タレント、歌手として大活躍のつるの剛士さん。二男三女の父親であり、2度の育児休業をとったことでも話題になりました。そんなつるのさんに育休中のこと、仕事と育児の両立、夫婦関係について......たくさん語ってもらいました。インタビューの様子を2度にわたって連載します!
「家のことはぜんぶ俺がやるから。今日から水場まわりには立たないで」。これは、2度目の育休でつるのさんが奥さんにかけた言葉。こんなことを言われたことがある女性はどれぐらいいるのでしょうか。そもそも、夫が実際に育休を取るなんて、現実的には難しい......。
それを実行したつるの剛士さんが、子育てや仕事、夫婦関係をどう考えているのか知りたい!読者を代表して、キズナ編集部がつるのさんにインタビューしてきました。
聞き手:
キズナ編集部ライター(30代)
2人の息子(幼稚園)の育児中
―今日はよろしくお願いします!さっそくですが、育休を取ったことが話題になっていましたね。
つるの剛士さん(以下、つるの):6年前に初めて育休を取ったときはまだイクメンっていう言葉もなくて僕がイクメン代表みたいに言われたけど......本当は「イクメン」っていう言葉はそんなに好きじゃないんです。(*編集部注:これについては次回インタビューで詳しく書きます)
でもせっかくたくさんの方たちにそう言ってもらえたので、2度目の今回はあえて「イクメンやってます!」って感じで、5人目の子どもの出産前後に育休を取りました。
―ブログで「#まずママが築いた城をパパ色に再構築」っていうのを見かけたのですが、どういうことですか?
つるの:最初の育休で気づいたんですけど、家のこととかってママのやり方、システムができあがってるんですよね。だから今回は「絶対に水場まわりに立たなくていいから」って妻に伝えました。出産前後の妻にはとにかく子どもの面倒だけみてもらうことにして、とにかく僕がそのシステムをつくるところからぜんぶやるつもりで。
―うらやましすぎます......!本格的ですね。実際にどうやって「再構築」したんですか?
つるの:料理、洗濯、そうじ......家のことすべて、例えばお皿や鍋の入れ方ひとつとっても、妻のやり方ができあがっている。まずは僕がそれをぜんぶ把握して、自分のやりやすいように変える、ということをしました。
でも、やっぱりね、いちばんシステマティックなんですよ、ママの城は。ちょっとお皿をちがうとこに置いただけで引き出しががちゃがちゃ鳴ったりして(笑)やっぱりよくできてるなあって思いました。ママの城はすごいですよ。
―実際に家のことに関わっているつるのさんは、育児と仕事の決定的なちがいってなんだと思いますか?
つるの:ちがいはいろいろありますけど、いちばん感じたのは「消化不良感」です。家にいると時間に追われてて「美容室行きたい」っていう目標すら達成できませんよね。この消化不良な感じ。世の中の女性のみなさんがしんどいのもきっとこれなんじゃないかなって。
それに気づいたときに「このことをたくさんの人に知ってもらわないといけない!」って思いました。ありがたいことに、発信することが僕の仕事でもあるから。ちょっとでもママたちのガス抜きをしてあげたいし、男性にもこれを知ってもらいたい。
つるの:あとね、ブログにも書いたんですけど、夕飯作って弁当作って朝ごはん作って、毎日ごはんを作ってると、人が作ったものが食べたくなるんですよ。その壁にぶちあたって。あーランチ行きてーって(笑)
―わかります!それ、完全に主婦の考えですよ(一同笑い)
つるの:はい、すっかり(笑)で、ランチ行きてーって思った瞬間に、世の中のママたちの気持ちがわかりました。本当はちょっと「なんでママたちはランチばっかり行きたがるんだろう?」って思ってたけど、井戸端会議とかも今ならすごく理解できる。
―つるのさんも井戸端会議に参加されたんですか?
つるの:子どもの送迎のときに会うママたちに混ぜてもらいました(笑)僕のエプロン姿を見てママたちも「つるのさん、がんばってるー?」って声かけてくれるから、「今日誰とも会ってないんすよ」とかママたちに話きいてもらうだけですごく息抜きになりましたね。
人と会って人の温度を感じる。他愛のないことだけど、それがどれほどありがたいことかって、日々感じました。あっというまに1日がすぎていくし、ずっとエプロンも外さず、ヘアスタイルもそのまんま、というか鏡見る必要性もない(笑)
―ブログにも「#家の中が基準になっていく」って書いてあったんですけど、つるのさんは視野がせまくならないようになにかしてましたか?
つるの:ふつうにテレビみたり。でもそのおかげで、育休を経験してからちょっとヒルナンデス(注:つるのさんのレギュラー番組です)のスタンス変わりました。もっと声張ろうって。育児と家事で忙しくて、唯一休憩できるこの時間にテレビを見ているママたちのために。
あとはやたらインスタとかあげてましたね。人の評価が欲しいんですよ。だって誰もほめてくれないんだもん、僕が作った弁当。けっこうがんばって作ってるから「おいしい」ってほめてもらいたいんですよね。
―つるのさん流の楽しい子育てをインスタでも拝見してます。「株式会社きょとん」は本当にかわいくて、癒されてます。
つるの:最初は冗談ではじめたんですよ。あの赤ちゃんがどっしり座ってる感じって、かわいいじゃないですか。それで「株式会社きょとん」とかでタグうって、インスタグラム上の想像の会社ということにしたら、ものすごい数の方たちにフォローしてもらって。
―いろんな「きょとん」から赤ちゃんの日々の成長を感じられて楽しいです。うちの子にもこんな時期あったなって、ちょっと切なくなったり。
つるの:そんな感想をいただけるとうれしいです。「株式会社きょとん」の話をするのは、これが初めてなんです。ママ同士の、あ、僕はパパですが、団結感というか、たとえばミルクあげてるときって至福の時間で、なんだか「みんなつながってるよね」っていう感じがする。でも、1歳をすぎたらこの時間もなくなっちゃう。今だけなんです。
―赤ちゃんのほっぺのにおいとか、大きくなると変わっちゃいますよね。
つるの:ほんと、今だけのキャンペーン期間中ですよ!ちょっと前のインスタとか見ててもなつかしくなって、泣けてくる。はかない時間です。僕それを同じように5人経験してるんで、しかも今の子は6年ぶりの赤ちゃんで、上の子たちも面倒みてくれるからちょっと楽だし、もう、ほんのり孫感覚ですよ(笑)
―つるのさんは多忙な中でお子さんとの時間もすごく大事にされていて、時間の使い方が上手なんだなって思います。
つるの:子どもがいると自分の時間ってなかなかないですよね。僕は移動の1時間半が唯一の自分のことを考える時間。新聞読んだりニュースを見たり、ブログやインスタを更新したりね。
今は上の子どもたちは忙しいけど、末っ子(5人目の赤ちゃん)はいるから、妻と3人でランチに行ったりするんですけど、これは本当に至福の時間。忙しければ忙しいほど、時間の質が高まったような気がします。
―最後に、ママであるキズナ読者に向けて、メッセージをもらえたらうれしいです。
つるの:もっとテキトーでいいと思います。僕は、自分の両親を子育てのお手本にしているんですが、僕自身ガリガリしつけされた覚えはなくて、なにより、両親はとても仲が良かった。もちろん苦労や夫婦喧嘩も見てきましたけど、いつもすごく楽しそうでしたね。
だからやっぱり、基本は夫婦だと思ってます。子どもの前でお互いの悪口は言わないでほしい。うちももし子どもたちが妻のことをちょっとでも悪く言ってたらそれだけは許しません。「パパの大切な人だからそういうのやめて」って、ちゃんと伝えます。
家族を大事にしているつるのさんの言葉は、心に深く響きました。日々の積み重ねの中にしあわせがあるということに、改めて気づかされたような気がします。また、仕事と育児のバランスについて大きなヒントがもらえたような気がしました。
次回は、気になる夫婦関係についてたっぷり語ってもらいます。お楽しみに!(11月10日掲載)
第2回目のインタビューはこちら
2016年11月09日
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