布団から出たくない季節がきた…世界の研究が導きだした「スヌーズ連発グセ」が一発でおさまるシンプルな方法
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朝、目が覚めても布団の中でだらだらすごす癖を直す方法はないか。著述家のニルス・ソルツゲバーさんは、「100以上の研究が導き出した理想的な行動の達成率を2倍以上にする方法がある」という――。 ※本稿は、ニルス・ソルツゲバー著、弓場隆訳『科学的根拠で 先延ばしグセをなくす』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
先延ばし防止に有効な「実行意図」
思いどおりに行動するよう自分をプログラムできたら、すばらしいと思わないか?
行動の合図を書くだけで自動的にその合図に従うようにできたら、あるいは翌日の行動を計画できたら、すばらしいと思わないか?
幸いなことに、「実行意図」というテクニックを使えば、まさにそれをすることができる。
実行意図とは、未来における特定の状況でどのように行動するかをあらかじめ決めておく「If-Thenプランニング」とのことだ。それは「Aという状況が起きたら、Bという行動をする」という図式になる。
つまり、「合図(Aという状況が起きたら)」と「望んでいる行動(Bという行為をする)」を結びつけるのだ。
If-Thenプランニングの具体例
具体例を紹介しよう。
「目が覚めたら、すぐにベッドから出る」
「食事が終わったら、すぐに食器を洗ってキッチンをきれいにする」
こんなふうに、未来においてどんな行動をするかをあらかじめ決めておくのだ。
そうすれば、冷静かつ理性的に決定をくだし、行動に移すことができる。
「Aという状況が起きたら、どうしたいか?」「Aという状況が起きたら、どう行動をとるのが最適か?」「Aをやり終えたら、何をしたいか?」と自分に問いかければいいのだ。
実行意図は単純すぎて本当に効果があるのか疑問に思うかもしれないが、私たちの行動パターンを好転させるうえで最も効果があると、現代心理学で証明されている手法のひとつである。
この記事では、実行意図がなぜ効果的かを説明し、その効果に関する科学的な研究を紹介しよう。そして最後に、私の例をもとにして実行意図の作成をお手伝いする。
実行意図は達成率を2倍以上に押し上げる
信じられないかもしれないが、実行意図が人びとの行動を変えるのに効果的であることは、100以上もの研究で証明されている。
ある研究では、クリスマス休暇前の学生たちに、休暇をどのように過ごしたかについて調査する実験に参加したいかどうか尋ねた。
実験の参加に同意した学生たちは、クリスマスをどうやって過ごしたかについて作文を書いて、クリスマスから2日以内にそれを提出するよう指示された。さらに参加者の半数には、いつどこで作文を書くかを決めることが求められた。
言い換えると、前者は実行意図を使うよう指示されたのだ。
その結果は明らかだった。いつどこで作文を書くかをあらかじめ決められていた学生たちの71%が、クリスマスから2日以内に作文を提出した。実行意図を使わなかった学生たちの提出率は32%だった。
この差について考えてみよう。実行意図の計画を立てるために少しの時間を使うだけで、学生たちの提出率は2倍以上に上がったのだ。





























