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【小児科医監修】子どもの便秘の正しい解消法とすぐにできる便秘予防

【小児科医監修】子どもの便秘の正しい解消法とすぐにできる便秘予防

子どものうんちの回数や頻度は、子どもによってそれぞれです。「2日に1度ぐらいしかうんちが出ないけれど、便秘かな?」と心配なママもいるでしょう。今回は子どもの便秘に焦点をあてて、子どもの便秘の原因や、家でできる便秘解消法などを、鈴の木こどもクリニックの小児科専門医、鈴木博先生に聞いてみました。

鈴木博(小児科専門医)

子どもが便秘になる原因とは?

一般に子どもはうんちを排泄する力が大人に比べて弱いです。しかし便秘は子どもによってさまざまな原因で引き起こされます。

子どもの便秘は、ざっくりというと体の発育に関するもの、食べ物の変化に関連するもの、環境や精神的な因子によるものなどが挙げられます。いつの時期にどのような便秘になりやすいかを鈴木先生に教えてもらいました。

年齢別の便秘になりやすい原因

0歳~6歳児の便秘になりやすい原因をまとめてみました。個人差もありますが「最近便秘っぽいかも……」というママは、下の年齢の項目をチェックしてみてください。

生後0カ月~2カ月の便秘

母乳育児の場合、母乳が不足しているときに便秘になる傾向にあります。

生後4カ月〜5カ月の便秘

うんちとは本来、取った栄養の余剰分が便となって排出されるものです。生後4ヵ月~5カ月の赤ちゃんは、体が急激に発育するため、母乳やミルクが消化される際に余るものが少ないために便秘になる子もいます。

生後5カ月~10カ月(離乳食開始)の便秘

水分から固形の栄養に赤ちゃんの消化管が慣れるまでの間、食材が変化するため便秘になりやすいようです。

1歳〜2歳(トイレトレーニング時期)の便秘

トイレトレーニング
MIA Studio/Shutterstock.com

トイレトレーニングがきっかけで便秘になる子は少なくありません。親の声掛けやプレッシャー、排泄する場所(トイレ)の変化などの精神的な因子により便秘になることもあるようです。

幼児期(3歳~7歳)の便秘

集団行動が始まり、他の子どもとの関係やトイレの場所などにより、トイレに行きづらいと感じると便秘がちになる傾向があります。また、転園や引っ越しがきっかけで便秘がちになるケースもあるようです。

理想的な回数と便の状態

理想のうんちの回数を鈴木先生に聞いたところ、「特に決まりがない」ということです。

「うんちの回数は人により異なり、『1日〇回するのが理想』という基準はありません。逆にいうと『うちの子、便秘かも?』と思ったら、普段とうんちの回数と状態がどれくらい違うのかを確認することが大切です」(鈴木先生)。

鈴の木こどもクリニックを訪れるママのなかにも、「2日に1回しかうんちしない……」と、気にする人がいるそうですが、ふだんから2日に1回のペースなら、この排便間隔でOKということでした。

便秘のサイン

まだことばで上手にコミュニケーションするのが難しい小さい子どもの場合、便秘のサインはどのようにキャッチすればよいでしょうか。

いきむ

子どもが一生懸命いきみ、それでもうんちがでない場合は便秘の可能性が高いです。とくに小さい子はいきむ力が足りず便秘になるケースが見受けられます。

おならが多い

いつもよりおならが多いときも便秘かもしれません。なかなかうんちが出なくてガスが溜まっている状態です。「いつもよりおならが多いな」と感じたらよく様子をみましょう。

おなかが張る

お腹 パンパン
iStock.com/kwanchaichaiudom

ふだんの排便の回数よりも極端に少ない状態で、おなかが張っているときも便秘のサインのひとつです。「便秘かもしれない」と疑わしいときは、おなかをさわって確認しましょう。

食欲がない

熱や病気でもなさそうなのに、なぜか食欲がないときも便秘の可能性があります。腸に便が残っていると胃の中の食べ物が流れず、消化されないため食欲が落ちることがあります。おなかの張り具合とともに様子を見ましょう。

うんちに血がつく

便秘だとうんちが硬くなり、排便の際に肛門が切れてうんちに血がつくこともあります。

「便秘かな」とおもったときの解消法

ママが子どもの様子をみて「便秘かな」とおもったとき、解消法の1つに「浣腸」があります。使い方のポイントと、注意点を確認しておきましょう。

市販の浣腸

「市販の浣腸はくせになるから…」と、思っているママが多いかもしれません。

鈴木先生曰く「くせにはならないので大丈夫。2~3日排便がないくらいなら様子を見てもよいですが、1週間経っても出ない場合は、浣腸をしておなかのうんちを出すことが大切です。浣腸のほか、おなかの「の」の字マッサージ、こより、綿棒浣腸も有効なことがありますよ」

民間療法は基本NG

便秘の解消法で「キャラメル浣腸」という民間療法があるようです。方法としては、キャラメルを座薬のような形にし、子どものおしりに入れてその刺激で排便をさせる方法です。

鈴木先生に聞いてみたところ、「食べるキャラメルでも下剤として使う時点で『薬』です。もちろん副作用も考えなければなりません。たとえばキャラメルで浣腸して、子どもがミルクアレルギーや小麦粉のアレルギーがあった場合、ショックを起こす可能性があり、実際に報告されたケースもあります。薬でないものを『薬』として安易に使うのは、絶対にやめてください」。

世の中にはさまざまな民間療法が存在しますが、むやみに試す前に、必ずかかりつけ医に相談することが必要なようです。

便秘で病院へ行く目安は?

2〜3日排便がない状態で、子どもの様子がふだんと変わりがなければ、さしあたり心配する必要はありません。

しかし、それ以上便秘が続くようなら、一度かかりつけの小児科専門の先生に相談しましょう。「便秘で病院へ行くのは気がひける」と考えるママは多いようですが、便秘は子どもにとってつらいもの。「また病気の前兆のこともあります」(鈴木先生談)。

すぐできる便秘予防

子どもの便秘対策に、毎日の生活でできる予防法を紹介します。今日から簡単に取り入れられるので、ぜひトライしてみてください。

生活のリズムを整える

早起き 女の子
iStock.com/kwanchaichaiudom

便秘の予防には、生活のリズムを整えることがとても重要です。「決まった時間に食事や就寝すると、必然的に排泄の時間が整い、便秘予防につながります」と、鈴木先生。

便秘だけでなく、じょうぶな体づくりにも役立ちます。また厚生労働省の乳幼児を対象にした生活調査でも、早起きの子どもは毎日うんちが出ている割合が多い、という結果が報告されています。

出典:第2部(3)排便の状況/平成 27 年度 乳幼児栄養調査結果の概要 / 厚生労働省

味つけに麦芽糖を活用

麦芽糖は、麦芽とでんぷんを合わせて作った甘味料です。赤ちゃんの便秘薬にも含まれている成分で、ブドウ糖に分解されないことから、お通じがスムーズになり便秘が解消される可能性があります。

普段、白砂糖で味つけしているものを麦芽糖に代えてみるなど、料理に上手に取り入れてみるのもいいでしょう。

せんい質が多いものを積極的に

野菜嫌いの子どもは、どうしてもせんい質が不足する傾向にあります。

便秘解消のためにも、できる限りせんい質が多く取れるよう、食事メニューを工夫してみてください。

なかでも、おからはせんいも栄養も豊富な食べ物。ハンバーグやクッキーを作る際にまぜて「おからハンバーグ」や「おからクッキー」などにすれば、子どもも喜んで食べてくれそうですね。

楽しくおだやかに過ごす

便秘は精神的なストレスなども影響しやすい症状です。

小さな子どもは引っ越しや入園、入学など、生活環境が変わったことがきっかけで便秘になってしまうことも。「最近、新しい環境になった」という場合は、子どもの緊張をときほぐすよう、いつもよりこまめにコミュニケーションをとったり、子どもと寝る前に10分多くおしゃべりするなどしてあげてください。鈴木先生おすすめの「おなかの『の』の字マッサージ」をスキンシップとして行うのも、子どものストレスや便秘解消につながりそうですね。

子どもの便秘の解消法はきちんと選んで

リラックスする親子
takayuki/Shutterstock.com

子どもの便秘を心配するママが多い一方、子どもには「理想の排便回数」というのは特にありません。その子ども一人ひとりのふだんの生活のリズムやうんちの回数を把握しておくことが重要です。

いきみ、おなら、おなかの張りや食欲など便秘のサインをいち早くキャッチし、お家でできる便秘解消法を試してみましょう。日ごろから規則正しい生活や麦芽糖の利用やせんい質を積極的に摂ること、おだやかに過ごすことも子どもの便秘解消には大切です。それでも便が出なければ、かかりつけの先生に相談しましょう。

「便秘を解消する方法についての情報はいろいろあり、どれを選ぶか迷ってしまいますよね。そんなときは、気軽に小児科で相談してみてください。便秘の相談にのることは、小児科医の大事な仕事のひとつですから」と、鈴木先生。

子どもの便秘については、ママが1人で解消法についてあれこれ悩んでも答えは出ないかもしれません。相談しやすい小児科専門医を見つけて、いっしょに子どもにあった便秘解消法を見つけてくださいね。

監修:鈴木 博(鈴の木こどもクリニック クリニック長)

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鈴木 博(鈴の木こどもクリニック クリニック長)

埼玉医科大学卒業。大学病院NICU(新生児集中治療施設)に20年勤務の後、1998年に、東京都品川区に「鈴の木こどもクリニック」を開設。監修書に「赤ちゃんの病気・けが&トラブル救急箱」(学研)等。昭和大学医学部客員教授、小児科学会認定小児科専門医。「母と子どもの講演会」を毎年開催し、子育てのアドバイザーとしても活動。品川区議会議員としても子育て支援に活躍中。

2017年10月16日

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