歩道を走る自転車は全員「反則金6000円」?…日本の危険な道路で始まる「青切符取り締まり」への最大の懸念【2025年5月BEST】
逆走、信号無視、「ながらスマホ」とは事故リスクが違う
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2025年5月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。社会部門の第5位は――。 ▼第1位 雨の大阪万博で愛子さまは即座に傘を持ち替えた…皇室研究家が確信した「国民統合の象徴」に近い存在感 ▼第2位 「年俸の97%が後払い」だけでも異例なのに…大谷翔平が「10年7億ドル」契約に加えた"前代未聞の一文" ▼第3位 「紙コップで5000円」の代償は大きかった…大阪万博「英国のアフタヌーンティー」が炎上した本当の理由 ▼第4位 なぜ優秀な跡取り娘がいるのに甥っ子に継がせるのか…「"愛子天皇"待望論」沸騰の背景に庶民の素朴な疑問 ▼第5位 歩道を走る自転車は全員「反則金6000円」?…日本の危険な道路で始まる「青切符取り締まり」への最大の懸念 警察庁は2026年4月から、自転車の交通違反に対して「青切符」を導入する方針だ。反則金の対象として、スマホの「ながら運転」や信号無視など113の違反行為が挙げられている。自転車評論家の疋田智さんは「事故に直結する危険な違反を重点的に取り締まるメリハリが必要だ」という――。
確かに「危険自転車」は目に余る
4月24日に警察庁から「自転車のルール違反にも青切符を導入し、反則金を徴収する」とのリリースが出された。来年4月1日から運用を始める方針だ。
この連載でもたびたび書いていたとおり、私は「導入やむなし」と思う。というより個人的に大賛成だ。自転車のルール違反はこのところ目に余るから。その結果、交通事故の中の自転車事故の率は、このところうなぎ上りとなっている。
今回の警察庁案は113項目の具体例について、反則金の額が提示された。
発表当日は、テレビのニュースやワイドショーで流れ、翌朝の新聞にもかなりの大きさで報じられた。
「スマホを見ながら」で1万2000円
自転車の「青切符」の反則金額は原付バイクをベースとしたとのこと。違反内容に応じて3000円から1万2000円だという。
いくつか見ていこう。最高額は、スマホがらみだ。
▼ 携帯電話使用等(保持)1万2000円
じつはスマホながら運転は「事故に結びつくような危険な運転」の場合、赤切符が切られるという。赤切符すなわち刑事処分である。この青切符は「そこまでじゃないが、とにかくスマホ見ながらはダメ」ということらしい。
その他、金額ごとに見ると、こんなところになる。
▼ 信号無視、逆走、歩道走行は、6000円
▼ イヤホン着用運転(必要な音が聞こえない状態で運転する行為)や傘差し運転、一時不停止、車間距離不保持は、5000円
▼ 並んで走る行為や2人乗りは、3000円
……など。
こういうのが113項目ある。私はこれらを見ているうち、次第次第に「あ、ダメだ、これは」と思ってきた。