スマホ没収は逆効果…小児精神科医の母が伝授「ゲームに夢中の子どもが変わるプライドのくすぐり方」

スマホ没収は逆効果…小児精神科医の母が伝授「ゲームに夢中の子どもが変わるプライドのくすぐり方」

「私が友達に嫌われてもいいの?!」という"かかし戦術"への対応法

子どもにスマホを持たせるとき、どんな風にルール作りをすればいいのか。自身も3人の息子を育てる、ハーバード大小児精神科医の内田舞さんは「ティーンエイジャーの場合は、スマホの利用について親とルールを決めたりすることに、強く抵抗することがある。そして、無意識のうちに論点をずらそうとして『かかし戦術』という手法で反論してくることがある」という――。(第3回/全3回) ※本稿は、内田舞『小児精神科医で3児の母が伝える 子育てで悩んだ時に親が大切にしたいこと』(日経BP)の一部を再編集したものです。

取り上げるのはお勧めできない

スマホやゲームばかりに夢中になっているからといって、取り上げることで解決しようとするのはお勧めできません。

取り上げることは、一時的な対策にはなるかもしれませんが、親に対して反抗する気持ちも大きくなりますし、「これからはやりすぎないようにしよう」という反省や行動の変容にはつながりにくいからです。また、子どもにしてみると、どれくらいからが「使いすぎ」なのか、どんな使い方なら適切なのかが、禁止するだけでは学ぶことができません。

学校の授業でパソコンやタブレットを活用するようになっていることからもわかる通り、デジタル機器は、現代社会では情報を得たり、情報を処理したりするために必須ともいえるツールになっています。「約束を守らなかったから」といった理由で、期間限定で取り上げることはあってもいいかもしれませんが、取り上げてずっと使わせないままでいるというのは、現実的ではないように思います。使い方によって、毒にも薬にもなりますから、うまく付き合っていく方法を私たち一人ひとりが模索する必要があるように思います。

いい面、悪い面を本人に語らせる

対応方法は、二つのステップで考えてみてはいかがでしょうか。

まずは対話です。どこがおもしろいのか、子どもの言葉で説明してもらい、じっくり聞いてみるのです。なぜ手放すことが難しく、つい際限なく使ってしまうほどの魅力があるのかについて、自分で考えさせてみます。場合によっては、子どもに楽しみ方を教えてもらって、一緒にやってみるのもいいと思います。

魅力をしっかり話したあとは、「スマホって/SNSって/ゲームって、魅力的でいいところはたくさんあるけれど、よくない面はないだろうか?」と、ネガティブな面についても話し合ってみます。

最初から「こんなに悪い面があるよね」と親が「教える」のではなく、できるだけ本人に考えさせることが大切です。まったく出てこなければ、「例えば、昨日は○時から習い事があったけれど、ゲームをやっていて準備をし始めるのが遅くなって遅刻しそうになったよね」など、ヒントになるようなエピソードを(責める口調にならないように)出してみてもいいかもしれません。

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2025.06.19

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