マッサージもサプリも"現代型疲労"にはほぼ無意味…医師「全く取れない疲労感を軽くする意外な方法」
放っておくと、自律神経失調症や過労死というコースをたどる
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疲労を感じたら、どう対応するといいか。医師の保坂隆さんは「ちょっとした疲れを残したまま無理をしていると、どんどん積み重なり、休養や睡眠、栄養摂取などでは回復が難しい状態になる。健康を守る鍵は、肉体的な疲労を癒やすだけでなく、精神的な疲労もケアする方法を取り入れることだ」という――。 ※本稿は、保坂隆『精神科医が教える 心と体をゆっくり休ませる方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
私たちの疲れ方は昔と大きく変わった
情報化が進み、便利さと効率が優先される現在。テクノロジーが大きく進化した結果、生活も働き方もずいぶんと変わりました。こうした社会の変化によって、人間の疲れ方も大きく変化しています。
かつては、「疲労」といえば、体を酷使する肉体的な疲労が主な問題とされていました。しかし、今では精神的な疲労が大きくクローズアップされています。
疲労は目に見える形ではなく、日常生活の中で少しずつ蓄積されていきます。
「最近、やる気が出ない……」
「毎日なんとなくだるい……」
こんなふうに感じることが増えているとしたら、それは精神的な疲労のサインかもしれません。毎日の生活を考えても、終わりの見えない業務や時間に追われることが多く、人の心は絶えずプレッシャーにさらされています。
人間関係も無視できません。家族や同僚、友人などとの関係性を保つための努力が求められるので、ときには自分の感情や気持ちを押し殺す場面もあるでしょう。
また、肉体的な疲労を考えると、長時間の肉体労働や劣悪な環境下での労働は体力を失わせ、体のトラブルを生みます。日常の小さな「我慢」や「無理」が積み重なって、知らず知らずのうちにエネルギーを消耗していくのです。
「ちょっとした疲れなんて大丈夫だから」と無理をしていると、どんどん積み重なり、「蓄積疲労」という状態になってしまいます。
こうなると、休養や睡眠、栄養摂取などでは回復が難しくなるのです。しかも、それを放っておくと、自律神経失調症や過労死というコースをたどります。
そうならないためには、疲れの種類や原因を理解し、それに応じた対策をとることが重要になってきます。肉体的な疲労を癒やすだけでなく、精神的な疲労もケアする方法を取り入れることが、私たちの健康を守る鍵といえるでしょう。
疲れを甘く見ないで、しっかりケアしていこう |
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