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妊婦中期に仕事を休む理由の伝え方。妊娠中、職場に上手く伝えるコツやママたちの体験談
妊娠中期に仕事を休む伝え方に悩んでいる方もいるかもしれません。しかし、妊娠中に無理をすると、腰痛や腹痛が悪化して休職せざるを得ないほど体調が悪化してしまった方もいるようです。そこで今回の記事では、本当は働きたい、でも辛い、そんなとき、どのように休む理由を伝えれば職場の人たちの理解を得やすいのか考えてみました。
妊娠中期とは
まずは、妊娠中期がどのような時期なのか、知っておきたい情報と気をつけることを、ママたちの体験談をもとにまとめました。
妊娠中期はいつからいつまで?
妊娠16~27週までを妊娠中期と呼びます。ママたちの体験談からは、つわりが治まって体調が安定した、胎動としておなかの赤ちゃんの動きが感じられたなどの声が聞かれ、ホッとひと息つきやすい時期でもあるのかもしれません。
一方で、おなかが大きくなってくきてしんどくなったという声もあり、さまざまな症状が出はじめる時期でもあるようです。
妊娠中期の特徴と気をつけること
「つわりがなくなると食事がおいしく食べられるようになり、急に体重が増加したことを覚えています。赤ちゃんのために、栄養バランスのとれた、和食中心の食事を心がけるようにしていました」(パート/2児のママ)
「妊娠5ヶ月の戌の日に、さらしの腹帯を巻いて、安産祈願をしに行きました。ゆったりとした服装を心がけ、妊娠線のケアも本格的にスタートさせた時期でした」(総合職/2児のママ)
「はっきりと胎動を感じるようになり、おなかの赤ちゃんの位置がなんとなくわかるようになりました。おなかが大きくなると体のバランスを崩しやすくなるので、思わぬ転倒に注意しました」(事務職/1児のママ)
「妊婦検診時、必ず貧血気味で引っかかっていました。1人目のときも2人目のときも貧血のための内服薬を処方されていました」(事務職/2児のママ)
このように、妊娠中期はつわりがおさまり、過ごしやすい日が増えてくる一方で、体重の増加や妊娠線のケア、貧血気味など、ママの体にもさまざまな変化が起こりやすい時期といえるかもしれません。
妊娠中に仕事を休むのがつらいとき
そんな体の変化にうまく対処できるよう工夫しているママたちですが、妊娠中期に仕事を休むのがつらいと感じることもあるでしょう。ママたちがどのようなことを考えていたのか聞いてみました。
自分だけが休みがち
「たまたま同僚と同じタイミングで妊娠が発覚。同僚はつわりがほとんどないようでしたが、私はつわりがひどく、仕事を休みがちに。ほとんど同じ週数なのに、毎日仕事を頑張る同僚と比較して、自分はなんなんだろうと罪悪感に駆られる日々でした。上司は”気にすることない”と声をかけてくれましたが、休んだ翌日に出社すると人手不足で大変だったであろう痕跡があちこちに。本当は出社したいのに、と休むのが本当に辛かったです」(販売職/2児のママ)
取引先とのやりとりに悩む日々
「職場は妊婦に対しての理解はあったものの、担当している顧客によっては簡単に仕事を休むわけにはいきませんでした。重要な顧客の担当を任されていると、先方とのやりとりも難しく、社内的なプレッシャーもあったため、他の人に仕事をお願いすることもできず。そんななかどうしても体調が悪く仕事を休むとなると、顧客にも職場のみんなにも迷惑をかけてしまうため、休んでいる間も心が休まらなかったです」(営業職/1児のママ)
産休・育休中の不安
「出産に際して産休と育休を取得する予定でしたが、育児休業給付金を計算する際、育休開始前6ヶ月間の賃金を180日で割った賃金日額を採用すると知ったので、仕事が休みづらくなりました。つわりがつらくどうしようもなくなったときに、傷病手当金の存在を知り、育休手当が少なくなっても、傷病手当金がもらえるならと、思い切って休職することにしました」(事務職/1児のママ)
本当は仕事を休みたくない、周りに迷惑をかけたくない、という思いと、コントロールできない妊娠による体調不良との間で板挟みになり、辛い思いをする妊婦さんが多いようです。
妊娠への理解が少ない職場であったり、仕事上でかかわるお客さんからの理解が得られない場合は、どんなに体調が悪くても無理をしてしまいがちですよね。
たとえ仕事を休んでも、心が休まらない状態が続いてはなかなか体調も回復しづらいでしょう。また、妊娠中は仕事で無理をし続けると予期せぬトラブルが起こることもあるので、注意が必要かもしれません。体験談にもあるように、休むことで利用できる制度もあるようなので、できるだけ不安を取り除いて、穏やかなマタニティライフが送れるよう心がけましょう。
無理をするとどうなる?
ドクターストップがかかった
「気難しいお客様の担当をしていたため、辛くても休むわけにはいかずストレスを感じながら無理をして仕事をしていました。妊娠5カ月のとき、お腹の痛みが取れず急いで病院に行くと”流産の危険がある”ということで即ドクターストップ。まずは1週間絶対安静、それでも体調が良くならず次は1カ月安静、という日々が続き、結果的にそのまま産休(休職)に入りました。今になってみると、お腹の子を危険にさらしてまで無理をする必要はなかったと、我が子に申し訳ない気持ちです」(営業職/1児のママ)
自分で自分を追い込む結果に
「繁忙期で社内全体が忙しく、毎日自分を奮い立たせ、お腹が張っていても残業をしていました。とはいえ以前のようなペースで仕事ができない自分にイライラ。気がつくと休日もずっと仕事のことで頭がいっぱいになり、常に気が立っている状態に。ある日夫に”お腹の子をいちばんに考えよう”と言われ、はっとしました。翌週上司に相談して出勤時間を短くしてもらうことになりましたが、誰かに指摘されたわけでもないのに、なぜあんなに自分のこと追い込んでいたのかと後悔してます。限られた妊娠期間をもっと大切に過ごすべきでした」(事務職/1児のママ)
通勤電車で予期せぬ事態に
「毎日の通勤電車は満員で座ることができず、ずっと立ちっぱなしの状態が続いていました。つわりも落ち着いてきた頃で油断もあったかもしれませんが、ある日、帰りの満員電車で急に体調が悪くなり、途中下車をせざるを得なくなりました。赤ちゃんはもちろん、自分のためにも妊娠中は無理はできないと思い知りました」(事務職/1児のママ)
妊娠は病気ではないとはいえ、ときに人の命にかかわる重大な体調の変化をもたらします。なかには、外回りの仕事で気分が悪いときも電車で立ちっぱなしになってしまい、無理をした結果、途中で気分が悪くなり、その日の仕事を遂行できなかったという声もありました。
どんなに仕事を頑張りたくても、周囲に指摘される前に、自分の意思で仕事を休む勇気も必要なのかもしれませんね。
休む理由をうまく伝えるコツ
仕事を頑張る妊婦さんにとって、休みが頻繁に続く場合や、繁忙期に仕事を休む場合などは、休む理由をどのように会社に伝えるかは悩ましい問題でしょう。
自身の心境や体調をきちんと職場の人たちに理解してもらうには、どのように伝えたらよいのでしょうか?
正直に現在の症状を伝える
重いつわりや腰痛などが続く場合、”同じ理由では何度も会社を休みづらい”と思ってしまう妊婦さんもいるのではないでしょうか。
「会社の方たちに悪いな」とか「甘えたくない」という気持ちも分かりますが、無理をしたり妊娠による体調不良が続く場合は、正直に現状を伝え、周囲の理解を仰ぎましょう。ママのなかには、つわりの症状がどの程度重いのかをきちんと説明し、赤ちゃんを守れるのは自分だけだと言い聞かせて、思い切って休みたいと会社に伝えたという声もありました。
母性健康管理指導事項連絡カードを利用する
母性健康管理指導事項連絡カードとは、働く妊婦さんが医師などから通勤緩和などの指導を受けた場合、その指導内容を客観的に会社に伝えられるようにするカードです。
企業は労働基準法により、妊婦本人からの申し出があった場合は妊婦に対して業務緩和などの措置を取らなければなりません。自身で妊娠による体調の変化をうまく職場に伝えられない場合は、母性健康管理指導事項連絡カードを利用するようにしましょう。実際に母性健康管理指導事項連絡カードを利用したママのなかには、ラッシュアワーの混雑を避けた時間帯で出勤できるといった通勤緩和がなされたとの声もありました。
なかには、会社側から母性健康管理指導事項連絡カードの提出を求められる場合もあるようなので、事前にこのような決まりがあることを知っておくと安心かもしれません。
労働基準法における母性保護規定を活用する
働く女性の母性健康管理措置として、労働基準法における母性保護規定が定められています。これには、産前・産後休業に関することだけでなく、たとえば、妊婦の軽易業務転換(法第65条第3項)といって、妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければならないなどといったことも定められています。
自分の業務面において、妊娠中不都合なことがある場合は、このように自分の権利をはっきり伝えることも大切かもしれません。
数字などを用いて具体的に説明する
職場に妊娠の知識がある人が少ないような場合は、数字などを用いて具体的な説明をすると理解が得やすくなるかもしれません。
例えば「妊娠2~3カ月の間は一般的につわりが重いケースが多く、現在2カ月です」など、妊娠の知識と自身の現状を掛け合わせて説明してみると、「つわりが酷い」という一言よりも説得力がありますね。受診した際に、医師から診断書をもらい、つわりや貧血を表す数値を会社側に伝えた方もいました。
感謝の意を伝えることを忘れずに
仕事を休むということに対し、多くの妊婦さんは「申し訳ない」という気持ちばかりが大きくなってしまいがち。しかし、謝罪だけでなく、自身の仕事をフォローしてくれる周囲の人々への感謝の意を伝えることも重要と意識を変えてみてはいかがでしょうか。
「ご迷惑おかけして申し訳ありません。皆さんのお陰で本当に助かっています」など、感謝の言葉を述べるだけで相手が受け取る印象も変わってくるかもしれません。
自分を責めなくて大丈夫
今回の記事では、妊娠中期に仕事を休む理由の伝え方について、さまざまなママたちの体験談をご紹介しました。
妊娠による体調不良で仕事を休みがちになると、自身を責めてしまう妊婦の方も多いことでしょう。仕事を頑張るのはとても素晴らしいことですが、まずはお腹の赤ちゃんを守ることを最優先に、上手に周囲からの理解を得ながら、無理のない範囲で仕事を頑張れるとよいですね。
※記事内で使用している参照に関する内容は、2024年9月27日時点の情報となります。