「あえて泣ける映画を観る」のは正解だった…感情のコントロールがうまい人がやっている悲しみへの対処法
怒りは6秒がピークだが、悲しみはなかなか消えない
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深い悲しみから立ち直るにはどうすればいいのか。精神科医の藤野智哉さんは「感情を自分でコントロールできている感覚があると不安は和らぐ。意識的に涙を流す『涙活』は有効かもしれない」という――。 ※本稿は、藤野智哉『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。
悲しみから目をそらすためのルーティンを決めておく
怒りは6秒をピークに徐々に薄らいでいきますが、悲しみはもう少し長いスパンで続くものなので、なかなか消えないかもしれません。
悲しみを早く消したいなら、いくつか方法があります。
まず一つは「ディストラクション」。その感情から無関係の物事へと注意をそらそうという考え方です。
「考えたくないな」と思った時点で、もうそこに意識が向いてしまっているわけなので、ネガティブなことが頭に浮かんできたとき、ほかに考える話題ややることを事前に決めておくのです。ハワイで過ごしている自分を想像する、掃除をするなど、注意を移していくことは気分の回復によい影響があるといわれています。
もう一つは「認知的再評価」で、悲しみの原因に新しい意味を見いだしたり、ポジティブな解釈を加えたりする方法。この体験が自分を成長させてくれる、自分にとって何か役立つ経験だと考えるなど、別の観点からとらえ直すことです。
悲しみは大切な家族との死別などからも生じる感情ですが、そうした喪失体験について意義を見いだした人は、そうでない人に比べて6カ月後のうつ傾向が低かったという研究データもあります。