【産婦人科医監修】妊娠27週目(妊娠7ヶ月)のママと赤ちゃんの様子

【産婦人科医監修】妊娠27週目(妊娠7ヶ月)のママと赤ちゃんの様子

健診時や体重管理の注意点

2019.07.06

Profile

杉山太朗

杉山太朗

田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

妊娠7ヶ月である妊娠27週目は、一般的に安定期といわれています。赤ちゃんの身長が一気にのび、五感が育つ時期でお腹の上からでも胎動が感じられるほど成長しています。妊婦さんの体調や、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。

妊娠週数27週目とはどんな時期?

妊娠27週は週数でいうと、妊娠7ヶ月の4週目

妊娠7ヶ月は、一般的に安定期といわれています。妊娠27週目は安定期の妊娠中期、最後の週です。

妊娠27週目の妊婦さんの特徴

安定期とよばれる妊娠7ヶ月の妊娠27週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。


体調

子宮が大きくなり、お腹のなかの赤ちゃんにたくさんの血液を送るため、体内の血液量が増加します。それに加えて、子宮が大きくなることで静脈が圧迫されるので、すねなどに静脈瘤ができてしまうことがあります。静脈瘤は、自然に治ることが多いですが、できるだけ身体に負担をかけずに過ごすようにしましょう。

妊娠中は体内の酸素が増えて、二酸化炭素のバランスが崩れるためたびたび過呼吸を起こす人もいます。血液が赤ちゃんに優先的に送られるため、貧血気味になる妊婦さんも多いようです。また、この時期は、ママの身体が感染症や腟炎になるのを防ごうとするためにおりものの量が増えます


お腹の大きさ

妊娠27週ころは、1ヶ月で体重がぐんと増える妊婦さんも珍しくないようです。お腹が一気に大きくなるので、妊婦さんによってはお腹の張りを急激に感じることもあるようです。


妊娠27週目の妊婦さんの身体

妊婦さんの身体
violetblue/Shutterstock.com

赤ちゃんの身体にもどんどん脂肪がつき、体重が一気に増加することがあります。外からほかの人がお腹を触っても胎動を感じられるようになります。妊娠27週目には、早い人だと前駆陣痛を感じる人もいるようです。しかし、前駆陣痛は陣痛が起こっているわけではないので心配せずに身体を休めるようにしてください。

ホルモンの関係で、むくみが激しくなる時期です。さらにバストが大きくなり、乳頭が黒くなって、乳輪も大きくなります。これは、赤ちゃんが乳首を見つけやすくするためなので必要なことです。


妊娠27週目の赤ちゃん

妊娠27週の赤ちゃんの身長は、38㎝程度です。体重も一気に増えて、平均的に900gをこえます。顔や身体にどんどん脂肪がついてきて、皮膚が分厚くなります。この時期は、赤ちゃんの五感がより鋭くなって、まぶたをしっかりとあけるようになります。まぶたがあくため、明るい、暗いの区別ができるようになってきます。

また、食欲や睡眠欲、体温管理、喜怒哀楽の表現などができるようになり、赤ちゃんは自分の動きに意思を持って行うようになります。4Dエコーで見ると、赤ちゃんの表情も見られるかもしれません。妊娠27週は、超音波(エコー)検査で性別もはっきりわかる人が増えます。


身体の形

赤ちゃんの身長は一気に成長し、体重も増えます。顔や体に肉がつき、よりふっくら赤ちゃんらしい姿に近づきます。

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妊娠27週目のうちにやっておきたいこと

妊娠糖尿病検査

妊娠24~28週の間に糖尿病検査を行い、妊娠糖尿病になっていないかを調べる検査が推奨されています。妊婦さんの2~5%は妊娠糖尿病になるといわれていますが、高血糖は出産後におさまることがほとんどです。

しかし妊娠糖尿病は、妊娠経過や出産、赤ちゃんにリスクを伴うことがあるため注意が必要です。


産休準備

働いているママは、妊娠27週ころになったら仕事の引継ぎなどを行い、スムーズに産休を取れる準備をしましょう。

臨月に入るころから産休を取るのが一般的ですが、無理は禁物です。有給休暇の残り日数と照らしあわせて、いつ頃から休みが取れるか目星をつけておくことが大切です。

また、仕事中は冷え対策をとったり、適度に休憩をとることが大事です。


こむら返り対策

足をマッサージする女性
© Aleksej - Fotolia

ホルモンバランスが崩れたり、お腹が大きくなることで骨盤が緩んできたり、足の血管が圧迫されるため妊娠27週目の時期は「こむら返り」が起こりやすくなります。「こむら返り」とは、ふくらはぎがけいれんした状態です。

日中でも寝ている間でも関係なく起こりますが、通常は数分以内におさまることがほとんどです。「こむら返り」を起こしたら座り込まず、ゆっくり歩くことでストレッチになり、おさまるかもしれません。それでもおさまらない場合は、軽く患部をマッサージしたり、カルシウムを積極的に摂るようにしましょう。


寝るときはシムスの体勢

妊娠27週になるとお腹がだいぶ大きくなるので、仰向けに寝ることが苦しくなります。仰向け寝が苦しいときには、シムスの体勢がおすすめです。シムスの体勢は、片足を曲げてうつぶせ気味に横になる状態です。

シムスの体勢は、妊婦さんがリラックスできて楽に寝られる体勢といわれています。マタニティグッズの抱き枕を足に挟んで寝るとシムスの体勢がとりやすいかもしれません。

妊娠27週目の妊婦さんが注意すること

むくみがひどいときには

妊娠27週は、むくみを激しく感じる妊婦さんも増えるようです。特に手足のむくみを感じやすくなるようですが、むくみが出る場所には個人差があります。

むくみは、妊娠によるホルモンの分泌が関係しているので、水分をこまめにとっても治らないことがあります。赤ちゃんの成長のためと割り切ったり、むくみがひどいときには横になったり、マッサージをしたり、足にクッションを挟んで寝るなどの工夫が必要です。

仕事をしているママは、立ち仕事はなるべく控え、適度に座って休む時間を作ったり、足を温めると少し楽になるかもしれませんよ。無理は禁物ですが適度に身体を動かすことも大切です。ウォーキングやマタニティヨガなどできる範囲で行ってみるのもよいでしょう。


規則正しい生活

妊娠27週の赤ちゃんは、光の強弱を感じ取り、明るい、暗いの区別ができるようになります。

夜になると、眠気をもたらすメラトニンというホルモンが分泌されるので昼と夜を区別しています。赤ちゃんが混乱しないように日中は光を浴びて、夜は早めに電気を消して寝るなどママも規則正しい生活を心がけるようにしましょう。


感染症に注意

妊娠中はおりものが多くなりますが、おりものが多くなるとカンジタ腟炎などの感染症にかかる可能性があります。

おりものが多いときには、通気性のよい下着を身につけたり、おりものシートを活用するなどなるべく気持ちよく過ごせるように工夫することが大切です。感染症は、産後赤ちゃんに感染したり、発達に影響することがあるので、いつもと違う症状があるときにはかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。早めの治療、対策が重要です。

身体を大切に規則正しい生活を心がけて

ベッドに座る妊婦
iStock.com/imacoconut

妊娠27週目は、お腹のなかの赤ちゃんが急速に大きくなり、お腹の上から触っても胎動を感じられるようになります。赤ちゃんの成長が感じられて、生まれてくる赤ちゃんに会えるのがより楽しみになってくるでしょう。

安定期と呼ばれる妊娠7ヶ月の妊娠27週ですが、その反面、お腹の張りやむくみを激しく感じやすくなったり身体のトラブルも起こる時期です。足を温めたり、マッサージをしたり、なるべく楽な姿勢で休むなどの配慮が大切です。仕事を続けているママは、産休を取る準備をするのにも適した時期でしょう。

赤ちゃんも昼夜の区別がついたり、自分の感情で動くようになるので、ママ自身も規則正しい生活を心がけたり、ストレスをためずに過ごしましょう。


監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

Profile

杉山太朗

杉山太朗

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

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