親子で楽しむ夏のイベント「盆踊り」や「夏祭り」の意味や由来

親子で楽しむ夏のイベント「盆踊り」や「夏祭り」の意味や由来

夏は、地域によってさまざまなお祭りが開催され、大人も子どもも楽しみなイベントがたくさんありますよね。夏祭りや盆踊りが行われている本来の由来を知り、子どもにも伝えて家族でいっしょに夏をもっと楽しみませんか。

夏祭りに盆踊りをする理由

いよいよ本格的に夏が始まります。夏に、盆踊りや夏祭りに参加したことのある人もいるでしょう。

しかし、なぜ夏に盆踊りをするのか本当の意味を知っていますか……?

お盆について

まず、お盆がどのような日なのか知っていますか。亡くなった先祖や家族の霊を家に迎え、供養する行事です。

お盆は、8/13~16を指します。もともとは、旧暦の7/15に行われていましたが、現在は、8月に行うところと、新暦の7月に行うところがあり地域によって違います。


・7/13~15 東京・静岡

・8/13~15 南関東・西日本全般

・8/20前後 沖縄、奄美などの南西諸島の一部

盆踊りの起源

平安時代(794年~1185年)中期にさかのぼります。その時代に活躍していた僧侶の空也が人々に念仏を広めようとしたことが起源だとい言われています。

ひょうたんを手にもって叩きながら念仏に合わせて踊りを踊るようになり、「念仏踊り」として広く世の中に知られるようになりました。

念仏踊りが、やがて先祖を供養する盂蘭盆会(うらぼんえ・お盆のこと)と結びついて「盆踊り」になったと言われています。

どんな意味があるのか?

盆踊りの意味には、いくつかの考えがあると言われています。

まずお盆に戻ってきたご先祖様の霊を慰める意味があります。

ほかにも、お盆の供養で成仏できた死者が喜ぶ姿を表現したものという説があります。

地域によっては、にぎやかに唄ったり、踊ったりしてご先祖様を送り出す意味を込めて8月15日の夜から、盆明けである16日まで踊り続けるところもあるようです。

もう1つに、悪霊や亡者たちを踊りながら追い出す、お盆に踊って精霊たちを、踊りに誘いこんで送り出すという説もあります。

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現在の盆踊り

盆踊り

盆踊りは、お盆に帰ってきたご先祖様の霊を迎え送るための念仏踊りとして始まった宗教行事でした。誰でも参加ができ、ご先祖様への思いを馳せ供養するための踊りです。

はじめは、仏教的な意味合いから始まった盆踊りですが、ときがたつにつれて、民俗芸能として定着していき、江戸時代ころには、各地域の人々との交流の場になっていきました。  
             
現在は、地域によって夜店が出たり、町内や幼稚園、保育園でも行われているところも多いですよね。企業や地域の商店街などのイベントとして行われることも増えました。

ご先祖様を供養するというよりも、地域での交流が目的だったり、夏祭りのイベントのひとつになっていたりと、娯楽的な意味合いが強くなっているように感じます。

踊りながら、季節を味わい、日本文化に触れられることや初めてでも輪の中に入ると自然と体が動いて楽しめるのも魅力でしょう。秋田県の「西馬音内盆踊り」、「岐阜県の郡上八幡盆踊り」、「徳島県の阿波踊り」は、日本の三大盆踊りでもあります


西馬音内盆踊り

秋田県・羽後町 8/16~18開催する盆踊りで、編み笠、彦三頭巾、藍染め浴衣、端縫い衣装、履物を身につけて踊ります。

野性的な囃子に対して、優雅で流れるような美しい踊りの対照が西馬音内盆踊りの特徴です。


郡上八幡盆踊り

岐阜県・郡上市八幡町 7/8踊り発祥祭に始まり9/2踊り収めまで開催の日本一長い盆踊りです。

踊りの種類は全部で10種類。 種類が多いのも郡上踊りの特徴です。踊りに必要な衣装はなく、誰でも気軽に参加できるのが魅力のひとつです。


阿波踊り

徳島県・徳島市 毎年、8/12~15の4日間開催。阿波踊りは基本的に「連」と呼ばれるグループで行進する形の踊りで、踊りのスタイルは、自由奔放で豪快な「男踊り」と、華麗で集団の美しさを見せる「女踊り」の2種類があります。

鳴り物は、鉦(かね)・大太鼓・締太鼓・鼓(つづみ)・笛・三味線の6種類を使いますが、最近ではすべての鳴り物は使わず、鉦・太鼓・笛が中心となっているようです。

海外の盆踊り

中南米の「マツリ・ダンス」

ブラジルには、マツリ・ダンスというブラジル風に発展した盆踊りがあります。

日本のように、輪になって踊ることもあれば、その場で一斉に踊る場合もあり、J-popなどの曲に合わせて、全員で同じ振り付けを盆踊りのように繰り返して踊ります。


北米の「Bon Dance」

アメリカ合衆国のハワイ州やカリフォルニア州、ニューヨーク州など日系人の多い地域では、夏にBon Danceが行われています。

小さなお寺で行われることが多く、踊りは1時間から2時間の間に20曲くらいが流れ、同じ曲が繰り返されることはほとんどないようです。

宗教色はほとんどなく、特に、盛んな地域では前もって練習会を行っているところもあります。

夏祭りとは

由来

昔は、大きな疫病が流行ったり、災害が起こると「神様が怒っているからだ!」と考え、神様を盛大にもてなし、怒りを鎮め災いを吹き飛ばそうと祭りが行われました。

有名な京都の祇園祭りも疫病が流行ったことがはじまりです。疫病が流行ったのが夏だったため、夏に祭りが行われることが多いのです。


意味

もともとは、無病息災を願ったり、労働者を労うなどの意味があります。もう1つに、農作業に関する意味もあります。厳しい農作業の慰労の意味を込めて行っている地域もあります。また、台風や日照りなど農民を襲う天災を取り払う目的で夏祭りを行う地域もあります。

今年の夏は親子で盆踊りに参加しませんか

ちょうちん

夏祭りや盆踊りには、ご先祖様の霊との別れを惜しんだり、慰霊祭の意味を込めて行われたことがきっかけとなっていることが分かります。

家族みんなで、大事なお盆の締めくくりにご先祖様をしのんで、元気に過ごしていますというお礼の気持ちを盆踊りで表現してみてはいかがですか。

2017.07.27

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