和田秀樹「不幸な老後を過ごす人には共通点がある」…元首相ですら克服できない"若いころの記憶"の正体

和田秀樹「不幸な老後を過ごす人には共通点がある」…元首相ですら克服できない"若いころの記憶"の正体

老後を幸せに過ごすためには、どんなことに気を付ければいいのか。医師の和田秀樹さんは「若い頃の後悔を引きずり続けないほうがいい。老後になっても受験や就活の失敗を悔やむ人は少ない。考えても解決しないことは忘れ、“今ある幸せ”に目を向けることが大切だ」という――。(第2回) ※本稿は、和田秀樹『医師しか知らない 死の直前の後悔』(小学館新書)の一部を再編集したものです。

ネガティブな出来事のほうが記憶に残りやすい

高齢者からよく聞く後悔には、「もっと挑戦しておけばよかった」とか「失敗を恐れずに踏み出していればよかった」などの「やらなかった後悔」が多いのですが、その一方でもう少し若い世代には、過去の失敗を引きずって苦しみ続けている人もいます。

「あのとき、あんな失敗さえしなければ、自分の人生は違っていたかもしれない」

そんなふうに過去の選択を何年も悔やみ続け、気に病んでしまう人がいるのです。実際にそれが不眠やうつ症状につながっているケースもありますし、最悪の場合、死を選んでしまう人もいます。

たとえば、若いころに仕事で大きな失敗をして会社に迷惑をかけてしまった経験が何年経っても心のなかに残っていて、ちょっとした場面でも「また失敗するかもしれない」と不安になってしまうという人の声もたくさん聞いてきました。

しかし、そもそも人間の脳というのは、新しい体験をすることでそれまでに記憶されたことが上書きされていく仕組みになっていると考えられています。そうでなければ、膨大な量の情報を抱えたまま、日常生活を送ることは難しいでしょう。

ですから、理屈からいえば、どんな経験でも新しい刺激や出来事に触れていくうちに、だんだん思い出すことも減っていくものです。ある程度のことは時間とともに忘れられるからこそ、人間は精神のバランスを保って生きていけると言ってもいいかもしれません。

ただ、なかにはどうしても、過去の辛つらい記憶や嫌な体験をうまく手放すことができず、ずっと引きずってしまう人がいます。なぜかというと、人間は楽しいことよりもネガティブなことのほうが記憶に残りやすいからです。

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