子どもが「幸せなお金持ち」になるために…パックン「親が言ってはいけない3つの言葉」
「よい成績をとったら…」「投資は…」「お金は…」
Profile
わが子をお金に困らない子に育てるにはどうすればいいか。『パックンの森のお金塾 こども投資』を著したパトリック・ハーランさんは「親子でお金の話をするのはとても大切なことだ。でも一方で、子供に言ってはいけない言葉を親が口にするのをしばしば耳にする」という――。
NGワード①:「よい成績をとったら、おこづかいをあげるよ」
成績アップのご褒美に、おこづかいをあげる。やりがちかもしれませんが、僕はあまりおすすめしません。なぜなら成績が落ちたら、おこづかいももらえないから。うまくいっているときはいいかもしれませんが、結果が悪いと子供はダブルのショックを受けてしまいます。
僕が子供の頃、母は僕の成績がほとんどAならピザ、オールAならレストランでディナーと、成績に対するご褒美をつけてくれていました。当時は外食なんて、めったにできなかったから、確かにモチベーションになりました。ですが実際、僕が勉強を頑張れたのは、母を喜ばせたい、自分の才能や学力を高めたいという意欲があったから。ピザやディナーで成績が変わったとは思いません。
勉強も、お金の投資と同じように、どんどん複利効果で賢くなります。
複利効果とは何か。わかりやすい例を出しましょう。もし手元にある現金1万円をまったく投資しなかったら、10年後も30年後も1万円のまま。この時、金利5%(単利)の金融商品に投資したら、毎年500円ずつ金利がついて、30年後には1万円は2万5000円(元手の1万円+金利500円×30年分)になります。でも、複利ならどうか。毎年つく500円の金利を含めて投資していくので、30年後には4万3200円(1年目:10000円×5%、2年目:10500円×5%、3年目:11025円×5%……)になります。
勉強は、積み重ねが大事。前に勉強したことを土台にして次のステップへ進みます。投資でいう複利のような仕組みです。だから、日々の蓄積をしっかりやれば複利で1万円→4万円超へと成長したように、自分の頭もぐんぐん成長します。
子供のうちの勉強はお金の投資より大切ということを伝えて、日頃から親が子供の努力をしっかり見守って、がんばれたときに褒めることをしていれば、ご褒美がなくても頑張れますよ。
アメリカでは「ジョブ型おこづかい」が主流だが落とし穴が…
「よい成績をとったら、おこづかいをあげるよ」と似た言葉に「家の手伝いをしたら、おこづかいをあげるよ!」というものがあります。これに関しては、僕個人としては「アリだけど、注意が必要」という意見です。
日本では、月にいくらという「定額制」おこづかいの家庭が多いようですが、アメリカでは、手伝いをしたらおこづかいを渡す「ジョブ型」が主流です。つまり、まさに「家の手伝いをしたら、おこづかいをあげる」やり方。これだと、子供はお金が発生しないと動かなくなります。「散らかっているから片づけて」と言うと「じゃあ、3000円」なんて手を差し出されるようになりますよ。
なので、わが家は、「定額制+ジョブ型の組み合わせ」にしています。子供が中学生ぐらいから定額のおこづかいには、家族を支える責任代として手伝いも含まれています。それ以上お金がほしいなら、ジョブ型で別のアルバイトをして稼いでもらう。この家で暮らしているなら、君も協力しなきゃいけないということは、幼いころから教えた方がいいと思うんです。社会もみんなが協力し合って成り立っているものですからね。