赤ちゃんや子どもが中耳炎をくり返す理由をご存知でしょうか。赤ちゃんや子どもが中耳炎になりやすい原因と中耳炎の種類別の症状、治し方について解説します。また、中耳炎は自然治癒するのでしょうか。受診が必要な症状の見極めポイントもあわせてご紹介します。
子どもの耳管は、大人と比べて短く、傾斜がなく水平になっているため細菌が入りやすい構造になっています。
また、鼻をうまくかめない子は鼻水を吸いますが、鼻と耳はつながっているので鼻を通して鼻水が耳に伝わり、中耳炎にかかりやすくなります。
話せない赤ちゃんでも痛みを伴うので、泣き出したり、機嫌が悪くぐずったり、手で耳を触る回数が増えたときには急性中耳炎にかかっているかもしれません。
滲出性中耳炎は、痛みや発熱を伴わないことが多いので、子ども自身では症状に気づかず、なかなか発見できない場合があります。
子どものしゃべる声が大きくなったり、呼んでも気づかない、返事がないときや自然にテレビの音量を大きくしているなどの姿が見られたら注意が必要です。
耳垂れや難聴の症状が悪化すると、めまいや耳鳴り、頭痛などの症状が現れます。
中耳炎の種類によって治療の仕方が違います。種類別による中耳炎の治し方をご紹介します。
軽症の場合は、鼻やのどの治療を行い、痛み止めの薬で治すのが一般的です。
症状が進んでいる場合は、耳の奥の方まで炎症を起しているケースがあるので抗生物質が処方される場合がありますが、通常は薬の使用から数日~10日程度で治ります。
まず鼓膜を観察し、どの程度聞こえているのかを調べます。
飲み薬の内服治療で治らない場合は、鼓膜にチューブを入れて行う小手術やアデノイドが大きい場合には鼻の奥のアデノイドをとる手術で治す場合もあります。
治療期間は、5日~1ヶ月程度かかることが多く、症状が長引くと完治するまでに1ヶ月くらいかかることがあります。
外耳道をきれいにしてから、点耳薬の投与すると耳垂れを止めることができます。
しかし慢性中耳炎は、鼓膜に穴があいている状態なので風邪を繰り返したり、耳に水が入ると再発する可能性があります。
薬の治療で改善が見られず、症状が悪化する場合は抗菌薬の使用や手術になることもあります。
赤ちゃんや子どもは耳の構造や鼻を上手にかめないことから中耳炎にかかりやすく、治ったと思ってもまた繰り返すことがあるでしょう。
「急性中耳炎」「滲出中耳炎」「慢性中耳炎」と中耳炎にも種類があり、原因や症状はそれぞれで変わってきます。
「急性中耳炎」と「滲出性中耳炎」は自然治癒する場合もあるので、子どもが中耳炎かもしれないと思っても焦らず、まずは子どもの症状をしっかり把握しましょう。
中耳炎の種類によって処方薬や治療の仕方もかわってくるため、完治させるためには適切な治療が大事です。
三塚沙希(エムズクリニック白金)
エムズクリニック白金 院長。
わかりやすく、丁寧な診察を心がけ、お子様からお年寄りまで安心してかかれるクリニックを目指している。
2018年12月28日
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