書き出すだけでは先延ばしは止まらない…達成率「80%vs.0%」を分けたToDoリスト作成後のシンプル習慣

書き出すだけでは先延ばしは止まらない…達成率「80%vs.0%」を分けたToDoリスト作成後のシンプル習慣

始業時間になったのに、必要のないメールチェックをしてダラダラと過ごしてしまうことはないだろうか。著述家のニルス・ソルツゲバーさんは「ダラダラ過ごしてしまったという不快感が、次の先延ばしを生んで悪循環になる。簡単な予定表をつくっておくだけで、ネガティブな感情は生まれにくくなり、生産的な1日につながる」という――。 ※本稿は、ニルス・ソルツゲバー著、弓場隆訳『科学的根拠で 先延ばしグセをなくす』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

時間管理術がうまくいかない理由

一部の人は「先延ばしグセは主に時間管理の問題だ」と主張する。

だが、そういう人たちの言うことを聞いてはいけない。

先延ばしグセは「時間管理」の問題だけではなく、「感情管理」の問題でもあるからだ。それがどういう意味か具体的に説明しよう。

私はかつて、時間管理の観点だけから1日の計画を立てていた。

たとえば、朝のルーティンを実行してから仕事をして、少し散歩をしては、また働いて昼食を摂る、というように私の理想にもとづく1日の計画を立てていた。

しかし、その計画はうまくいかなかった。たいていの場合、自分が理想とする計画を立てるだけでは、それを実行する気になれなかったのだ。

私は朝のルーティンを実行したかった。その日にやるべき重要な仕事に取りかかりたかった。そのあとで散歩にも出かけたかった。

ところが、それらをする気になれなかった。それはなぜか?

心理的な抵抗(なんらかの課題にともなうネガティブな感情)があまりにも大きくて、やるべきことをすべて先延ばしにしまったのだ。

計画は感情面を考慮に入れて

つまり、先延ばしは時間管理の問題だけではなく、感情管理にも関係する問題なのだ。そのため、心理的抵抗を乗り越えるという感情面を考慮に入れた計画と、それに従った実行が必要となる。

私がやるべきことを先延ばしにしたのは、ネガティブな感情を管理できなかったからで、単に時間管理が下手だったからではない。

たとえこの世で最高の時間管理のスキルを実践しても、それだけではやっかいな先延ばしグセに苦しめられるだろう。

とはいえ、すぐれた時間管理術は先延ばしグセの克服に役立つことは確かだ。

時間管理だけでは先延ばしを克服するための解決策にはならないが、欠かせないツールでもある。

そこで、3つの基本的な時間管理術について説明しよう。

それらを理解して身につければ、生産性が飛躍的に向上する。

「時間管理」の魔法がはじまる時

時間管理の第1のルールは、「予定に組み入れればやり遂げられるが、予定に入れなければやり遂げられない」である。

今日か明日、あるいは少し先の期日までにやるべきことがあるとしよう。

たいていの場合、それらはメモに書きとめているか、頭のなかにあるだろう。

このように、やるべきことのリストを持つのはすばらしいことだ。

だが、それは最初の一歩にすぎない。それだけでなく、リストにあることをいつ実行するかという予定を具体的にしたときにはじめて、本物の魔法がはじまる。

つまり、リストにあることを予定表に組み入れない限り、それは現実にはならない。単なるアイデアであり、実行できるかもしれないことにすぎないのだ。

だが、予定を立てた瞬間、現実になりはじめる。

わたしが先延ばしにしがちなことは、散髪に行くことだ。髪の毛が伸びたから早く行く必要があるという思いが何日間も頭のなかを駆けめぐるが、行かない。予定表に書きこむまで、私はさまざまな言い訳をして先延ばしにするのだ。

「今日はやることがいっぱいだから、別のことを優先しよう」「天気がいいから、戸外で何かをしよう」「そんなに伸びていないから、もう1週間待とう」と思っていても、いったん予定表に書きこめば、行動の邪魔をしているこれらの言い訳を排除できる。

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2025.12.13

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