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つるの剛士さん、どうしてそんなに愛妻家なんですか?【特別インタビュー第2回】
タレント、歌手として大活躍のつるの剛士さん。二男三女の父親であり、2度の育児休業をとったことでも話題になりました。そんなつるのさんは自身の奥さまのことを「子どもが生まれるたびにどんどん素敵になっていく」といいます。今回は夫婦関係についてお話をうかがいました!
うちの奥さん素敵だなって思います
家庭での、パパの温度を保つ
つるの剛士(以下、つるの):ある日、家族でレストランに行ったんです。そのときに子どもたちが「パパ、お先にいただきます」っていってて。なんだ?って思ったんですけど、僕がいないときにそうやっていただきますをするように妻が子どもたちに伝えていたんです。それが癖になっていてそれを耳にして、すごく嬉しかった。奥さんのそういうとこ、ほんとに素敵だなあって思う。
で、思い返したら、僕も同じことをしてたなって。うちの父親は銀行員で、忙しくてあまり家にいなかったから、そうするように母親にいわれてたんです。これってすごく大事なこと。家にいない父親の空気や存在感が、ちゃんと家庭にあるということですよね。
―たしかに、家庭でのパパの存在感をつくることは大切ですね。
つるの:パパがお仕事がんばってくれているからごはん食べれるんだよ、って、ママから伝えてあげてください。家庭でのパパの温度を保ってあげてください。そうすることで、ふだんいなくても家庭としてしっかり成り立つんじゃないかな。
あとはパパが帰ってきたときに夫婦間でコミュニケーションをとるのも大事。いろんなこと話しましょう。
「いい母ちゃんになるな」
―つるのさんちは本当に夫婦仲良しですよね。なにか秘訣ってありますか?
つるの:お互いに努力してることかなぁ。あとは感謝の気持ち。それだけあれば大丈夫。うちの奥さんはね、すごくクリエイティブで前向き。子育てを理由にうしろ向きにならないんですよ。そういうところは、第一印象から変わってません。
―奥さまとはどうやって出会ったんですか?
つるの:ある番組で、スタイリストとして顔合わせしたのが最初です。レザージャケットの襟立てて、固いシステム手帳抱えてて、眼鏡かけて、ロングスカートに足元は赤いパンプス。わーかっこいい!って思いました。そして、「この人いい母ちゃんになるな」って瞬時に感じました。
「この人と結婚する」って0.3秒で
―第一印象で決まってたんですね。
つるの:そうなんですよ、もう「この人と結婚する」って0.3秒でバーンって決めました(笑)。もらった名刺見て、即電話して食事に誘って。そのあと飲みに行っていろんな話して、この人やっぱりいいいなって確信しました。ドライでかっこいいですよ。どんどん興味が高まってきちゃって、酔った勢いもあって「好きになっちゃったんですけど」って伝えたら、「はあ?」みたいな反応でした(笑)
―それ、出会った初日の話ですよね(笑)
つるの:そうですよ。それからずっとメールしても反応薄くて、3ヶ月ぐらいねばったけど、さすが「もうだめかな」って思ってメールやめた瞬間に......連絡きました(笑)。チャーンス!ってすぐに誘って、原宿でピーチティー飲みながら「つきあってください」っていいました。それからすぐプロポーズして、1年後には子どもが生まれました。
子どもが生まれるたびに、魅力的になる
―今でも奥さまとデートとかするんですか?
つるの:デート、しますよ。子どもたちがいない昼間に、おいしいお寿司屋さんとかでね。デート中は、子どもの話とか、ネタは尽きません。ふたりでかわいいかわいいって言い合ってます。ふたりでいるだけですごく楽しいんです。そのあいだ、しゃっちょさん(5人目の赤ちゃん)は鎮座してますが(笑)
―しゃっちょさんいいですね(笑)。子どもができて夫婦の会話がなくなったとかよくききますが、つるのさんちはどうですか?
つるの:うちは逆なんです。だって、子どもできてから奥さんどんどん素敵になっていくんだもん。ぼくがそういうフェチなのかな(笑)。今だって、ぼくが仕事ででかけてる間に、5人も子どもを育ててくれてるんですよ?それで文句もいわない。そんな人います?ああ今、この話してたら、ますますうちの奥さん素敵だなって感じます(笑)
奥さんがぴしっとしてる時がエロいんです(笑)
―ラブラブですね~!どんなときに奥さまのこと素敵って感じるんですか?
つるの:いつも素敵なんですよ。でも、子どもの参観日とかでスーツ着たときの奥さんエロいんです。ぴしっとしてて。あ、僕フェチですね(笑)。
出会ったときよりも今の奥さんが好き。だからこそ、僕もふられないようにがんばらなきゃって思います。奥さんが、子どもが生まれるたびにバージョンアップしてるから、僕も追いつかないとって。
― 結婚してても「ふられたくない」って思えるって、大事ですね。
つるの:いつも僕のことも尊敬していてほしいんです。だから僕も、いろんなことに挑戦して、それが趣味や遊びで終わらないように、そこからなにかをクリエイトしようって、常に考えて、それを実行してます。サーフィンもそうだし、将棋や登山や畑、ぜんぶそうでした。もしかしたら、育休もそうかも。新しいなにかをクリエイトしていくためのもの。
この記事も、できれば男性に読んでもらいたい
―ではどうしたら、一般の男性が育休を取るほどに子育てにモチベーションを感じられるようになると思いますか?
つるの:うーん。僕は「育児」っていうよりまずは「夫婦」だと思う。「夫婦」をすっとばして育児は無理。「イクメン」っていう言葉はあまり好きじゃないのは、この言葉がひとり歩きしてるような気がするからなんです。なんか順番逆だなって。上手にオムツ交換できるから、料理が得意だからイクメンなんじゃない。夫婦がちゃんとバランスとれて初めて、「育児」につながると考えてます。
―たしかに「育児」ってちょっと強い言葉というか、子どもを育てることがいちばん、みたいなイメージがありますね。
つるの:極端な話かもしれませんが、夫婦が仲良ければ子どもは勝手に育つと思ってます。家庭に、女性以外に「家のことを理解している大人」がもうひとりいたら、育児はもっとやりやすい。だから、男性がもし料理とか子どもの世話をできなくても、女性の気持ちを理解してあげられたら、めちゃめちゃいいと思うんですよ。だからこの記事も、本当は男性に読んでもらいたいんです。
「育児休業」は「家庭研修」
―だからこそ、つるのさんは発信し続けるんですね。
つるの:育休終わったときに書いたブログは、すごくたくさんの方から反響をいただいて......そこで世のママたちのストレスに気づきました。そのとき思ったのが、パパたちはそれをどう見てるんだろう、どうやったら伝わるかなあって。家の中でママが機嫌よかったらパパもきもちよく仕事できますよね。
―実際に育児休業を経験した、つるのさんならではの言葉ですね。
つるの:でも、その「育児休業」という言葉もちょっとちがうなあーって感じるんです。「育児休業」じゃなくて、そうだなあ、「家庭研修」かな。子どもだけじゃなくて、奥さんのためにも、男性が家庭で研修するようなイメージ。家庭のことを知れる貴重な機会だから、真剣にやってほしい。楽しい思い出づくりとかではないですよ。すごく大変なことですから。
子どもはいずれ「社会に戻す」
―そういう意味では、子育てって、本当にいろんな発見がありますよね。
つるの:そうですね、子どもに教えてもらうことってすごく多い。大人は、子どもに「親にしてもらう」んだと思う。子どものほうが新しいものを運んできてくれるし、いろいろ勉強になりますよ。僕は、子どもたちよりちょっと先に生まれただけ、っていう感覚でいます。親だからこうじゃないといけないって、あまり考えていません。
―子育てに関する情報はたくさんあるけれど、それぐらいシンプルでいいのかもしれませんね。
つるの:子どもたちがなにをやってるときがいちばん心踊っているか、ということだけは、親としてちゃんと知っておきたいです。うちは5人いるので、それぞれ全員が本当に好きなことをわかってあげられる親でいたい。
そして、子どもはいずれ社会に戻してあげなくちゃっていう感覚があります。そこで役割を果たす人になるために育てている。そのあとに残るのは、やっぱり夫婦ですよね。家族のはじまりも終わりも夫婦です。
あなたにとって、キズナとは?
―最後に、つるのさんにとって、大切な人とのキズナってなんですか?
つるの:やっぱり、信じることかな。「信頼」です。それがすべて。心配することはカンタンだけど、信頼するとすごく楽になります。「まあ、大丈夫でしょ」って信じてもらって僕も育ちましたから。心配ばっかりしてると、塀が高くなってしまうけど、信頼することで塀は低くなる。子どもだって大人だってそうです。そうやって家族の絆をつくっていくんだと思ってます。
取材を終えて
仕事、子育て、遊び......どれに対しても真剣に取り組むつるのさん。そのまっすぐな眼差しは、クリエイティブで前向きなパワーにあふれていました。さっそく今日から仕事や子育てにそのスタンスを取り入れてみたい!と素直に感じた取材でした。
つるの剛士さん、本当にありがとうございました!
第1回目のインタビューはこちら