【産婦人科医監修】妊活の病院はいつから?通院のタイミングと選び方

【産婦人科医監修】妊活の病院はいつから?通院のタイミングと選び方

2020.07.10

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浅田義正

浅田義正

医療法人浅田レディースクリニック理事長

日本でも有数の体外受精成功率を誇り、愛知・東京でクリニック展開する「医療法人浅田レディースクリニック」の理事長を務める。海外での体外受精研究実績を持ち、顕微授精の第一人者。妊娠という“結果”を重視した「浅田式」不妊治療を行っている。

妊活のために病院で検査を受けるタイミングはいつがよいのでしょうか。いざ病院に行こうと思っても、妊活の病院選びについて悩むことがあるかもしれません。この記事では、いつから病院に行ったらよいのかや、妊活の病院選びのポイント、女性と男性それぞれ病院でどのような検査を行なうのかなどをご紹介します。

妊活で病院に行くのはいつから?

妊活を意識し始めると、病院に行くタイミングについて悩むことがあるかもしれません。

中には、情報収集や生活習慣の見直し、基礎体温の計測など自分たちでできる妊活から取り組み始めている人もいるでしょう。いつから病院で検査を受けたほうがよいのか気になることもありますよね。

いざ病院に行こうと思っても、病院の選び方について迷ってしまうこともあるかもしれません。病院でどのような検査をするのか、事前に知っておきたい人もいるでしょう。

妊活の病院デビューのタイミングや、病院選びのポイント、病院での検査内容について詳しく見ていきましょう。

妊活の病院デビューのタイミング

不妊治療
iStock.com/Pornpak Khunatorn

子どもを望む夫婦が、避妊をしていないにもかかわらず一定期間妊娠に至らないことを「不妊」と呼びます。WHO(世界保健機構)の定義によると、「1年間の不妊期間」をもつことを不妊症としています。

出典:Sexual and reproductive health/World Health Organization

不妊にはさまざまな原因がありますが、年齢も大きな要因です。

厚生労働省の資料によると、30歳で不妊治療をして妊娠する確率は19.9%、35歳で16.3%、40歳で7.7%、45歳では急激に減って0.6%というデータからわかるように、妊活において年齢は重要になってきます。

また、年齢が上がるにつれて妊娠したときの母体と胎児のリスクについても上昇する傾向があります。

出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等の あり方に関する検討会」/厚生労働省

妊活を意識しはじめたら、なるべく早く病院で検査をして不妊の原因を特定し、それに応じた治療や対策を進めることが大切です。

妊活を始めて病院に行く時期に早すぎるということはないため、妊活に取り組み始めて1年未満であっても、病院で相談してみてもよいでしょう。

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妊活の病院選びのポイント

どのような基準で病院を選べばよいのか悩む場合もあるかもしれません。病院選びポイントをお伝えします。


通院のしやすさ

妊活の病院選びにおいて、女性は月経周期に合わせ頻繁に通院する必要があるため、通いやすさは大切なポイントです。

女性の場合、不妊検査だけでも3~6回ほどの通院が必要となります。

排卵日に合わせて性交渉のタイミングを指導される「タイミング法」や「人工受精」では2~3回の通院、「体外受精」にステップアップするとさらに通院の頻度が増えます。厚生労働省の資料によると、体外受精では診察時間1回あたり1〜2時間程度の通院が4日〜10日に加え、診察時間1回あたり半日〜1日程度の通院が2日ほど必要になります。

出典:仕事と不妊治療の 両立支援のために/厚生労働省

病院の方針が自分たちに合うか

治療はタイミング法、人工受精、体外受精の順で進められることが一般的とされています。

検査の進め方や、ステップアップのタイミングは病院の方針によりさまざまです。年齢や体の状態によってステップを飛ばす場合や、次のステップに進むまでに半年~2年など期間もさまざまです。

そのほか、費用、薬の種類や量、カウンセリングの進め方、が自分たちに合うか事前に調査してから通う病院を決めましょう。複数の病院で悩んだ場合は、それぞれの病院でカウンセリングを受けて総合的に判断するとよさそうです。


治療実績

時間と費用をかけ妊活に取り組むのであれば、少しでも妊娠する確率が高いほうがよいですよね。

病院選びでは、その病院の不妊治療の件数や成功実績も併せて確認するとよいでしょう。ホームページなどで治療実績を公開している病院も増えています。

病院での検査内容

不妊治療
iStock.com/mbz-photodesign

病院ではどのような検査をするのでしょうか。男女別に不妊検査の内容を見てみましょう。


女性

女性は月経周期に合わせて行なう検査がほとんどです。厚生労働省の資料によると、年齢や体の状態によって通院回数には幅がありますが、ひと通りの検査を終えるまでに3~6回ほど病院に通うのが一般的とされています。

出典:仕事と不妊治療の 両立支援のために/厚生労働省


ホルモン検査では、排卵機能や卵巣機能の状態、着床を促すホルモンや子宮内膜を厚くするためのホルモンの値、排卵日の予測などを行ないます。

超音波検査では、子宮の大きさや形、卵巣の形を確認し、子宮内膜症や子宮筋腫の有無、子宮内膜の厚さを調べます。

造影剤を子宮内から卵管へ流し込む子宮卵管造影検査では、子宮内の状態と卵管の通りを見る検査です。

そのほか、精子との適合性を確認するフーナーテストを行なったり、特殊な検査を行なう場合もあります。

一連の検査や治療を始める前に感染症のスクリーニング検査を、病院の方針として推奨されることもあります。


男性

男性は精子検査により、精子の数、質、運動率、奇形率などを検査します。1週間弱の禁欲期間後に病院で検査をするか、自宅で採取後すぐに病院に持ち込むことも可能な場合があります。

検査結果によって必要がある場合には泌尿器科的な検査を行なうケースもあります。

男性は時期に関わらず、いつでも検査ができるほか、精子検査は半日ほどで終わります。

妊活は早めのタイミングでの病院デビューが大切

不妊治療
iStock.com/deng qiufeng

妊活を始めると、いつから病院で検査をするとよいのか悩むことがあるかもしれません。

妊活のために病院に通院しはじめるのは、妊娠の確率を上げるために早いほうがよいでしょう。年齢が上がるにつれ妊孕(にんよう)率(妊娠のしやすさ)が下がってしまうため、特に年齢の高い夫婦は妊活を意識しはじめたら、なるべく早く病院で相談してみましょう。

病院選びは、通いやすさや、病院の方針が自分たちに合うかを確認することが大切です。

不妊治療を行うには、産婦人科以外に不妊専門のクリニックを受診する選択肢もあります。専門クリニックのメリットは、不妊治療を熟知した経験豊富なスタッフがそろっているほか、先進の設備も整っているところでしょう。

夫婦で話し合ったうえで取り組みについて検討できるとよいですね。


監修: 浅田義正(浅田レディースクリニック院長)

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浅田義正

日本でも有数の体外受精成功率を誇り、愛知・東京でクリニック展開する「医療法人浅田レディースクリニック」の理事長を務める。海外での体外受精研究実績を持ち、顕微授精の第一人者。妊娠という“結果”を重視した「浅田式」不妊治療を行っている。

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