血液がドロドロになり、血管が詰まって突然死…高齢者が絶対に「うたた寝」してはいけない自宅の場所2選
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高齢者の「うたた寝」で気を付けることは何か。東北医科薬科大学教授で法医学者の高木徹也さんは「高齢者が風呂やこたつでうたた寝するのは非常に危険だ。溺れたり、心筋梗塞で亡くなるケースが後を絶たない」という――。 ※本稿は、高木徹也『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
※写真はイメージです
高齢者を襲う風呂場でのヒートショック
冬の季節が近づいてくると、法医学者は「風呂溺が増える時期だなあ」と思うようになります。
風呂溺とは、入浴中に浴槽内で沈んだ状態で死亡すること。特に冬場に多く、近年では「ヒートショック」という名称で知られるようになってきました。
ただでさえ、冬は寒さで血管が収縮しています。その状態で温かい浴槽に入ると、血管が拡張して血圧が急激に低下し、脳に送りこむ血液量が減少してしまいます。これが、ヒートショックの主な要因です。
さらに統計的に、ヒートショックは65歳以上の高齢者に多い、という特徴があります。65歳というと、最近では多くの企業における定年の年齢。長寿国となった現代の日本では、見た目はまだまだ若々しく元気な人も多く見受けられますが、体内の老化現象はしっかりと進行しているのです。
そんな老化の中でも、特に「自律神経反射の遅延」と「感覚機能の低下」は、入浴中の死亡に深く関わっているように思います。