自販機のジュースは×、キャラメルは最悪…歯科医師が断言する「むし歯になりにくい冷たいお菓子」
ペットボトルを"ダラダラ"飲みはNG
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虫歯を予防するためには、どうすればいいのか。歯科医師・歯学博士の生澤右子さんは「時間をかけてダラダラと砂糖入りのジュースを飲むのは危ない。口の中の酸性度が高いままになってしまい、虫歯リスクを高めてしまうだろう。飲み方やおやつの選び方にはポイントがある」という――。(第1回) ※本稿は、生澤右子(著)、有田秀穂(監修)『集中力が高まり、心の強い子になる! 噛む力が子どもの脳を育てる』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
自販機は“無害な飲み物”のほうが少ない
外出する親子にとっての“危険スポット”といえば、自販機です。駅のホームに、信号待ちの街角に、駐車場にと、ありとあらゆる場所に自販機が存在します。それを目ざとく見つけるのが子どもです。すぐに吸い寄せられるように近づいて、「ジュース飲みたい」「のど渇いた」と言って、「買って! 買って!」と迫ってきます。機嫌が悪いと、泣き叫ぶこともあるかもしれません。
私も2人の子育てをしている身ですが、わが家でも、一時は自販機を疎ましく思ったほどで、駅のホームではできるだけ自販機の見えない場所で電車を待っていました。自販機で売っている飲み物の中で、歯に無害なのは水、お茶くらいです。そうすると、例えば私が見た自販機は全部で35本の飲み物を売っていましたが、その中の22本は歯によくない飲み物でした。
無害なほうが少ないという、驚くべき事実。これを私は「自販機のワナ」と呼んでいます。今でこそ「それで、自販機のワナに引っかかるわけ⁉」と自販機を見て反射的に欲しがるわが子にいいますが、昔は本当に大変でした。
WHOは“遊離糖1日25グラムまで”としている
歯によくない飲み物は、簡単にいうと甘いか酸っぱい飲み物です。シュワシュワ系も結局のところ、歯によくありません。
まず、わかりやすいのが、甘い飲み物です。砂糖はむし歯になると知っている方も多いと思いますが、そのペットボトルにどれくらいの砂糖が入っているかご存じでしょうか。
WHO(世界保健機関)では、「遊離糖(フリーシュガー)」のとりすぎがむし歯や肥満になるリスクを上げるとして、1日25グラムまでに抑えるべきとしています。遊離糖(フリーシュガー)とは、食べ物や飲み物に添加されている糖や、ハチミツ・シロップ・100%の果汁・濃縮果汁の中などに天然に存在するものをいいます。
500ミリリットルのペットボトルに入っているコーラには、約60グラムの遊離糖が入っていますので、感覚がバグってしまうかも(笑)。あの甘みは、ジュースでも同じですから、むし歯菌にとってはごちそうになります。
酸っぱい飲み物も、歯によくない飲み物になります。味として酸っぱいオレンジジュースなどはもちろん、スポーツ飲料も酸っぱい分類になります。この理由は、表面で歯を守っている“歯の鎧よろい”ともいえるエナメル質が溶ける酸性度を超えてしまうからです。