40代から始まる「前頭葉のヨボヨボ化」のサインはこれ…和田秀樹が指摘する男性ホルモンの意外な効用
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長寿で元気な人は何が違うか。医師の和田秀樹さんは「男性ホルモンが多い人は凶暴だとか、『男のスケベホルモン』というのは大誤解だ。じつは、男性ホルモンが多い人のほうが人にやさしいという研究結果がある」という――。 ※本稿は、和田秀樹『熟年からの性』(アートデイズ)の一部を再編集したものです。
40代でむかえる男性ホルモンの曲がり角
男性ホルモンのはたらきについては、この20年くらいで研究がずいぶん進んで、いろいろなことがわかってきました。
例えば、男性ホルモンは性欲だけでなく、意欲をうながすホルモンであることがわかったのも、そのひとつです。
男性はだいたい40代くらいから男性ホルモンが目立って減りはじめます。
そうなるとだんだん意欲も減ってきます。
「もうこれくらいでいいや」「出世なんかしなくていいや」とか、「ガツガツなんてもう嫌だ」などと思いはじめる。
それも悪いことではないのですが、意欲がなくなると、「どうせ年なんだから老けてもしかたがない」とか「うまく歩けなくなった」みたいなことになりかねないので、さすがにこれはマズイです。
年をとって男性ホルモンが減ってきた男性がよく言うのは、「新入社員でかわいい女の子が入ってきても、最近は全然興味がもてないんだ」とか「キャバクラとかに行って、女の子をくどくのが面倒くさくなった」といった性的意欲の減退が感じられる言葉です。
実際、定年退職後、キャバクラにはいっさい行かなくなるとか、女性にまったく関心がなくなる人が少なくありません。
家族の平和のためにはそれもいいかもしれませんが、男としてちょっと淋しいのではないでしょうか。
心配なのは、男性ホルモンが少なくなっていけばいくだけヨボヨボになってくことです。
そうならないためにも高齢になるにつれて男性ホルモンを増やしたほうがいいのですが、日本の医療の政策そのものが、男性ホルモン不足のことには関心がないのです。
例えば、先ほども言ったように、「年をとったら肉を食べるな」とか、「コレステロール値を下げろ」などといって、男性ホルモンを増やすどころか、人をヨボヨボにさせるようなことばかり言っているのです。
男性ホルモンの重要性を知らないからかもしれませんが、意識の高い欧米との認識の差を感じさせられます。