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2017年02月14日

トラブルだらけ?どんな活動?幼稚園の卒園対策(卒対)委員の体験談

幼稚園の年長さんのママ特有の役員、卒対(そつたい)委員。「やりたくない」「大変そう」「トラブルが心配」というイメージもありますが、実際はどうなのでしょうか。ある幼稚園の卒対委員として1年間活動した体験談をお届けします。

卒対って大変?

KIDSNAでライターをしている筆者の次男は、もうすぐ幼稚園を卒園します。実はこの1年、ライター業をしながら幼稚園の卒園対策委員として活動してきました。「卒対委員をやっている」というと、まわりの幼稚園ママからは「大変そう!」「仕事との両立は無理だよね」といわれます。でも、実際のところどうなのでしょうか。今回は、幼稚園の卒対委員をやってみて考えたことを書きたいと思います。

卒対とは

「卒園対策委員」を略して「卒対委員」とよばれています。園によってちがいますが、うちの幼稚園の卒園対策委員の活動は以下ののようなものでした。

謝恩会の企画・運営

先生たちへの感謝の気持ちを伝える「謝恩会」の企画・運営をします。園によってちがいますが、うちの幼稚園では結婚式の披露宴で使うようなホテルの大広間を貸し切って謝恩会を開催するので、1年をかけてじっくり準備します。

園や先生たちへの贈呈品の手配

卒園児一同から贈呈する品物の選定や手配を行います。うちの園の場合は、園の希望のもの(先生たちのジャージなど実用的なもの)を購入して贈呈式でお渡ししました。

先生に渡すアルバム制作

年長の各クラスの担任の先生にプレゼントするアルバムを制作します。園児ひとりあたり1ページを自由に使って、写真をコラージュしたり絵を描いたり先生との思い出をつづったりしますが、実際は親が手伝うことがほとんどです。

先生に渡すDVD制作

幼稚園のいろんな行事(遠足や夕暮れ保育、運動会やおゆうぎ会など)を卒対委員が動画や写真撮影して、それを編集したものをプレゼントします。うちの園では今年たまたま映像編集の仕事をしているパパがいるので、編集はその方に一任しています。DVDジャケットの撮影やデザインなどの制作もします。

卒園児への記念品の手配

園児に渡す記念品の選定・手配をします。折りたたみ傘、リュック、ネーム入りの鉛筆など小学校にあがってから使うものを選ぶことが多いです。

これらの運営費の管理

具体的には、うちの園では春ごろに「卒対費用」として年長児の保護者から1人30,000円集めました。その中から上記すべての費用をまかなっています。

卒対の決め方は?

卒対委員にならないための対策は年少から?

幼稚園ママにとって卒対委員になるかならないかは大きな問題だと考える人もいます。幼稚園によってはママの負担が大きく、仕事と両立できないこともあるからです。

なので、入園時から「卒対委員をやらなくて済むように、クラスの係をやっておく」というママも多いです。一度「クラス役員」(クラスの代表役員)をすると年長時に卒対委員を辞退できる幼稚園が多いので、そのために年少・年中で役員をしておく人もいます。

希望者がいなければ、クジやジャンケンで…

年中の秋ごろから、だいたい「この人あたりが卒対かな」という空気や噂が流れ始めます。最近は、仕事している・してないはあまり考慮されないようです。「年少・年中でどんな係をしてきたか」をポイントに該当者が絞られて、クジやジャンケンで決まることが多いようです。

卒対委員に立候補してしまった!

気まずい空気に耐えられず、つい…

息子が年中だった去年の1月、卒対委員を決めるクラス会。私はこれまで仕事を理由に負担の少ない係をさせてもらっていたので、「卒対委員候補」になっているのはなんとなく感じていました。「では、卒対委員を決めようと思います。誰か希望者はいますか?」とクラス役員が言ったときの、ピンと張り詰めた空気は忘れられません。

挙手する人もおらず、気まずい沈黙が続きました。その空気に耐えられなかった私は、思わず手をあげました。クジやジャンケンに負けてネガティブな気持ちで引き受けるより、自分から前向きに委員になったほうが割り切れる、と考えたからです。正直、やってしまった…という気持ちもありましたが、やるからには楽しく活動しよう!と思い直しました。

初めての「卒対会議」

ちょうど今から1年前、年長5クラスから2名ずつ、計10名の卒対委員が集まった初回の「卒対会議」が行われました。さっそく委員長、副委員長、経理の3役を決めました(私は免れました)。「楽しく活動したい」という前向きなママもいれば、「いやで仕方ないけど、くじでなってしまった」というママもいるようでした。10名の委員の中、フルタイムで働いている委員が私を含めて4人いました。

その日のうちに、1年後の謝恩会の場所(ホテルの大広間)を予約。すでに1年後の予約が入っているホテルも多数あることに驚きました。もっと早く準備している幼稚園もあるということですね。

卒対活動をしてみて、考えたこと

委員長のカラーで決まる

卒対活動をするうえですごくラッキーだったのは、卒対委員長のYさんがとても前向きな人だったことです。「それぞれができることを、できる時に」といつもいってくれ、仕事を持っているメンバーのフォローをしてくれました。私は、週1回の「卒対会議」にも出られないので、Yさんが情報の共有をしてくれました。そのかわり、行事などでは年長児全員を撮影したり、稼働できる時に埋め合わせをさせてもらいました。

謝恩会前の1月と2月が繁忙期

謝恩会が近づくと卒対活動はピークを迎えます。週1回の会議に加え、家でやる作業も出てきます。私は、会議を欠席している分、家での作業はできるかぎり引き受けました。謝恩会で読む謝辞の原稿を書いたり、先生に贈るメッセージカードのデザインをしたり。「もうすぐ卒園だから今だけ」と考えると、作業も楽しい…かもしれません。

山場はやっぱり「謝恩会」

1年かけて準備する謝恩会。ホテルとの打ち合わせ・リハーサル、司会・進行、音響と照明、子どもたちの出し物の練習、当日流すスライドショーの撮影・編集から、先生たちの好きな曲のリサーチまで…。年が明けてから、卒対委員の活動は山場を迎えます。

私はふだん出席できない分、当日の司会をさせてもらうことなりました。毎日更新される謝恩会進行のエクセルシートを確認して、音楽のタイミングに合わせた発声や、言いまわしなどをチェックしながら夜な夜な練習に励んでいます。来月の本番に向けて緊張も高まっています。

卒対活動をふりかえって

よかったこと

正直、大変だな…と感じたこともあります。でも、委員長はじめ卒対委員たちと一緒にがんばった1年という時間は、終わりが近づいている今振り返ると、やっぱり楽しかったです。仲良くなって、幼稚園の外で一緒に仕事をするようになった人もいます。

それから、卒対委員という強制力のおかげで、日々の仕事や家事の合間をぬって幼稚園に行く時間を確保できたことはすごくよかったと思います。自分の子どもだけではなくたくさんの年長児と深く関わり、それぞれの子の成長を見られたことはとても貴重な経験でした。息子が「おかあさん、今日も幼稚園に来てたね」と喜んでくれることもうれしかったです。

苦労したこと

平日はどうしても仕事を優先するので卒対活動に参加できず、結局ほかの人に負担をかけてしまうことに対するうしろめたさをずっと感じた1年でした。最近、うちの幼稚園では18:30までの預かり保育を利用してフルタイムで働いているママも多いので「仕事だから仕方ない」はあまり通用しません。卒対活動は、仕事をしているママにとっては時間の調整が大きな課題になります。

子どもの「卒園」を近くで見守れる

幼稚園ママの中には「卒対はやりたいくない」「ちょっと興味がある」「やってみたい」…いろんな方がいるかと思いますが、まずは園の卒対活動がどんなものかを知ってみてはどうでしょうか。

活動を通して感じたことは、幼稚園生活のことがよくわかるので家での子どもとの会話が変わるということです。また、仕事でもプライベートの友達でもない新しい人との出会いは、ママにとって新しい世界につながるのではないでしょうか。そしてなにより、子どもにとって人生最初の節目である「卒園」を近くで見守れることは、今しかできない貴重な経験かもしれません。

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