だったら独身でいればいい…「低収入&受け継ぐ財産ゼロ」の江戸の庶民が貫いたツラさを面白さに変える生き方
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「家庭を築いて当たり前」というのが過去のものとなっている現在。ひとりを楽しむ暮らし、ライフスタイルを満喫する向きも多いが、反面、将来への不安もまた多い。有識故実家の髙山宗東さんは「年金も低く、仕事のペイも安く、金利さえゼロ。そんな時代を生き抜こうとする時、江戸の庶民の生き方が参考になる……それは独り身でいることだ」という――。
江戸都市生活者に学ぶ「老後をひとりで生きる」知恵
年金も低く、仕事のペイも安く、金利さえゼロ。
そんな時代を生き抜こうとする時、江戸の庶民の生き方が実はとても参考になる。
江戸の庶民の生き方の知恵……それは、独り身でいること。
家族を持つから、家や、車や、財産や、社会的なステイタスが欲しくなる。そこを諦めてしまえば、辛さが逆に面白味になる――こともある。
男性の生涯未婚率が31.9%、女性は23.3%(2024年度統計)。さらに3組に1組は離婚する今の時代、もはや、ひとりで生きていくことは普通なことではないか。
少し以前の世の中では、「家庭を持って暮らすことが、あたり前」と思われていた。しかし、それがあたり前になったのは意外に新しいことで、実は明治時代以降のこと。
江戸時代には、家庭を持って暮らすのは、武家や農家、財産のある商人など、特定の人びとに限られていた。都市に住み、ごく普通に暮らす庶民の男女の多くが、ひとりで暮らし、そしてひとりで死んでいったことは、意外と知られていない。





























