教育熱心はどこまで?
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不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただくお悩み相談コーナー。今回は丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄先生が、「子どもへの性教育をどうすればよいか分からない」というお悩みに答えます。
まず、このくらいの年齢の未就学男児が性器を触ったり、性器の名前を口にしたりして喜ぶのはごく普通のことです。むしろ大人になっても言っている人は多いですよね。
そのうえで、これらの行為は「やめさせなければいけないことか」というと、そんなことはありません。
ただし、「時と場所を選ばなければいけない」ことと、その理由をしっかり教えましょう。
また、単に「恥ずかしいからやめなさい!」とだけ言う方が多いと思いますが、親自身が恥ずかしいという思いからやめさせると、性に対し、タブー感だけが残ってしまうため逆効果です。
性にまつわることに子どもが疑問に感じたときが、家庭での性教育の始め時。たとえば、
「外で家族以外人の目のがある場所では、“おちんちん”“おっぱい”といった自分や人のプライベートゾーンに関することは大きな声で言わないほうがいいよ。
プライベートゾーンは人に触らせたり見せたり、人のを触ったりする場所じゃないから、お外で言うと『見せて』『触らせて』と言ってくる人がいるかもしれないよ」
と伝えます。
そうすることで万が一性被害に遭ったら気が付くことができ、大人に伝えることができて自分の体を守ることにつながります。
子どもが性に興味を持つことや、それを言葉にすること、触ることを否定するのではなく、「自分の体を守るためにも、自分の家や自分の部屋といったプライベートな場所で、きれいな手で触ろうね」と伝えれば、3歳でも分かってくれます。
大人は恥ずかしがらず、科学的知識や絵本にのっとり、淡々と話をすることで、「性の話をすることは普通のこと」という認識を子どもにもってもらうことができます。
次に、「異性親が何歳まで子どもと一緒に入浴するか」という問題ですが、日本では異性の親と平均9歳くらいまで入浴しているというデータがあります。「9歳」という年齢を早いと思うか遅いと思うかは人それぞれですが、世界ではそもそも浴槽にお湯をはる入浴文化がないため、異性親と一緒に入ること自体が異様な光景のようです。
わが家の話をすると、5歳の息子はまだ1人では洗えないため、私も夫も一緒に入りますが、娘は7、8歳くらいからパパのほうが遠慮して一緒に入らなくなりました。
「10歳過ぎても子どものほうが親と一緒に入りたがる場合、突き放すのはちょっと…」という方もいますが、もしもアンダーヘアが生えてきてからでは、お互い気恥ずかしさもあるでしょう。
もちろん「〇歳まで」「アンダーヘアが生えてくるまで」といった明確な決まりがあるわけではないため、それぞれ家族間で話し合い、みんなの気持ちを優先して決めればよいことです。
未就学の間は一緒に入っているご家庭も多く、まだ悩む必要はそれほどないと思いますが、相談者さんはお子さんはかなり小さいのに気にしていらっしゃるので、もし違和感を感じているのであれば、同性の親と入る頻度を多くするなどして、徐々に移行してもよいのではないでしょうか。
Profile
2021年10月19日
入園当初にコロナ禍となりリアルイベントが少なかった園児たちが、卒園を迎えるシーズンとなりました。園児たちのかけがえのない思い出を作りたいという想いから、”チャレンジダンスプロジェクト”が始動。子どもたちが「卒園ダンス」に取り組む様子から、てぃ先生に子どもの成長を促進するコミュニケーションを教えていただきます。コナミスポーツクラブの全面協力のもと、ダンス未経験の園児たちが一生懸命取り組み、イベント当日を目指す様子を密着取材しました。
3歳になった息子は自分の体に興味を持ち始めたのか、家の中にいるときだけではなく、家の外でも「お股いじり」をしたり、性器の名称を楽し気に連呼したりするように。
おおらかな気持ちで見守りたいと思いつつ、外ではとにかくやめさせたい気持ちが先走り、つい「ダメ!」「やめようね!」と言ってしまいます。どのように子どもに声をかければよいのでしょうか。
また、私は3歳の息子と、夫は1歳の娘と一緒にお風呂に入ることが多いのですが、異性親との入浴はいつまでにすべきかも悩んでいます。性教育のために、今のうちから同性の親とお風呂に入るようにした方がよいでしょうか。