赤ちゃんへの授乳中にココアを飲んでいいのか、気になるママもいるようです。そこで今回の記事では、ココアの成分、特にカフェイン量や、乳腺炎との関係などについて調べてみました。
授乳中のママは赤ちゃんへの影響を考えて、食べ物や飲み物が気になることがあるのではないうでしょうか。その中でもカフェインはコーヒーやお茶に含まれるので控えるべきということはよく耳にしますが、ココアに関しては控えるかどうか迷うというママもいるようです。
ココアといってもさまざまな種類があるのでどのココアかにもよりますが、一般的にココアには多くのカフェインは含まれていないといわれています。しかし、ココアの純度の高さに比例してカフェイン量も増えるので、飲みすぎには気をつけましょう。
ココアを牛乳で作る場合、乳製品の摂取しすぎることによる乳腺炎が気になるママもいるようです。乳腺炎とは乳管から細菌に感染して乳腺が炎症を起こすことで発症し、授乳期に起こりやすいといわれています。
実際には、乳製品をとることで乳腺炎になりやすいという事実はないという考えが最近は主流です。動物性脂肪が多く含まれる母乳は脂肪の固まりを作りやすく、乳腺を詰まらせやすいと考えられてきましたが、実際には根拠はないようです。
ココアの原料であるカカオ豆は、カカオの木の果実内の種子です。カカオ豆を発酵、乾燥させて除皮したものを「カカオニブ」といいますが、カカオニブを焙煎して磨砕したものから脂肪分を取り除き、細かく粉砕したものがココアパウダーです。
ココアに含まれる成分はたんぱく質、脂質、糖質、食物繊維、カカオポリフェノールなどで、嗜好飲料の中でも比較的栄養価が高いといわれています。ほろ苦さの元はテオブロミンという成分で、自律神経を調整してリラックスさせるカフェインのような効果もあるようです。
ココアとコーヒー、お茶のカップ1杯(150ml)中のカフェイン量を比較してみます。
【コーヒー】
ドリップコーヒー 80-120mg
インスタントコーヒー 50-60mg
【紅茶】
60-80mg
【緑茶】
玉露 240mg
煎茶 30mg
番茶 15mg
ほうじ茶 40mg
【ウーロン茶】
50mg
【ココア】
20mg程度
確認していただくとわかるように、ココアのカフェイン量はコーヒーや紅茶に比べると少なめです。
内閣府の「食品安全委員会」の資料によると、授乳中のカフェインに関して2015年にカフェインの安全性に関する科学的意見書を公表している欧州食品安全機関(EFSA)には以下のように記載されています。
ココアのカフェイン量からすると、カフェインの過剰摂取より、ココアを作るときの糖質や乳製品(牛乳)の量を気にしたほうがいいのかもしれません。
最後に、授乳中のママたちがココアを飲むときに気をつけていたことについて話を聞いてみました。
ココアは比較的栄養価が高い嗜好飲料といわれており、カフェイン量もそこまで多くないので、適量なら授乳中に飲んでも心配はなさそうです。
ただ、飲みすぎや加糖のしすぎなどには気をつけましょう。市販のココアは種類によって成分が異なるので確認したほうがよさそうです。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
2021年10月15日
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