ついに「AIで管理職は減る」をアマゾンも認めた…これから本格化する「ホワイトカラー消滅」を覚悟すべき職業

ついに「AIで管理職は減る」をアマゾンも認めた…これから本格化する「ホワイトカラー消滅」を覚悟すべき職業

アメリカで起きたことは、日本でも必ず起きる

米アマゾンが「AIによる効率化で、管理部門の従業員数が減る」と発表したことが波紋を広げている。日本工業大学大学院技術経営研究科の田中道昭教授は「巨大テックCEOが『AIリストラ』を明言したのはこれが初めてだ。この影響は必ず日本企業にも波及するだろう」という――。

アマゾンCEOの発言とその衝撃的意義

2025年6月17日、アマゾンのアンディ・ジャシーCEOが「AIによる効率化により、今後数年間で管理部門の従業員数が減少する」と従業員向け書簡で明言した。これは、単なる人員削減の発表ではない。米テック大手のトップが、AIの導入によって自社の雇用が実際に減ることを初めて公式に語った歴史的瞬間と言えよう。

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アマゾンのアンディ・ジャシーCEO(写真=Lisi Mezistrano Wolf/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons)

注目すべきは、対象が「管理部門」である点だ。これまでAIの影響は工場や単純業務に限られると思われてきたが、今回の発言は、いわゆるホワイトカラーの中核業務がAIにより構造的に再編されることを示唆したものだ。アマゾンはすでにAIエージェントを管理業務に導入し、35万人規模の管理部門の業務最適化に着手している。

この発言が意味するのは、「人を前提とした業務設計」の終焉であり、企業の根本的な仕事の再定義である。アマゾンというグローバル企業が率先してその姿勢を明示したことは、他のテック企業、さらには世界中の企業にも波及しうる重大なメッセージとなった。今後、業務の設計、雇用の定義、人材育成の考え方そのものが大きく書き換えられていくことになるだろう。

MBA新卒でも“20%が無職”

2025年5月13日には、米マイクロソフトが従業員全体の3%近くにあたる約6000人の従業員を削減することが発表された。そのうち4割がソフトウェアエンジニアであり、AIによる業務自動化やそれに伴う組織再編などが主な要因と報じられた。

AIが自律的にコードを生成する時代において、「プログラミングができる」というスキルはもはや競争力の源泉ではなくなりつつある。単なる実装者ではなく、課題定義やAI活用を前提とした設計力が求められているのだ。

この変化は、若者の進路にも深刻な影響を与えている。2025年春、FRBが発表した新卒失業率ワースト10には、Computer Engineering、Computer Science、Information Systemsといったテック分野の人気学科が軒並みランクインした。かつて「最も就職に強い」とされた専攻が、いまやAIに代替される最前線に立たされている。

さらに、衝撃的なのはトップMBA卒の就職難である。ハーバードやスタンフォードといった超一流校でも卒業後3カ月で2割前後が無職という前代未聞の状況という。資料作成や定量分析など、これまでMBA新卒が担っていた業務の多くがAIに置き換えられたことが背景にある。実際、従来から主なMBA就職先であったアマゾン、グーグル、マイクロソフト、マッキンゼーなどテクノロジーやコンサルティングの業界が大幅に採用を削減している。

今、アメリカでは「エリートすら就職できない時代」が現実化しているのだ。情報科学(CS)専攻やエンジニア職も「安全圏」ではない。技術者こそ、自らの役割を再定義しなければ生き残れない状況が到来しているのだ。

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2025.06.26

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