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【産婦人科医監修】臨月の運転はいつまでしてよいのか
1回あたりの運転時間の目安や注意点
Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
臨月の運転は妊婦さんにとってリスクが多くあります。日常生活で車を使っている場合、いつまで運転してよいのか、運転する場合の時間の目安など臨月で運転する際の注意点などを医学博士、産婦人科医師である田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
臨月とは
臨月は出産予定の月で、お腹もだいぶ大きくなり、いつ陣痛や破水が起こって出産になってもおかしくない時期です。
臨月はいつまで運転してもよいのか
臨月になったら運転をしてはいけないという決まりはありませんが、臨月の妊婦さんが運転をすることには危険が伴います。
専門家も臨月に運転することについて以下のように言っています。
“
もうやめておくほうがいいですよ。とっさのときの動作に問題が生じることもあります。また、自分が注意していても、追突されることもあります(これは結構あることです)。何かあったときは、大事に至る可能性も低くないですし、運転はやめていただくほうがいいですよ
出典: AskDoctors
臨月の妊婦さんはなぜ、運転を控えるべきなのか具体的な理由をみていきましょう。
臨月に運転を控えた方がよい理由
身体に負担がかかる
同じ姿勢で運転席に座って運転することは妊婦さんにとって腰や身体に負担がかかります。渋滞に巻き込まれるとストレスを感じたり、運転中に予想をしていない状況が起こることもあります。
緊張しながら運転することが妊婦さんの血圧や心拍数を上げたり、子宮収縮につながるため身体への負担が大きくなります。
注意力が散漫になる
妊娠後期になるとお腹が大きくなり、膀胱が圧迫されて頻尿になります。
また、眠気を抑える女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が増えるため、夜に目が冴えて眠りが浅くなり、日中に眠気を強く感じる妊婦さんは多いようです。
運転中に激しい尿意や眠気に襲われて注意が散漫になる場合があるため、臨月の運転は危険です。
いつ陣痛や破水が起こるかわからない
臨月はいつ赤ちゃんが産まれてもおかしくない時期なので運転中に突然、陣痛や破水する可能性があります。
運転中に陣痛や破水が起こると、運転している場所や状況によってはすぐに対応できない場合もあります。
事故に巻き込まれる可能性がある
運転する妊婦さんがどんなに注意をしていても、周りのドライバーが衝突してきたり、事故に巻き込まれる可能性はゼロではありません。
臨月に運転する場合、1回の運転時間の目安
以上のような理由から臨月のときは運転を控えた方がよいですが、電車の本数が少ない場合や、病院まで距離があったり、送り迎えをしてくれる人がいないなど、どうしてもママが自分で運転をしなくてはならない状況もあるかもしれません。
その場合、1時間を超えるときには必ず間に休憩を入れて長時間の運転は控えましょう。30分に1回休憩をいれてもよいかもしれません。
運転する前には、医師にどのくらいの時間運転するのかを伝えて相談しておくとよいでしょう。
臨月で運転する際の注意点
やむを得ず臨月に運転するときには以下のことに気をつけましょう。
無理をしない
お腹に張りや痛みを感じたときは、これから陣痛が起こる前触れかもしれません。
また、眠気や疲れを感じるときは判断力が鈍るため、事故につながるケースもあるので運転を控えましょう。
長時間運転しない
長時間の運転は、緊張状態が続いたり、同じ姿勢で長時間座ることになるため身体に大きな負担がかかります。臨月の運転は30分程度を目安にするとよいでしょう。
高速道路は避ける
高速道路はスピードが出ているので、急に止まることも難しく、危険が増えます。
高速道路で渋滞に巻き込まれて陣痛や破水が起こるとすぐに対応もできないため高速道路の運転は避けましょう。
持ち物は万全に
万が一、運転中に陣痛や破水が起きた場合、そのまま病院に向かえるように母子手帳と診察券、健康保険証は必ず携帯することが大事です。
万が一破水が起こったときに腟内にばい菌が入らないように清潔なタオルとナプキンも忘れずに持ち歩きましょう。
マタニティシートベルトを着用する
道路交通法では、シートベルトの着用がやむを得ず難しい場合、シートベルトの着用の義務が除外されます。
しかし、シートベルトをつけることで、妊婦さんが事故に遭遇したときに妊婦さんと赤ちゃんの死亡率を下げることができます。
シートベルトの腰ベルトは恥骨の上を通らせて、お腹の上を横切らないように工夫して着用するとお腹が圧迫されにくくなります。
マタニティシートベルトならお腹の圧迫感や不快感がより軽減できるかもしれません。
身体の負担が大きい臨月の運転はできるだけ避けましょう
臨月はいつ赤ちゃんが産まれてきてもよい時期です。
臨月に運転してはいけないという決まりはありませんが、同じ姿勢で運転することや緊張感を持って運転することで妊婦さんの身体も神経も大きな負担がかかります。運転中に陣痛や破水が起こることもあるかもしれません。事故に巻き込まれる危険性もあるため臨月の運転は控えた方がよいです。
妊婦さんがどうしても運転しないといけない状況のときには、出産に必要なものの準備をして、高速道路や長時間運転は避けることが重要です。また、どのくらいの時間運転できるのかを医師と相談しましょう。
お腹の張りや眠気を感じたり、体調が少しでもいつもと違うときには無理しないことが大事です。
Profile
杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
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