積み重なり、その記憶が私を支えてくれる。
そんな場面が今もたくさんあります。
時に絡まり、すれ違い、途切れてしまうことがあったとしても、思い合えばその場所から何度でもやり直すことができるのは、「家族だから」可能なのかもしれません。
みなさんの家族を、どうぞ大切にしてくださいね。
Profile
入園当初にコロナ禍となりリアルイベントが少なかった園児たちが、卒園を迎えるシーズンとなりました。園児たちのかけがえのない思い出を作りたいという想いから、”チャレンジダンスプロジェクト”が始動。子どもたちが「卒園ダンス」に取り組む様子から、てぃ先生に子どもの成長を促進するコミュニケーションを教えていただきます。コナミスポーツクラブの全面協力のもと、ダンス未経験の園児たちが一生懸命取り組み、イベント当日を目指す様子を密着取材しました。